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9.参考文献抜粋資料9 (ユーミンレポート公開シリーズ)32

日本人の心の情景を変えたシンガーソングライター(改訂版)―研究レポート;ユーミン楽曲の和声分析と音楽的クオリアが紡ぐ作曲の手法―

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9.参考文献抜粋資料9

文献(インターネット)10さよならファミコン通信 松任谷由実インタビュー'91年12月13日号 

――今回のアルバム『DAWN PURPLE』の『誰かがあなたを探してる』っていう曲は、かなりゲームっぽいですね。

松任谷 ええ。『Love Wars』っていう2年前のアルバムのタイトルチューンは反射ものをラブソングにしたんですけど、今度はやっぱりロールものも歌にしたいなーって思ってたんですよね。ロールものっていうより、わたしほんとファミコンの世界というかネットワークには、心情的に興味持ってるんです。すごいなぁーって。

――それでこういう曲を?

松任谷 詞の書き方なんかが、たぶん同じだと思います。というのは自分で楽しんでるというか、それを形にして出しているような、ラブソングも、ちょうどゲームソフトをプログラムするような感じです。

――それが共通するところですね。

松任谷 たぶん、わたしの作品の聴かれ方というのは、とくに女の子の場合、歌詞に出てくることがそのままストーリーなんじゃないんですよね。聴く側がね、そこに登場人物として入り込んで、勝手に歌詞にない部分もシミュレーションして『自分がその登場人物になっちゃって楽しんでるんだと思うんですよ。

――インタラクティブですね。

松任谷 そう言うんですか? 知らなかったです。音楽って一方的に情報がやってくることが多いと思うんだけど、じつはそれこそバーチャルリアリティーと一緒で、受け手が頭の中で何かリアクションすると、その世界のなかの人物なり風景なりもどんどん変わっていってるんだと思うんです。その登場人物に聴き手がなってる、そういう感情移入のしかたが、きっとファミコンを好きな人にもわかってもらえると思うから、今回のプロモーションでこの本(ファミコン通信)は、わたしが出たいって言ったんですよ(笑)。

 

 

文献(インターネット)11 松任谷由実--歌だからこそ見えてくる”映像”インタビュー(2011年4月5日掲載) 

Excite:アルバム冒頭に置かれた「ひとつの恋が終るとき」からして、映画的ですね。

松任谷:歌詞を書いている段階から、(映像は)完全に意識していましたね。<前も見えない雨が それぞれの道 照らしてた>というくだりがあるんですが、これなんか、フロントシートに二人が座っている。その眼前に広がる霧雨の風景を、二本のヘッドライトが並行に照らし出している。そういう映像が見えていた

Excite:ヘッドライトが交錯しない、並行にしか進めないということ自体が…。

松任谷:暗示しているんですよね、その後やって来る“別れ”を。

 

 

文献(インターネット)12 松任谷由実-VIBE-NET.COMインタビュー(2011年) 

―ひとつひとつの作品には物語があり,ドラマがある。コミカルでユーモラスなもの,叙情的なスケッチ,エッセイのような一遍もある。まるで短編小説のようではないか,と思った。『A GIRL IN SUMMER』は,まさに短編小説集だと言えるのではないか,と。

松任谷由実: 短編集というのは、確かに・・・あの、文学の香りがするものをやってみたかったんです。文学、それも、海の文学。といってもヘヴィーなものじゃなく、ライトでディープなもの。サリンジャーやコールドウエルのような手触りで、何かを感じさせたり、考えさせたりする真面目さ、ディープさがあって、それでいてライトな短編小説。潮風が香る短編小説。どの曲も、それぞれに香りがあると、いいなあって思って。

松任谷由実:『A GIRL IN SUMMER』では、ひとりの自分が主になっていて、ひとりの自分と向き合うことで、自分の中の真実、飾らない気持ち、宝物に気付く。ひとりは孤独なんじゃない、ってことも。だから、<A GIRL>、なんです。季節の移ろい、そのせつなさ、はかなさ。春や夏の季節そのものよりも、季節が移り変わる時、ですね。春、真っ盛りの桜、満開の桜を見た後は、もう夏のことに思いをはせていて、散った桜のことは見向きもしないでしょ?

