前回のページの続きです。
では、実際どんなふうに初心者はファントムフリーを目指して作曲をしていけばいいのでしょうか?
具体的な応用編としての「不定調性論」を用いたファントムフリーの楽曲について、その作り方等については、下記をご覧ください。
しかしながらいきなり独自論、というわけにはいかないでしょう。どうやって自分の方法を見つけるか、ということについて上記ページに書かせてもらっています。
このページでは、音楽的なクオリア=思い・イメージ・願望・欲求に注視した初心者向きの作曲活動について書いてまいります。
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自分の欲求を見誤らない
まず「作曲したいな」と思った瞬間を大事にしてください。
もちろんそれが即「作曲家になりたい」という意味ではないかもしれません。実際に作曲を始めたら、
「楽器の演奏の方が楽しくなった」
「コピーバンドの方が楽しい」
「音楽分析気質かも」
「Youtubeで発信してたら、youtubeつくるほうが面白いかも」
となる人もいます。
でも「これやりたいな」と思ったことから色々な道は拓けます。
だから「作曲したい」と思ったらすぐ始めてください。人生も動き出します。
では具体的にどうすればいいんでしょう。
いくつかの行動系統
その人の気質で作曲方法はバラバラです。
カラオケ・弾き語り派
まずギターかピアノを選んでください。部屋で弾けるもの、かっこいいと思うもの、弾きたい楽器、実理性と欲望をうまく判断して選んでください。
初心者向きのコードブック、楽器演奏マニュアルを買ってきて、コードを3~20個覚え、
ギターコード/ウクレレ/ピアノ/バンドスコア見放題 U-フレット
こうしたサイトで弾きたい曲を見つけて弾いてみてください。良いカバーの例はYoutubeに上がっています。1曲弾けるまで半年から1年です。
近くに音楽教室があれば1年ほど通ってみるのもありです。自分に必要な情報を全部得てしまいましょう。歩いて行ける距離がいいです。あまり離れていると通えなくなります。面倒になるからです。
その間に
・歌える曲に別の歌詞を乗せて歌ってみる
・知ってる曲のコード進行に自分のメロディと歌詞をオリジナルで作る
・知ってるコードを並べて自由に曲を作ってみる
といった作業まで行えれば作曲はできるようになります。
カラオケで歌をメインに作曲をしたい、という人は、既存のカラオケに自分の歌詞を乗せたり、自分のメロディを乗せたりして作曲してみましょう。その鼻歌を曲が作れる人に渡して、アレンジをしてもらえば曲ができてしまいます。
そこから楽器をマスターすればいくらでもオリジナルソングを作ることができます。
ラップやDJに興味がある人は、また別のアプローチがありますが、同じです。既存のカラオケをベースにして自分の言葉を乗せていきましょう。DJの場合はPCを買ってミキサーを買って触らないと話になりません。
私は最初これでした(画像はamazonにリンクしています)。すぐ使えるようになってとても楽しいです。DJの音楽感覚はこれで身に付きます。
現代音楽に興味のある人は、スマホに生活のノイズを録音して、それを作品だと思えるかどうかを自分に問いましょう。。。。本当にこれやる人は問う云々の前に明らかに素質あります笑。
仲間派
仲間を集めてみんなで一緒に作りたい、という人はメンバー募集から。
もうこれは地道にSNSを通して見つけていくしかありません。できる限り同じような境遇の知り合いの線から見つけてください。そしてギターやピアノの人が見つかれば、その人が作曲できるなら、早速一曲作りましょう。共同作業にはコツがあります。最初はイメージだけ提示して楽器の人が98%ぐらい作ってしまうかもしれません。あなたが作るのは歌詞二行だけ、とか。でもそうやって何曲も作っていくと、イメージが具体化してきて、メロディの一部を自分で作ったりできるようになるかもしれません。何より仲間と作りたいあなたにとって、皆と一緒にワイワイ曲を作れるだけで最高でしょう。自分のポジティブな気持ちにエンジンがかかったら曲はどんどん作れるようになります。自己表現の半分以上は気持ちの問題ですから。そういう風に"楽しい"と感じるクオリアの方向に進んでいってください。目的がどんどん達成されます。義務の方向に向かわないよう。これやれあれやれ、という指示に従いすぎないようにしてください。全ては生まれ持っての才能で決まっているんです。誰もがトッププレイヤーになることはできません。
