音楽教室運営奮闘記

不定調性論からの展開紀行~音楽と教育と経営と健康と

和音と和音の連鎖を考える〜借用相関関係を作ってみた

もし先例として事例があればリンク/用語参照いたしますのでご指摘くださいませ。

 

XM7⇨ZM7

このとき、XM7はZM7になぜ進むことができたのでしょうか?

 

1.調と機能、自然の摂理/人の発想(各種認知機能、習慣とヒューリスティック)、楽器/音源の運動力学的の規則/法則に基づいている

各種機能和声、ジャズ理論、フォークソング、ブルース、偶然性の音楽等

(このサイトでは、"なぜ次のコードに向かったか"的感覚は認知的ヒューリスティック-こちらも-という考え方に準じています。) 

2.様々な時代の慣習に基づいている

対位法、12音技法、セリー技法等

3.各自の認知バイアスを含めた自分の意思を最優先している

フリージャズ、不定調性論等

4.関連性αが存在する

中心軸、ミラーハーモニー、ネガティブハーモニー等

 

伝統音楽から現代音楽まで様々な連鎖法則(慣習)があります。

 

今回のお話は4。

 

概略

今回は機能和声の考え方をベースにします。

まず

aボタンを押したらbが出てくる

という関数的に音を決めるプログラムを作ります。

 

有名なのがネガティブハーモニーです。

ネガティブハーモニーの紹介と不定調性論1 - 音楽教室運営奮闘記

この表に基づいて音を変えることで、使用音階が強制的に変化します。

これを今回は拡張し、強制性を排除してみましょう。

 

12音順行逆行対応表

下記の二つの表をご覧ください。

f:id:terraxart:20210531191742j:plain

上の表は移調表、とも言えます。

f:id:terraxart:20210531191729j:plain

これらの表はネガティブハーモニーまたは拙論のベルトチェンジによる写像関係を全ての音に展開したものです。赤字の音が上行し、緑字の音が下行しています。

 

耳コピも写像

ここから様々な音楽行動の概念も出てきます。

f:id:terraxart:20210601093157p:plain

例えばこれ。上の列の音を下の音の列に置き換えるわけですが、音に変化がありませんね。何も変わってません。でもこういう行音楽動がありますね。

耳コピやカバー演奏です。

原曲に忠実に演奏していく作業は、まさに1:1です。特にカラオケ店で流れるオケ作成など。

これは「そういうのは音楽活動じゃない!」ではなく、それもまた写像的作業と言ってみてはどうか?と認識が広がります。オケ作成している人の作品もまたアートだ、となりますから、彼らの尽力を評価できる指針ができたことにもなります。

 

ネガティブハーモニーは絶対に対応しなければならない、というルールがあるように感じましたが、オケ作成ではカラオケを楽しむ目的以外の再現不要な音は再現しない、という"意思"を盛り込むことができます。

 

ネガティブハーモニー

f:id:terraxart:20210601093511p:plain

そしてこの逆行写像6の表がネガティブハーモニーです。

その他の対応も確立が可能だとすると、ネガティブハーモニーもまた

「厳密に何でもかんでも反転させなくても良い」

とかんがえるべきかな、と思います。

しかしそうなるとやはり「どこをどこまで変えるか?」がクリエイターに任されるのでやはり「音楽的なクオリア」を鍛えないと!!!となりますね。

 

拡張されたネガティブハーモニー=ベルトチェンジ

en.wikipedia.org

借用という意味では、wikiにありました。その中の「モーダルミクスチャー」っていうのも近いかな・・・。ただモードはどうでもいいんですよね。和音の上では自由にクロマチックにメロディも作ったりしたいから。

また何かを置換するわけでも、予期せぬ突然変異でもありません。

意図してそれを使います。

一応仮に「クロマチックレイヤー」とかとしておきましょう。

f:id:terraxart:20210604104805p:plain

二つ(以上)のクロマチックを呼応させて用います。

 

例としてまずダイアトニックコードで考えてみます。あくまで"借用"なので、トーナリティが生まれているわけではないのでご注意ください。

二つ表を挙げます。

f:id:terraxart:20210531174158j:plain

f:id:terraxart:20210531174134j:plain

先の対応表から各キーの対応和音を書き出しました。逆行の場合は、対応音も反転します。

f:id:terraxart:20210604100101p:plain

ネガティブハーモニーもしっかり対応ができています。

 

例えばこの表から、

f:id:terraxart:20210531195628p:plain

対応関係に限界があるので、何でもかんでも連鎖できる不定調性的進行が全て写像展開に落とし込めるわけではありません。

 

この対応を引っ張ってきて、

|:C  |Ebm  |F   |Bm  |Am   |F#  |Em   |Bb  :|

なんて進行も作れます。

Cのダイアトニックコードに対して、どの写像関係を用いたか、が明確に指定できるわけです。不定調性進行のこじつけなどにも面白いですね。

メロディ音が各種キーに対応しているときはなおさらです。

「転調」ではなく「借用」です。

言葉遊びの枠を出ません。

 

上記はちゃんと呼応を使いましたが、

|:C  |F  |G   |C :|

だって、メロディがない状態では、 

Cメジャーキー→Gマイナーキー→Gメジャーキー→Fメジャーキー

からの借用、と言えてしまいます。

しかしむしろ、不定調性的にはこちらの解釈の方が普通です。

 

 

例えば、順行表のEメジャーキーと対応させて、

f:id:terraxart:20210604102151p:plain

C   |E   |F    |A    |C   |B    |Em   |A    |Dm   G  |

なんていうコード進行作っちゃったら、分析屋に

「これはCメジャーキーとEメジャーキーのダイアトニックコードである」

とかって言われても知〜らない笑。

この進行はCメジャーキーとセカンダリードミナントコードなどで分析できると思います。でも

セカンダリードミナントってなんだよ。

って思いませんか?