松任谷由実: LIVE 8をロンドンに見に行ってきました。久しぶりにロンドンに行った、って感じがして。UKロックをどっぷり浴びて、自分の中で眠っていたUKロックの回路が再び目覚めはじめましたね。引き出しが開くってことは予想してたんだけど、その通りになって。(後略)

――『A GIRL IN SUMMER』を作り終えて、これまでになかった達成感を覚えたという。

松任谷由実:ほんと、これまでになかった達成感を覚えました。いや、すべてを終えたからこそ言えることなんですが、今回のアルバム制作を振り返ってみると、これまでとはまったく違いました。以前、『ダイアモンドダストが消えぬまに』を作り終えた時、新しい歌詞のメソッドを発見したこともあって、自分でも忘れられないぐらいの達成感を覚えたことがあるんです。それも、時間が経つごとにその時の達成感が膨らんでいって、アルバムを作る度にもっと、もっと、それ以上のものを、って自分を駆り立ててきた。でも、今回のアルバムではそういうことがまったく効果をなさなかった。基準となるべき過去のものが何もなかった。

――この『A GIRL IN SUMMER』から見い出せる新しい取り組み、アプローチとして、絵画的な手法、映画的な手法を取り入れた歌詞展開があげられよう。絵画的で写実的な描写、作風、というのはユーミンが得意とし、特徴とするものだ。それがユーミンの個性、存在を際立ててきた。そして、今回、ユーミンは具象画的な手法を積極的に取り入れた。

松任谷由実:アンドリュー・ワイエスの絵のようなテイストが、どっかに漂っているといいなあ、って思ってました。アメリカの具象画家で、アメリカの原風景などを繊細なタッチで描いていて。それも、静謐で、神秘的で。今回、どうしてなのかわからないんですが、作品を書きながらワイエスの絵のことをふと思い出して。自分ですごく好きなのは、マチスの絵のように、常に抽象と具象がせめぎあってる。そういうものを目指していたりもするんですが、私の音楽、ということになると、やはり具象的なもの、時には抽象的なものを書いたりするかもしれないけど、基本的にはメロディ、歌詞、音楽、サウンド、本人の見え方、全部あわせて、具象だと思います。今回も具象的な手法、方向性ってことですね。でも、作風として表れたものが、具象か、抽象か、ってことよりも、要は、聞き手の心に届いた時に具象的であること、それが肝心なところじゃないかと思います。

――ユーミンが語る具象的世界とユーミンがこれまでこだわり続け、実践してきた自身の音楽、とりわけ“ポップス”についての考えとは密接な関係がありそうだ。

松任谷由実:うん…そうですね。たとえば、私自身、思い描いていること、表現したいことをそのまま作品にしたら、抽象的なものになるかもしれない。自分では納得できても、他の人に伝わりづらいかもしれない。それを、音楽、歌として人に伝えるには、具象的に。それには比喩的な表現をすることになるんですが、たとえば、現実の男と女の話に置き換える。いままでもそうしてきましたけど、日常的な、日常の非日常的でもいいんですが、聞いている人が実際に体験してきたり、想像できるものじゃないと、ポップスとしての意味がない、と思いますから。だけど、空バカなポップスじゃ、いやだよう!っていう(笑)。『A GIRL IN SUMMER』で目指したのは、良質で純粋でハイレベルなポップス、ですね。自分と向き合い、自分と闘いながら作ったアルバムです。純粋なポップス、ポップス・ファイン・アート、ってことかな。誇りを持ってそう言えます。

 

 

■さよならファミコン通信 松任谷由実インタビュー'91年12月13日号

   (http://sayonarafamitsu.blog.fc2.com/blog-entry-297.html)

■松任谷由実ー歌だからこそ見えてくる”映像”インタビュー(2011年4月5日掲載)

   (http://www.excite.co.jp/music/close_up/interview/1104_yuming/?lead=1)

■松任谷由実-VIBE-NET.COMインタビュー(2011年)

   (http://www.vibe-net.com/musicinfo/interview/Yuming.html)

 

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