Youtubeカバーです!
原曲キーです。テンポも同じです。
めちゃくちゃ表現力のあるLiSAさんの歌です。難しすぎて、どのくらい難しいのかわかりません笑。
制作期間はご依頼から動画アップまで所用4日弱かかってます。
打ち込み10h、歌録音2-3h、ミックス6h、動画制作1-3h、ぐらいな感じでしょうか。
録音と動画はりんな氏ご自身でやられているので推測ですが。
私の所要時間は、仕事が遅いほうなので勘弁してください。
打ち込みの方は、ハードロックなのでそこまで難しくはありません。
コードもシンプルです。
ギターはV-metalを使ったのですが、
ちょっと音にインスパイヤされたのか、オカズがペトルーシ神みたいな感じになってしまいました。
V-Metalはハードロックギターに特化した音源です。だいたいほとんどのハードロック系ギタープレイが再現できますが、一音のヴェロシティが約二種類(?)しかないのでジミヘンみたいなソロとか、サンタナみたいなソロを構成するにはちょっと不向きです。ゴリゴリ押しまくるヴェロシティーなんてカンケーねーんだよ、というギター曲に向いてます。
ヴェロシティを最大にすると、勝手にハーモニクスを出してくれる、というのがとても便利。その代わりヴェロシティでコントロールできないので、ボリュームコントロールはオーディオにしてから、とか手間もかかります。
他のギター音源と変わらずちょっと重めですが、慣れればサクッとしたロックギターはこれだけでもいいかな、という感じです。
別途アンプが必要(V-metalだけでは歪みません)で、
ウチはGuitar Rigを使ってます。サクッと立つ音がプリセットで出てくるので初心者の方は便利かもしれません。ギターを弾く人でも納得のサウンドです。
V-Metalでの相性も良いです。
あとギターのアルペジオ関連はX'pand使ってます。
ピアノ(Waves)とBFDとKontakt立ち上げるとメモリがやばいので。
<ハーモニックインターチェンジ>
アレンジのほうは原曲とすこしだけ違います。打ち込みですのでノペっとしすぎないようにするためです。必要か不必要かはわからないけど。
さて。不定調性論には「ハーモニックインターチェンジ」という飛び道具があります。
うーん、小型ハイテク地雷みたいなやつ。
これは
「そこにくるコードが絶対に決まっている場合、どんなサウンドをおいても同様な機能を感じてしまう」
というコードの場所の性質を使う技です。
Key=Cで
Dm7 ( ) CM7
となった時に( )に入るのはG7と決まっています。この( )を「ハーモナイズポイント」と言います。
でジャズではこれを
Dm7 AbmM7 CM7
というように一見正体不明のコードにしたりします。
まあ、AbmM7=g,a♭,b,e♭,gでG7(b9,b13)の諸々の省略された転回形、で普通にドミナントの構成音なのですが。
これでもCM7で解決感を感じてしまうように音楽家は教育されています。
この部分にはとにかくドミナントがくるんです。つまりトニックに向かい強い解決欲求を持たせる和音がきます。それは自明なので、逆にどんな変な和音をおいてもCM7に進めば"なんらかの解決感"を感じてしまう。という耳の癖を使うわけです。
私が発明したわけではなく、チック・コリアとかがもう何十年も前にやっていることです。概念に名前がなかったので、不定調性論において、機能が無い代わりに「進行感」で連鎖させていく上で、「特定のコードに変わる特定されない和音が来る場所、または技法」という意味づけで様々なコード展開を分類する中で出てくる用語です。コーラスや曲の最後のトニック、なども自明な和音なので使えます。意表をつく「偽終止」の考え方の進化系です。「偽り」ではない。自分でそうしたい和音だ、というちょっとの反抗を込めて。
<参考>
最初からこの技法を使いたかったのではなく、今回ガーっと作っていてふと、ああスリリングさをもっと出そう、と思って最初に下記で使いました。これはハーモニックインターチェンジではありません。ただのリハモです。
1:22で
ピアノを下降して崩したわけです。
ここはEm⇨⇨エンディングに向かってVIb-VIIb-Imと必ず流れます。だから遊べます。このCの後のD(VIIb)で遊んでもいいですね。
そしてその後で、試しにエンディングコードをいじりました。普通にImで終わると短絡的だったので。
エンディングも絶対にトニックなので、変えやすい一番の場所です。
これ、よく見たらB7/Aでした。今調べて知りました〜低音に増四度をおいて、全体で二重に増四度がある無駄にくぐもった微熱を帯びた和音ですね。
神秘和音ではなく微熱和音。
フルコーラス作らないので、がーん!!てImで終わっても物足らないんです。だから十分に余韻が引っ張れるよう、相応の雰囲気を作らないとダメかなぁ、とか考えたと思います(確かには覚えてません)。
もがき苦しんで身体内を燃やし尽くした華が持つ微熱、みたいな?
