音楽教室運営奮闘記

不定調性論からの展開紀行~音楽と教育と経営と健康と

ジャズ理論の戯れ〜Bright Size Life/Pat Metheny

2018.11.2⇨2020.9.22更新

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Pat Metheny - Bright Size Life - YouTube

 

Pat Metheny-Bright Size Life (1976) HD - YouTube

 

Bright Size Life

Sec.A

N.C   ||

GM7   |         | BbM7(b5)  |           |D    |D/C  |

BbM7  |N.C.もしくはG/A |

GM7   |         | BbM7(b5)  |           |D    |D/C  |

 

G/B    |D   ||

Sec.B

G/A   |        |F/G   |         |G/A    |          |

D        |N.C.もしくはG/A |

GM7   |         | BbM7(b5) |           |D    |D/C  |

A7    |DM7     |

できる人はアナライズしてみよぅ。 

 

下にモード充ての例を書いときます。

 

CenterKey=D

Sec.A

Glydian  ||

Glydian   |         | Gdorian |            |

D Major  |Dmixo-lydian  |Gdorian  |Glydian |

Glydian   |         | Gdorian |           |

 

|D Major  |Dmixo-lydian  |D Major  |      ||

Sec.B

Gmixo-lydian   |        |         |         |        |         |

D Major      |          |

Glydian   |         | Gdorian |           |

|D Major  |Dmixo-lydian  |D Major  |          ||

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モード割り当てっていうのは最終的には理屈云々ではなく自分が弾きやすいように当てていくのが現実的です。

だから自分が動けるモードポジションの限界値がモード選択の限界値です。

 

最初の部分は、

GM7=DメジャーキーのIVなのでGリディアン。

BbM7(b5)はBbリディアンなので、これをGで考えると、Gdorianになるので演奏時に関連性がつけやすい、というのがあります。

Gリディアン⇨Gドリアン

ぐらいすぐ弾き分けられないとお話にならないよ、と先輩に優しく諭されます。

 

「Gリディアン⇨Gドリアン」を2小節単位でアドリブとって?

と、理論勉強してる人に言ってみてください。

 

これで2秒以上躊躇する人は勉強が身になっていません。

 

スキルの限界値がモード選択にも影響を与えます。だからコルトレーンのスキルは神。メセニーも神。そのスキルのすごさが最初はわからないものです。

 

またD Majorと書いてるところは、普段プレイしているDメジャーのポジションをそのまま使ってアドリブを取って問題ない、というニュアンスになります。

 

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不定調性論的な解釈(一時的な納得)

曲の頭が『4on6』(ウェス...)のようなリフですよね。

これがF#マイナーペンタトニックフレーズです。

 

で、GM7から入るのですが、これがIではなくIVです。

つまりキーはDという解釈がされます。Gリディアンです。それから短三度上がってBbリディアンへと連続性を作っています。

そこから先は、D    |D/C  |BbM7 |とベース音を全音ずつ落として、I-VIIb7-VIbM7というよく聞かれた進行のクオリアを活用して繰り返します。

 

また G/A   |        |F/G   |

という分数コードがみられます。これを考えてみましょう。

Cメジャーキーで

CM7  Dm7  Em7  FM7  G7  Am7  Bm7(b5)

において、I/IIが作れるのは、

C/D   F/G  G/Aです。つまり。

I/II  IV/V  V/VIです。

そしてIV/V  V/VIは全音でならんでいます。 

 

だからこの形の分数コードを全音で並べたら、キーが特定されるわけです。

 

ここではたまたまCメジャーキーになってますね。そのためここのモードをCメジャーキー解釈して、かつ冒頭から用いているGを流用して、Gミクソリディアンとしています。 ちなみにパット・メセニーもジャコもこの部分はGリディアン→Fリディアンで弾いています。

 

これ、

Gリディアン→Fリディアン

が弾きやすいのか。

Gリディアン→Gミクソリディアン

が弾きやすいかは個人が覚えた楽器ポジショニングによります。

 

大事なことを書きます。

ここはGリディアンを弾け

ここはGリディアンの音が該当する

です。Gリディアンを弾け、と解釈してしまうと、なんか#4を弾かないといけない、とか、リディアンを体現しないといけない、とかって思ってしまいます。

確かにそういうことではあるのですが、現代のミュージシャンはそういう風に弾いていません。そんなこと考えてもいないこともあります。

理屈上あくまでそう音配置の解釈できる、というだけです。

モード割り当てへの理解は、小学校に行くのに教科書とノートとランドセルと筆記用具を買った、という段階で、実は何も始まっていないんです。学校が教科書とノートだけで成り立っていないように、音楽の演奏も理屈が支配しているわけではありません。

むしろ瞬間的に行動しなければならないような現場では相手の音を聞き、無心でそれに反応をして行くような心持ちで弾いた方が楽しいし、盛り上がります。

そして"本当にリディアンを弾ける"人は、考えずともそれが指から出てきます。

どうすればいいかって?

家で一人で練習していてもダメです。

外に行って(今はネット上リモートライブでも)、人と一緒に演奏することで初めて弾けるようになります。家での練習で弾けても外で弾けません。外で弾けるようになると家での練習で何をすればいいかわかってきます。だからまずは外で弾いてきてください。

モードの必要十分を覚える秘訣です。

 

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パットも64歳。

when I'm  64ですね。下記でBright Size Lifeやってくれてます。

www.youtube.com

一番最後にGM7でm3rdを引っ掻けて出してます。#2っぽく聞こえますよね。

 

GM7(#9)

スパイシーな響きじゃない??

 

自在に解釈(一時的納得)して、自分の言葉で表現し続け深化させよう!