マイペースで頑張ってください。
依頼派
あなたに時間とお金に余裕があるなら、作れる人に作ってもらうのが一番です。
資金を用意して、「楽曲制作 依頼」などと検索してみましょう。ネット上のやり取りだけで作ってもらえる場合もあれば、近所にそういう作曲家が住んでいるかもしれません。そうした方と関係を作りながら音楽知識を吸収し、オリジナル曲も作ってもらうと良いでしょう。最初の2、3人の作家とはうまく一緒に作れないかもしれません。あなたのイメージが明確でなく、リファレンスの提示も曖昧なことから楽曲がうまくイメージ通りにできない可能性があるからです。
でもそこは我慢、そして依頼経験を積むしかないかも。
作りたい曲のイメージを明確にしておくのが一番です。
「ビートルズのLet it beみたいなピアノバラードを作りたい、将来自分が弾けそうな簡単な感じで」
的な無茶振りで結構です。そこからやり取りが始まり、落とし所が見つかります。「そんなの無理」という人とはいずれ破綻します。
制作途中でデモを聞かせてくれる人もいます。それがイメージ通りに沿っていなければ途中で修正依頼できる方がベストです。
ライブバーなどに興味がある人は、そういうところに出かけていくとすぐに気の合う仲間が見つかることでしょう。作曲できる仲間ができるかもしれません。
そういうやり取りを通してあなたが自分の心象、イメージを具体的に表現し、修正の際にもある程度的確に修正の指示ができるようになれば、オリジナル曲はあなたのイメージ通りに出来上がることでしょう。
制作者は自サイト等でデモを公開しているので、自分のクオリアと一致するような相手を探してください。
ココナラ、ランサーズといった常に依頼者に門戸を開いているサービスもあります。
私も登録していましたが本業の制作が忙しくて辞めてしまいました。どちらも一定の信頼がありますので検討してみてください。M-Bankでもご依頼を承っています。
ブログ見ました!という方でしたら随時価格をサービスいたします。
DAW派
一から全て自分のパソコンで作りたい、という人。
これも可能なら音楽教室かオンラインレッスンを受けるのが理想です。独学の10年が半年で済みます。
どのソフトがいいかも講師に聞くといいです。
そういったことも全部自分で調べて行動できる方は、多分DAWも独学でできます。
多少パソコンソフトというメディアの扱いに慣れている必要があります。あなたがmicrosoftやadobeを少しでも触ったことがあるなら問題なく扱えるでしょう。
あと英語に少し触れていないとダメかも。
あとはやってみるだけ。
最初はサンプルを並べる
最初はこういったサイトからサンプルをダウンロードしまくってオーディオデータを適当に並べて、曲っぽいものを作りましょう。
二番目の動画の方はちょとややこしいウンチク系ですね。チャンネルのその他の動画もご覧いただければ幸いです。
最初は楽曲の概念とか関係なくていいです。これは音楽の制作の感じに慣れるためです。それこそあなたの音楽的なクオリアを総動員して、感じるままにサンプルを並べてみましょう。
これなんかリズムだけです。これは一部ソフトを使っていますが、サンプルを並べるだけでもこのくらいできると思います。
そしてどんどんハードルを上げていきます。
最初の二週間は10秒の曲っぽいものを毎日1曲作る、
後半の二週間は30秒の曲を毎日1曲作る
というような感じから、徐々に毎日やるハードルを上げてきます、どんどんDAWにも慣れ、サンプルにも慣れ、自分がやれること、やれないことがわかってきます。そこからまた勉強です。この段階から教室に通うのもありです。スライスやストレッチ、キーチェンジなどの機能が学べれば、十分にサンプルだけで1曲できてしまうかも。
