もし先例として事例があればリンク/用語参照いたしますのでご指摘くださいませ。
教材では「コロイド音」という増四度環の中の話を展開しています。
XM7⇨ZM7
このとき、XM7はZM7になぜ進むことができたのでしょうか?
1.調と機能、自然の摂理/人の発想(各種認知機能、習慣とヒューリスティック)、楽器/音源の運動力学的の規則/法則に基づいている
各種機能和声、ジャズ理論、フォークソング、ブルース、偶然性の音楽等
(このサイトでは、"なぜ次のコードに向かったか"的感覚は認知的ヒューリスティック-こちらも-という考え方などに準じています。)
2.様々な時代の慣習に基づいている
対位法、12音技法、セリー技法等
3.各自の認知バイアスを含めた自分の意思を最優先している
フリージャズ、不定調性論等
4.関連性αが存在する
中心軸、ミラーハーモニー、ネガティブハーモニー等
伝統音楽から現代音楽まで様々な連鎖法則(慣習)があります。
今回のお話は4。
概略
まず
aボタンを押したらbが出てくる
という関数的に音を決めるプログラムを作ります。
教材では異なる二つの方向性を時間軸同様に設けて関係性を作り考えてゆきます。
有名なのがネガティブハーモニーです。
この表に基づいて音を変えることで、使用音階が強制的に変化します。
これを今回は拡張し、強制性を排除してみましょう。
12音順行逆行対応表
下記の二つの表をご覧ください。
上の表は移調表、とも言えます。
これらの表はネガティブハーモニーまたは拙論のベルトチェンジによる写像関係を全ての音に展開したものです。赤字の音が上行し、緑字の音が下行しています。
耳コピも写像
ここから様々な音楽行動の概念も出てきます。
例えばこれ。上の列の音を下の音の列に置き換えるわけですが、音に変化がありませんね。何も変わってません。でもこういう行音楽動がありますね。
耳コピやカバー演奏、カラオケ制作です。
原曲に忠実に演奏していく作業は、まさに1:1です。
「そういうのは音楽活動じゃない!」ではなく、それもまた写像的作業と言ってみてはどうか?と認識です。
オケ作成している人の作品もまたアート、となります。
ネガティブハーモニーも絶対に対応しなければならない、というルールが重要なのではなくどこまで対応させるか、という"意思"の方が表現活動では重要です。
ネガティブハーモニー
そしてこの逆行写像6の表がネガティブハーモニーです。
拡張されたネガティブハーモニー=ベルトチェンジ
借用という意味では、wikiにありました。その中の「モーダルミクスチャー」っていうのも近いかな・・・。ただモードは和音の上で自由にクロマチックにメロディも作ったりもするので厳密にはあまり重視されません。
また何かを置換するわけでも、予期せぬ突然変異でもありません。
意図してそれを使います。
一応仮に「クロマチックレイヤー」としておきましょう。
二つ(以上)の中心音を想定するクロマチックと考えます。
まずダイアトニックコードで考えてみましょう。
二つ表を挙げます。
先の対応表から各キーの対応和音を書き出しました。逆行の場合は、対応音も反転します。
ネガティブハーモニーもしっかり対応ができています。
例えばこの表から、
この対応を引っ張ってきて、
|:C |Ebm |F |Bm |Am |F# |Em |Bb :|
なんて進行も作れます。
Cのダイアトニックコードに対して、どの写像関係を用いたか、が明確に指定できます。
上記はちゃんと呼応を使いましたが、
|:C |F |G |C :|
だって、メロディがない状態では、
Cメジャーキー→Gマイナーキー→Gメジャーキー→Fメジャーキー
からの借用、と言えてしまいます。
例えば、順行表のEメジャーキーと対応させて、
C |E |F |A |C |B |Em |A |Dm G |
なんていうコード進行作ったら、
「これはCメジャーキーとEメジャーキーのダイアトニックコードである」
とかって言われるかも。
この進行はCメジャーキーとセカンダリードミナントコードなどで分析できると思います。でも
セカンダリードミナントってなんだよ。
です。
ルール=機能和声的であること
からちょっと外れたとき、何理論でどう説明するか?が個人の独自論になります。
しっくり来るなら誰かの方法論を活用しても良いと思います。
上記のように調性ありきで音楽理論を解釈すると「借用」「代理」「経過」「複層」等元の理論を拡張しないと新しい方法論が収まりきりません。
何とか元の理論に当てはめて必要性を共なった一時解釈できるようにしようとしています。
しかし元々あったのは「自然のそのまま」なのだから
調性がないところを基準に絞り込む形で拙論は行なっています。
まず楽器があったら、フリージャズのように自由に弾くところから始まり、その後民族に合うリズムの整合性を作られ、それが使用音の整合性につながり、使用音の限定につながり、進行に規則禁則が確立する。
最新ポップ・ミュージックは不定調性も機能和声も使い放題です。
もし違和感を覚えるなら、理論主体から自分主体に逆から考えて自分なりの理屈を軽く持っておくと、楽かも知れません。
「世間ではそうするようだが、ここだけは私はこうする」
があると、時に楽しいです。
さらに赤字部分を12キーまで拡張した表を添付しておきます。
例えば赤字部分をC#キーにしたいときは、例えば下記の2段目のようにC-C#M7となっています通り、この列を基準に考えていただく形になります。
例えば、
CM7-C#m7(b5)というコード進行は
表1
順行表でいうと、DメジャーキーのダイアトニックのC#m7(b5)を借用した、と言えてしまうかも???
表2
逆行表でいうと、GメジャーキーのダイアトニックのC#m7(b5)を借用した、と言えちゃう???
またビートルズのI am the Walrusなら、
イントロ
B ||2/4 B |B A | G F |E |E7 |D |
こうですから、7thを無視した時、
このような動きを想定できます。他のキー関係でもきっと作れます。
このようにメジャーコードだけだと様々なキーのT-SD-Dに集約できる整合性がすごいです。なんでも機能和声になりそう笑。
また当ブログで出したニルヴァーナのコード進行を考えてみましょう。
0:25のAメロは
Bb Gb |Eb B A |
です。メロディを構成しているのは、
前半がf,c#,b♭で各コードの5度です。
後半がf,g♭,gでE♭の時M3のgが出るのがニルヴァーナ的です。
モードは関係ないと言えます。
これを機能和声で解釈しても別に構わないと思います。
不定調性論では、指が動く方向に何となく動いて、生まれたクオリアに対してメロディをつける、ですから、理屈はあまりありません。
ここにもう一つ中間的な解釈をつけてみましょう。今回のクロマチックレイヤーです。
G Eb |C Ab Gb |
Ebに帰着点を感じるのでここをCにして移調してみました。
こんな感じでC#メジャーキーとG#メジャーキーから借用してくることで、並べてみると、
こちらも三つのキーのT-SD-Dをぐるぐる回る感じにできました。
これは中心軸システムの先、とも言えます(拙論ではマルチファンクショナルコードマトリックスがあります)。
また逆にニルヴァーナのコード進行は、クロマチックレイヤーシステムで解析ができる、みたいない言い方はすごい偏見になる、と感じます。
他のキーなどレイヤーを増やせるので分析者の裁量によるのは中心軸システムと同じです。
分析の思考ツールとしては面白いな、と感じました。
お試しあれ!