この作品シリーズは、不定調性論に基づく自己創作方法論の作品例です。
日常の写真・観察・心象・言葉を題材にし、それをピアノ曲として構成しています。
楽曲は鑑賞対象であると同時に、不定調性論の骨子を示す実演例でもあります。

習曲『夕衍の爰』

CM7 Dm7 Em7 FM7 Fm7 Bb7 EbM7 AbM7 G7 Db7 CM7
という和音連鎖の不定調性レッスン内練習曲です。使用した主要な音集合を並べます。






多少面倒ですが、楽譜と違って、この旋律の流れがcを中心としたモジュールによって統制しようと意図していることがわかります。左→右→次の行と読んでください。旋律音に特徴的現れる音は黄色のセルで付加しています。
不定調性では、このように中心音の周りをその他の音が旋回するように回っておるイメージです。これらを上左から四つずつ記号化すると、
C-u5 /C|q >|C- \C|q
C|w\ /C|/ /Cu4w C|q\
|Clal‾.+/ >C±(|.\ /C-sp(.|
と書けます。
解釈の違いですが、私はこんなふうに音を扱っています。
なぜ旋回というか、について紹介します。

このCM7→Dm7という進行は、

C=中央固定型の隣接左旋が左側に2回旋回するとa,dが選択された状態になります。
そしてbが表面化することでfに変換されます。
・cが中心であると設定した時...
・同じ形の音構造(隣接左旋3型)が左角軸2旋してc,e,g→d,c,aになる(Centrivortex音集合体系が作る関係性)。
・bが表面のfに遷化(ここでは表面化)する。
という拙論独特の関係性構築の宣言によって、独自の関係性がCM7 Dm7の変化で生まれる、と考えるわけです。
関係性はあくまで呼び名であり、科学的な真実ではありません。これは私の自然に対するイメージで、渦を描いたり、ランダムに泡だったりしている量子の世界?のような世界観に共感するので、音楽の流れもそうした様相で作りたかったのです。my趣味。
その音集合が、次の音集合に移行した時、何が起きているか、ということを指摘するための道具です。一般的にはCメジャースケールのIM7からIIm7に移行したと答えれば済みますが、不定調性楽曲ではこの曲なら最後の部分のように、

独特の音集合で連鎖し、これを既存のスケールに当てはめるとどうしても「この音よりこっちの音にした方が、スケール音として論理的だ」となりがちです。そうした一般性を用いた優劣は個人の独自性を主張したい作品分析で優先順位が低いと考え、拙論はこの12音連関表をモジュールを母体として音の流れを書くことにしています。
この最後の和音連鎖だと、上方領域が下遷してa♭が上遷し、f,bの表裏面が両方響いた和音...

と捉えられたりします。
音楽的にダメ...と言われる人の武器になることでしょう。
売れない、作れない、まとまらない人が90%いるなら、その90%を支える方法論があっても面白いですよね。