こんな感じの無機質な曲だって、 SF映画の荒涼とした大地を俯瞰するシーンとかで使えると思いませんか?音楽的なクオリアを使いましょう。これは確か半分以上サンプルとかパターンをイメージに合わせてつなげたものです。大切なのはイメージがあることです。音を聞きながら生まれるイメージもあります。どんどんイメージを再構成して楽曲を作ります。不定調性論ではこういったりアレンジを重ねる方法を「マザーメロディ」による作曲、と言います。
いきなり歌ものを作るより簡単かもしれません。そしてそういう時に役立つのが不定調性論的思考です。
また少しMIDIの知識もついてきたら
こういったサイトからMIDIデータをダウンロードして自分のDAWに並べて音源を割り当てていけば、MIDIを直しながら全くオリジナルの曲が一瞬にしてできてしまうかもしれません。
無理に1曲作ろうとしない
最初は無理して一曲作るのではなく、
全くイメージが湧かないならこういった効果音を作ってみましょう。上記はアイキャッチと呼ばれる短いジングルです。Youtubeなどで場面展開の時や、「閃いた!」なんて時に使えそうですね。子供っぽい感じを出したいものづくり動画などで。これも現代では商品です。
このくらいなら一日いくらでも作れるのでは?かつそれがビジネスになるのだとしたら、遊んでいるのはもったいないです。
大切なのは、その音がどんなシーンで使えるか?ということをイメージできることです。それが音楽的なクオリアであり、これがしっかりあればファントムフリーな状態でも音楽をどんどん構成できます。今鳴った音があなたにイメージを与えてくれるからです。
効果音制作に慣れたらジングルでもいいです。
どうでしょう。ファンファーレです。ZOOM配信とかで、いい意見を言った人に向けて鳴らしたらウケそうですね。
これを作るためには小太鼓の音源とブラスの音源が必要です。それをどうやって探すか、どうやって集めるか、質問しましょう。無料のものもありますが、有料の音源は質も高いですし、あとあと様々なシーンで使えて元が取れますので、お小遣いに余裕があるなら自分のPC環境に合って、他者が自信を持って紹介しているような音源を購入しましょう。自分でお金を出して買ったものは大事に使うものです。これは仕事を捗らせる、という意味でもとても重要なことです。
この曲は高音を偶然弾いた時に「あ、なんか"焦り"かも」と感じて作りました。
ピアノの高音を適当に鳴らしているだけです。でもドラマなどで焦っている時の心情や、信念が瓦解していくようなシーンで使えると思いませんか?
思う思わないも個人のクオリアですが。
でもこういう曲なら音楽理論なくても書けそうでは無いですか?でも音楽的なクオリアは必要ですね。イメージできなれば作れません。
これまで挙げた作曲方法は、ポピュラー音楽文化的なもので二次的な行動であると、これまでは重視されませんでした。
しかし、これらの動機がファントムであり、音楽的なクオリアから発せられているものであるとするならば、これらは音楽理論のその先の応用編実践編に当たる訳です。
音楽理論を習得したら、次はそれらを言語以上の存在によって用いていかなければなりません。
その存在こそ、ファントムフリーであり、音楽的なクオリアの活用です。
あなたが他の誰かの曲のコード進行を聞いて、何らかの感情的感覚を覚え、何らかのメロディーが浮かんだら、それは音楽的なクオリアの活用なんです。それを不定調性論的思考と言うわけです。れっきとした音楽制作の方法論なんです。
決して、ずるい方法ではないんです。脳の機能を活用しているに過ぎないんです。周りを見渡していただければ、そうやって音楽をやっている人がどれほどいるかわかるでしょう。それはすでにメジャーな方法なんです。
どれもピンとこない
もし上記の作業がどれもピンとこず、どうにもならない、となったらまっすぐ近くのお学教室に向かって、自分を激励してくれる講師を探してください。良い講師はあなたの夢を叶えます。
音楽理論はいつ学ぶ?
