音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

アレンジ考1-70年代サウンド1

ようやく自分が制作してきた仕事が大小含め2000作を超えてくるので自分なりにショートカットを考えていっても良いかな、と感じます。

スピードとクオリティをあげるにはもっと早くこういうことをやればよかったのですが、なかなか面倒でした。

私のような何でも屋の場合、どんな制作でもやれないといけないのでたくさんリファレンスを持っているのですが、結局リファレンスをチェックする時間すらなくどんどん作業を進めなければなりません。

自分なりにどんな以来の時、どんな曲を参考にする、みたいなことがおざなりになって、変にオリジナルにしようとしてモヤモヤとした作品になったりします。

なので自分なりに年代別のアレンジ感覚をまとめておきたいな、と思っていました。

基本は60-70年代音楽は洋楽の"輸入"から、やがて90年代にj-popならではの文化が確立され、動画投稿で日本文化圏独自のアレンジが完成し、今は相手の意図が洋楽よりなのか、日本風なのか、伺えるだけ伺ってアレンジを進めます。

 

70年代風といえば、そのサウンドの根幹は洋楽から考えた方が良いです。まだまだ日本独自の"70年代アレンジ"があったわけではないからです。70年代にあったのは、それ以前の”斬新さ”であるビートルズを根幹とした洋楽サウンドを早くに独自消化した天才ミュージシャンが日本の予算とクラシック演奏陣の限界値を使った独自のスタイルがあっただけでした。

それを真似する場合は、吉田拓郎みたいに、とか初期のユーミンみたいに、という言い方をされるので、それは真似をすればすぐそれっぽくなります。

その際に、"吉田拓郎みたいに、でもオリジナルな感じも出したい"みたいな時はやはりその元となる洋楽のサウンドから別のエッセンスを引っ張ってきたほうが"聞いたことのある"サウンドになるので受け入れられやすいです。そこで変に今風の解釈を入れても落ち着きが悪くなります。吉田拓郎はやはり吉田拓郎です。

そしてチャート上位に居続けた往年のサウンドが耳に残っているわけで、進化したアーティスト後期のアレンジなどは求められません。

皆が親しんだあのサウンドにしてほしいんです。またそれが再現できないと斬新さも生み出せません。

また、音楽屋の音は楽譜ではなく、耳から入ります。楽譜的に合っていても、同じ楽器を使っていても、"あのサウンド"は再現できません。

逆にシンセを使っても加工によっては"あのサウンド"に近づけます。

 

クライアントが求める”あのサウンド"を理解し解釈できることがアレンジャーは何より重要かなと感じています。

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さて、とにかくアレンジのポイントをまずはひたすら列挙して書いていきます。

これからの自分のため、ですが。また全部まとめたところでさらに修正を入れます。

 

参考にするのは、やっぱりこれ。

アレンジは音楽的な良し悪しではなく、みんなが聞いたサウンドが意識と脳に残って、それが日々の趣味嗜好を作っています。音楽的な良し悪しは現場ではあまり関係ありません。だからこそ音楽理論を学習したら、不定調性論的思考による音楽的直感、クオリア的思考が求められます。

billboardtop100of.com

音源は著作権の関係でyoutubeでご覧ください。

<ピアノサウンド>

Simon & Garfunkel - Bridge Over Troubled Water (Audio) - YouTube

低音をガツン!と打つタイプのピアノです。くっきりとダイナミックになりますが、こういうのは嫌い、という人もいますので「サイモン&ガーファンクル」っぽくと言われてもこの低音の打ち方だけは気をつけましょう笑

あとはこのボーカルのリバーブ感も今はありません。「エコー深めで」というのはこの手の深めエコーの影響でしょう。歌がよほど安定していないとカラオケエコーになってしまうので、Dampingを浅めにすると良いです。

 

[They Long To Be] Close To You - YouTube

アレンジアイディアの宝庫のような曲ですね。

タンタッカ、タンタッカリズムの代表曲

アンニュイな感じ"けだるい午後"を出したい時はこの曲です。

(バカラックの同じ系統で雨にぬれても

ソロの管楽器のソロのほんわかした雰囲気はみんな真似しています。

逆にライトなピアノサウンドといえば、この手の四つ打ち。

ピアノの低音を思い切りカットして、中音域をあげます。高音はボーカルとの被りを気にして調整します。カレンのようにどんな楽器の音も負けない太さとふわっとした感じが同居している人って人類史になかなかいないので、大抵はピアノに負けてしまうので高音は地味目にするとバランス取れたりします。

キラキラのポイントは

ピアノ+鉄琴/木琴/ベル

それにウインドチャイム、ハープです。この曲0:55にハープの駆け上がりで次のセクションに入るのですが、これ打ち込むのが面倒です。バランスを取るのも大変です。

ハープの駆け上がりが音源化されたものもあります。

でも面倒なぶんサウンドがそれっぽくなります。

ただしハープは70−80年代サウンドを具現化しすぎてしまうので使いすぎに注意です。現代だと1,2箇所申し訳程度に使うと効果的です。半日ハープの打ち込みだけで終わりますが。

www.youtube.com

実際の音を聞いて打ち込みます。

この感じを打ち込んでいくわけですから、大変です。

弦の長さによってアクセントが変わり、指が弧を描くのでアクセントがつきます。使う音よりも「圧」が大事です。スクリーンに風景がブワッと広がるような感じにしたいですね。

だからハープのフリーサンプルや、鍵盤を押したらグリッサンドになるソフトを見逃しません。

IK Multimedia - Miroslav Philharmonik 2

ミロスラフでもそれなりにグリッサンドはあるのですがやっぱり自分で作ってしまいますね。

 

Nilsson Without You  Harry Nilsson 

Yesterday Once More

四つ打ちピアノといえば。

 

Don McLean - American Pie (Good quality)

冒頭、語り的ピアノ曲

 

Wayne Newton - Daddy Don't You Walk So Fast (1972) 

このラグタイム時代のようなピアノの音こそがピアノの音!という人もいるので再現できるようにしてます。

 

<バリトン・サックス>

Edwin Starr- War

冒頭の決めで裏で入るボゴ!って入るバリトンサックスが、泥臭くてファンクを感じます。普通のホーンセクションを少し悪びれさせたい時はバリトンを目立たせるに限ります。

 

とこんな感じでとりあえずこの機会にヒット曲を聴きながら、アレンジについて現代でも使える普遍的な部分を自分メモとしてまとめていきたいと思います。