ミックスの鍵となるプラグインがEQです。ミックスで一つだけプラグイン使っていい、と言われたらEQでしょう。どの楽器のどの帯域を持ち上げるかカットするかを選ぶことで「音の渋滞」をコントロールできます。ミックスでやることのほとんどはこの周波数調整です。
初心者はパラメトリックから
こういうやつです。今出ている音の波形が見れて、ある程度の帯域を自在にコントロールできるやつ。DPのEQは6バンドで一定なので大変全体を掴みやすいです。
制限があることで覚えるのが早いし「もっとここをこうできたらなぁ」という欲求にたどり着きやすく、次のレベルに行きやすいです。
逆にfabfilterのProQシリーズは最強ですが初心者には使いこなせません。上記のMOTUのような6バンドで十分です。
またEQには他にも下記の方にグラフィックでわかるグラフィックEQがありますが、これはいって仕舞えば旧機器です。パラメトリックを使いこなして、EQとはなんぞやがわかった人でないと使いこなせないでしょう。そしてパラメトリックの方が全体を掴みやすいです。
ダイナミックイコライザーは難しい
どうせ持っておくならProQを持っていればメニューの中にダイナミックEQもあるのでお勧めです。
ダイナミックEQの特徴は「この音域がここまででたらカット」みたいなことをしてくれるイコライザーです。
しかし現実の世界ではあり得ません。ライブでは出る音は出る、でない音は出ないから自然なんです。それを聴感上の聴きやすさをとことんまで追求して操作できるダイナミックEQはちょっと出来過ぎです。
また音楽的なことは一切考えず、出たものはすべてカット!をしてしまうので、ミックスがいびつになったり、「機械に任せっきりな音」になったり、環境や状況によって微細に効きが違ってくる可能性を否定できません。
ダイナミックEQを使う場面を考えるとしたら、
30人近いコーラスの人がソロをちょっと変わったマイクで録音したせいでランダムにキンキンする1kHzの帯域が目立つときがある
などという状況で、ミックスを明日までに仕上げる、というとき今から30人ぶんのEQを一人一人作る時間がない、というとき、30人のトラックを一つのAuxにまとめて、そのAuxにダイナミックEQをさし、このトラックを抜ける音が、この帯域をここまで鳴らしたらカットする、と設定して、一回聞いて、それでもキンキンするトラックだけ調整する、というような「面倒を省く」ような場合でしょう。
私はそれでも一人一人ミックスするかも笑
ミックスのベテランになるまでは、パラメトリックEQを丁寧にかけていった方が結果的には時短になるかと思います。
DPの人でミックス初心者にはMW イコライザーがお勧めです。別途EQを買ってもこれ以上の"いい感じの適度なEQ"はなかなか出会えないでしょう。
お試しあれ!