音楽理論、楽譜、音楽分析などは上記の目的がしっかりあった上でそれぞれに必要な音楽理論がありますので、それをピンポイントで学んでください。ギターとピアノでは音楽理論の見え方が違います。DJはDJ機器が扱えなければ話になりません。ミキサーで初めて作れる曲表現も多数あります。それらは音楽理論書には載っていません。
楽器を選ばずに音楽理論を学んでも音程の勉強のところで挫折し、また1年ぐらい何もできない生活が待っているだけです。
楽器に即した理論、機材に即した理論、目標に即した理論があります。
まず行動が最初です。疑問は後から湧いてきます。100m走を自分の競技にしたなら、
どうやってスタートを切るか
どういうペース配分で行くか
という理屈は100m走ならではの理論があります。
本格的な理論学習はプロになってからでいいです。お金と時間をコントロールできるようになってから勉強しても遅くありません。
とにかく制作活動が先、です。その先に不定調性論のような「独自論」をしっかり持って制作活動に当たれば、そこに個性も生まれます。自分で決めたことですから楽しいですよ?死を覚悟しますが(笑)
このブログで扱っているDPは最強のDAWですが、他のLogicやCubaseでも全く問題ありません。
試行錯誤の日々
制作活動にリズムが出てきた後は、もう答えはありません。
でも自分の欲求を求めて進み続けていれば成果も出ますし、何をすればいいかわかります。で必ず人生が前に進むでしょう。歩いていればヒントをくれる人がいます。途中でやめてしまうので前に進まないだけです。
最終的には必ず収益にできるように。自分で動かせる活動資金は必要です。
親からダメ、と言われた時
学生さんとかで、家族からダメ、と言われた時、などが起こり得るでしょう。
その時は少し冷静になってください。
⇨工夫してください。絶対に諦めないでください。必ず周囲がOKと言ってくれるやり方があります。家族の刹那的な反対に屈するようならあなたには音楽は無理です。やっても中途半端になるだけです。しかし死ぬほど諦めきれないなら、周囲に屈せず、方法を変えて、手を替え品を替え、トライしてみてください。
交渉、というのは必ず落とし所があります。
⇨お金になれば許してくれるかも
⇨世間に認められれば許してくれるかも
⇨いい大学に行けば許しくれるかも
そのために一時期苦しい音楽と勉強の両立の時期があります。遊ぶ時間を削るしかありません。でも安心してください。仕事を始めたら一日中暇です笑。数年ぐらい、いえひょっとすると10年ぐらい。ずっと遊んでいるだけになります。それも結構辛いです。
それに未成年では遊べないものが大人になると遊び放題飲み放題ですから。学生の頃に遊ぶのはこの国では少し効率が悪いんです。大人になってから遊びましょう。
三つ、四つやりたいことがある人は全部やってください。自由時間を上手に分割し、説得できなければ、隠れてでもやってください。そして必ず両方結果につなげてください。ひたすらひたすら考えてください。ぐっすり寝て朝には答えが浮かびます。脳というのはそういう機能を持っています。
諦めがつくまでは諦めずなんとかやる方法を考えてください。必ず方法があります。それを考えることで他のことも円滑に回せるようになります。
これは今でも自分に言っていることかもしれません(笑)。
一番辛いのは夢があるのにそれが追えない状況です。
本当に飽きたらそれはそれで早い方がいいです。
少しでもくすぶっていると火はまた必ず燃え出します。遊ぶのはいつでもある程度どうにかなりますが、若さ、というのは失ったら永遠に戻ってきません。
中年になってからではどうにもならないこともあります。
自分の状態においてどうやったら両立ができるか、そうしたことなどをご相談いただいても構いません。
音楽的なクオリアができること
クオリアはいわば煩悩ですから、あらゆるイメージをあなたに伝えてきます、意識の海からの信号です。「音楽的なクオリアを鍛える」とは、その中から、この音楽で今やりたいこと、自分が求めている信号を的確に見つけることです。
これもやっていればできるようになります。
だからまずトライして具体的に行動してください。三日坊主の人は四日目にやり方を変えて下さい。そうやってやり続けられることを人生の中で仕事にしてください。
あ、それから、人生はずっと辛いですよ笑、好きなことしてても(笑)。そこは諦めましょう(笑)。
だからアルバイトの募集の中から仕事を選ぶのではなく、自分がやり続けられるイメージが持てるものを仕事にしていくために若いうちから頑張っておけば青年いなった時それが仕事になっています。
不定調性論では、作曲に必要なのは、音楽的なクオリアだけです。
自由に作る、ということにピンとこないかもしれません。
ピンと来るまでは上記のいずれかのやり方を活用いただいて勉強してください。
私も20年ぐらい音楽を勉強してやっと不定調性論で音楽を作れるようになりました。その代わり、自分の人生を犠牲にしました(笑)今になってようやく自分が超絶不器用な人間だということがわかりました。本当に恥ずかしい思いを抱く時もあります。
感覚だけで作る自分を嫌わないでください。むしろ好きになって。
確かにそれを感じる日が来ます。
トンネルがつながったようなものです。
私も今になってこれが出来上がって、必死に音楽を作っています。
私があなたに教えられることは何も無いかもしれません。でもあなたがこれから進もうとする道に何があるかは全部見てきましたので、音楽に悩んでいたら参考窓口の一つ、と思っておいていただけたら幸いです。
どうぞ不定調性論共々引き続きよろしくお願い申し上げます。
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