曲がちゃんと終わっていないので熱が残ってる?みたいなクオリア。
まあ理屈は別にいいのです。そういう感じが欲しかった的なことが実現されれば。
結果的にトニックの場所にドミナントが来ていますが、概念としてはハーモニックインターチェンジの考え方に即しています。ただ本当に100%そうか、と言われるとわかりません。それを使おうと思って使ってはいないし、理論が丸々100%楽曲で出て来る、など創作する人なら吐き気がするものです。だから不定調性論は概念がかなり応用の利き、広い解釈ができる範囲で方法論を設定しています。まあこれはこだわりです。
で、そうなるともう一箇所欲しくなって、(2:23)
二番の終わり。突如ここで7(#9)のサウンドが頭のなかで鳴って、ああ、いいなぁ、使いたいなぁ的な感じになって使ったような気がします。今よく見るとEm-B7(#9)-Emだから普通でした。そういう風に頭のなかで音が鳴るように普段から訓練するのも不定調性論的なアプローチです。
作ってる時はヒャッッホーーー!!とかって脳内で言っているわけで、「よしドミナントに迂回しよう」とか冷静の考えてはいないです。もっと抽象的な熱さを感じてアレンジしてます。だって熱い曲じゃん?そんなに冷静に作ってどうするん?
また理屈ではこういう和音は選択できないし、設定もできません。浮かんでくるからそれを使おう、と確信が持てるんです。棋士がひらめきの一手を打つ!みたいな。そこまでの才能ないかもだけど。若い人が真似してくれてその自分の能力に気づいて自在に使ってくれたらうれしいです。私などはそのための人柱。
いかに創作している時の脳の状態で方法論が出せるか、が大切であり、私はそこのやり方をどうするか、についてブログで発信しているつもりです。
それが自在にできたら一つ先に行けると思います。
<おまけ>
今見ると、こことかもろオルタードを使ってますね(2:02-)。ここも同じ手法と言えばそうかも。Em (B7挿入) |のリハモですね。サビに行くことは絶対決まっているので、どんなことをしてもサビに向かうんです。このオルタードは「緊張感(アウト感で)持っていってサビいくぞ!!」という宣言ですね。でも最初の和音はVIbなのである種のdelayed感(Imじゃない展開感)が出るわけです。
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自分解説とかする人あまりいないのでやってるだけです(常識のある奴は恥ずかしくてやれないよな)。
その辺、こちらは古い人を振り切ってさらにいい感じに狂気にコントロールできるよう精進いたします。
音楽勉強されている方でオリジナルができない、という人はカバー曲発信から仲間とやってみればいいと思います。
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それよりもりんな氏、オケを送って数時間で歌ってデータを返してきたけど(一発録り2本、他コーラスとか)、スピーディーで若い子はすごいな、と感心しました。
簡単にひょいひょい歌えない歌ですよ、この曲。
この実力とか仕事力とか、いつか必要とされる世界で活用される日が来るでしょうね!
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