 

f:id:terraxart:20210604105605p:plain

ルール=機能和声的であること

からちょっと外れたとき、何理論でどう説明するか?が個人で曖昧になります。

しっくり来るなら誰かの方法論を活用しても良いと思います。

f:id:terraxart:20210604105819p:plain

上記のように調性ありきで音楽理論を解釈すると「借用」「代理」「経過」「複層」等元の理論を拡張しないと新しい方法論が収まりきりません。

何とか元の理論に当てはめて解釈できるようにしようとしています。

しかし元々あったのは「自然のシステム」なのだから

f:id:terraxart:20210604105909p:plain

調性がないところを基準に絞り込む形で行った方が良いのでは?という感じがしていたんです(後から調べたら元々そういう過程を踏んでいたらしい。ただ当時は12音技法がなかっただけ)。

 

これを音楽の歴史で考えるとわかります。まず楽器があったら、フリージャズのように自由に引く弾く ところから始まり、その後民族に合うリズムの整合性を作られ、それが使用音の整合性につながり、使用音の限定につながり、進行に規則禁則が確立する。

そうやって全てのルールが網羅された上で、最新の機能和声はポップ・ミュージックになる、と捉えると、いかに定められたルールの中で新しいキャッチーさが作れるか、になります。

 

最新ポップ・ミュージックは不定調性も機能和声も使い放題です。

機能和声が当時の宗教観、自然科学との連動性を作ろうとして生み出された歴史が"伝統"になってしまっているのでこれは、私がどう言ってもそれは変わりません。

ただ、もし違和感をあなたも覚えるなら、理論主体から自分主体に逆から考えて自分なりの理屈を軽く持っておくと、楽かも知れません。

「世間ではそうするようだが、ここだけは私はこうする」

 

があると、楽しいです。

 

 

さらに赤字部分を12キーまで拡張した表を添付しておきます。

例えば赤字部分をC#キーにしたいときは、例えば下記の2段目のようにC-C#M7となっています通り、この列を基準に考えていただく形になります。

f:id:terraxart:20210602201152j:plain

f:id:terraxart:20210602200209j:plain

例えば、

CM7-C#m7(b5)というコード進行は

表1

f:id:terraxart:20210602201706p:plain

順行表でいうと、DメジャーキーのダイアトニックのC#m7(b5)を借用した、と言えてしまうかも???

 

表2

f:id:terraxart:20210602201738p:plain

逆行表でいうと、GメジャーキーのダイアトニックのC#m7(b5)を借用した、と言えちゃう???

 

またビートルズのI am the Walrusなら、

イントロ
B   ||2/4 B  |B  A   | G  F  |E    |E7   |D  |

こうですから、7thを無視した時、

f:id:terraxart:20210604134509p:plain

このような動きを想定できます。他のキー関係でもきっと作れます。

このようにメジャーコードだけだと様々なキーのT-SD-Dに集約できる整合性がすごいです。なんでも機能和声になりそう笑。

 

また当ブログで出したニルヴァーナのコード進行を考えてみましょう。

open.spotify.com

0:25のAメロは
Bb Gb |Eb B A |
です。メロディを構成しているのは、

前半がf,c#,b♭で各コードの5度です。

後半がf,g♭,gでE♭の時M3のgが出るのがニルヴァーナ的です。

モードは関係ないと言えます。コードトーンでできています。

これを機能和声で解釈しても別に構わないと思います。

不定調性論では、指が動く方向に何となく動いて、生まれたクオリアに対してメロディをつける、ですから、理屈はあまりありません。

ここにもう一つ中間的な解釈をつけてみましょう。今回のクロマチックレイヤーです。

G Eb |C Ab Gb |

Ebに帰着点を感じるのでここをCにして移調してみました。

f:id:terraxart:20210604124353p:plain

こんな感じでC#メジャーキーとG#メジャーキーから借用してくることで、並べてみると、

f:id:terraxart:20210604124515p:plain

こちらも三つのキーのT-SD-Dをぐるぐる回る感じにできました。

これは中心軸システムの先、とも言えます(拙論ではすでにマルチファンクショナルコードマトリックスがあります)。

また逆にニルヴァーナのコード進行は、クロマチックレイヤーシステムで解析ができる、みたいない言い方はすごい偏見になる、と感じます。

他のキーなどレイヤーを増やせるので分析者の裁量によるのは中心軸システムと同じです。

 

分析の思考ツールとしては面白いな、と感じました。

 

お試しあれ!