音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

不定調性論的な音楽理解~ビートルズ楽曲topic『The Night Before』★★★

Help!はこちらのページです。

2、ザ・ナイト・ビフォア - The Night Before

open.spotify.com

イントロ
D7 |% |F7 |% |
G7 |% |A7 |% |
Aメロ
D |C |G |A7 |
D |C |G |A7 |
Bメロ
Bm |Gm |Bm |Gm |
D |G |D |F G |
(×2の最後はD |G |D |D |)
Cメロ
Am |D7 |G | % |
Bm |E7 |A7 |% |~Aメロへ


まずイントロ、弾いてみてください。どんな印象を感じますか?
どことなく腰が落ち着かなく、何か「前の印象をひきずるような(Help!から続いてる感じ,,とか)」または「その前にあるストーリーがあったような」印象を持ちませんか?
D7→F7は、まさに私にとっては「疾走感」です。

いきなり目の前をスポーツカーが凄いスピードで横切っていった感じです。

 

こうした音楽への勝手な印象が「不定調性論的な音楽理解」といいます。

理論的学習、音楽の歴史の学習は好みに応じて行って頂き、とにかく今のあなたの思考感性フィルターが導き出す言葉や印象を「ちゃんと」感じて認めてあげれば、音楽はプライベートで本当に楽しめます。

そしてそれは他者とは共有できないことを認める事、それが大事です。

そうすれば、もっと別なことで人と議論をしていくことができます。想いは、個人にしか当てはまらないのですから。

不定調性論的楽曲解釈は音楽的議論を卒業し、次に何をすべきか、にあなた方の話題を移していくことができます。

 

このコード進行を聴いて、このようななんらかの音楽的印象をあなたが持てた、としたら、その感覚と同じものを自分の曲で、音楽演奏で、そうした印象が欲しい時に用いれば良いわけです。

何も分からず、なんとなくコレ、カッコいいからオリジナルで使おう、とすると単純に「ビートルズっぽく」なるだけです。


この辺の活用は、ビートルズっぽくなるのを避けようとしているユーミンや、ビートルズの自由を拡張したスティービーワンダーの記事などをご参考ください。

VIIbはビートルズっぽさを出すので特に要注意ですww。

 

これを頭のD7がブルーストニックで、F7はDmの平行長調のブルース7thだ、なんて機能和声的に解説をしても、あなたの頭の中に浮かんだ「疾走感」についての説明にはならない、と思います。なぜでしょう。

機能和声はあくまで形態分析論のための道具だからです。

カレーの味の秘訣を知りたいのに200種類の原材料をリストにしたものをもらっても困ります。「あなたのカレーにちょっとバターを小さじ一杯入れてみて?」と言われた方がイメージが湧くし、やってみてあんまり変わらなかったら「なんかまろやかにならないのだけど」と再度質問する意欲が湧きますし、違う手を試してみよう、というイメージも湧きます。

 

大事なのはあなたがやるべきことのイメージが湧くことです。

「どうして君たちは質問しないのかね」という先生が問題あり、というのと同じです。

生徒は手を上げて問います。

「なんで先生の講義は他の先生との授業と違って質問したいと思えないのでしょう?」

   

=====

ひとつのトレーニングとして、普段からコードの連鎖を聴いたら、自分なりの印象感を当てはめる練習をします。歌でも良いです。町で流れる曲を一刀両断してください。ただしポジティブに。ネガティブに悪いところだけを捉えるのが癖になると、創造的行為はできません。相手の良い所を見つけて、自分のエネルギーにしましょう。

相手の悪いところを探していると、あなたは自己評価そのものも下げてしまい、やがて病気になります。

 

この曲では7thコードですが、これをm7で全部連鎖したらどうでしょう。

例;
Dm7 |% |Fm7 |% |
Gm7 |% |Am7 |% |

 

ではmM7だったら?
DmM7 |% |FmM7 |% |
GmM7 |% |AmM7 |% |

二つの音げはこちらで聞けます。

ブログトピック参考コード進行1 | rechord - 演奏もできるコード進行共有サービス

 

いかがでしょう?
こんな曲は,今後未来永劫一切存在する可能性がない、とあなたは言い切れますか?

つまり存在可能なものは、意味を与えられ得る、と思うのです。

 

====
この曲は、Aメロも
D |C |G |A7 |
で、
I |VIIb |IV |V7 |
です。VIIbを含むメジャーコード連鎖のビートルズらしい進行です。

Bメロでは今度はIVmが出てきます。
Bm |Gm |Bm |Gm |
D |G |D |F G |
これって、

Bm |G |Bm |G |
D |G |D |F G |
でも弾けます。これもBm-Gmのクオリアがまた最初の疾走感を受け取るように疾走しています。
これはこの曲でポールが抱いたコンセプトなんでしょうかね。

F-Gの流れも同じ印象を持ちます。

こうした進行の印象をポールは、声の出し方のイメージ、コーラスの色彩感で見事に「疾走感、またはその時彼らが感じた音楽的印象を」表現しています。

 

全体を通して「疾走感が無くなる」アレンジは一切していないように思います。
「こういう雰囲気にしようぜ!」というのが曲を聴いていて伝わってくるので、「このバンドわかってるなぁ」と感じるのは私だけでしょうか。

これだけ1曲1曲違う雰囲気を作ろうとするバンドも珍しいですよね。

 

さらにおまけはCメロのAm。


Am |D7 |G | % |
Bm |E7 |A7 |% |~Aメロへ

 

これってVmです。Vmはやりすぎだろ!!!?
とい感じるくらいスリリング。 

そしてBmでVImに行き、II7-V7と調のイメージをうまくとらえてきます。

これは理屈云々で考えるのではなく、つじつまを合わせていくだけです。

「いずれBmをつかうんだから、どっかで戻っとかんとな?」

と思って曲を作れるかどうかです。こういう感覚ってセンスですよね。

で、そういうのを打ち破ってpivotを使わない「いきなり戻る」をやったアーティストとして自分が衝撃だったのが、小室哲哉氏だったとおもいます。

えーーーー???みたいな?戻れないじゃんを戻した―――!的な。

半分笑っっちゃったけど、やっぱり凄いなぁ天才だなぁって感じました。。

 

 

でもきっと「これでいい」って作者が思ったからそれが出来たのであって、やはりそこには、セオリーではなく作者の圧倒的感性の選択があったのではないかな、と感じます。

 

だから夕陽を見て「綺麗だなぁ」って思えること、すなわち、ワケワカメなコード進行に感じ入る事と等しいんだとおもいます。だってじゃあなんで夕日って綺麗なの?何がそう感じさせるの?それに答えられますか?

そしてそれとコード進行に感じること、何が違うの??

です。

自らを鍛えましょう。

 

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