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音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

9.参考文献抜粋資料2 (ユーミンレポート公開シリーズ)25

日本人の心の情景を変えたシンガーソングライター(改訂版)―研究レポート;ユーミン楽曲の和声分析と音楽的クオリアが紡ぐ作曲の手法―

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9.参考文献抜粋資料2

P.83

そういうのでね、私が書いたのでは「ツバメのように」って曲の詞がすごく気に入ってるの。(中略)それは実は種明かしすると、もとの詞あがあってね。フレンチポップスの詞で、「パリソワール」っていうのがあるんだ。女の子が上から飛び降りるときの情景をバーッて書いた歌があるの。(中略)あんまり死について書いたりするのはよくないと思いつつ、ときどきね......。

それをもっと軽くしたのが、「12階のこいびと」って歌。これもすごく自分では好きな、ベスト・ファイブに入るぐらい自分では好きな詞なの。

 

P.85

あとね、「雨に消えたジョガー」っていう歌が意識的に死を、死を扱うことはよくないって思いつつ、やってみようと思って書いた詞なの。女の子なんかが考える美しい死みたいなのはどういうことなんだろうっていうことを逆に考えつつつくった詞。

 

P.86

私ね、タゴールがすごい好きだった。そう、インドの詩人。(中略)

タゴールの詩は、私の詩にも影響があるのね、たまに。「永遠」とか「愛」とかを使うときはさ。

あとヘッセなんかも、(中略)『シッダールタ』とかいうのも、もっと少年的な感じでわかった。

 

P.89

本当は私、とにかく作曲家になりたかったのよ。(中略)ところが、作曲家になるのは大変だよっていわれたのね。(中略)キャロル・キングなんかがだんだん入ってきたころだったから、シンガーソングライターになったほうが作品を世の中にだせるんじゃないのっていわれて、半分説得されたっていうか、それで乗せられたんだよね。自分で歌おうとはさらさら思ってなかったんだけど、歌うことになっちゃたの。

歌ひどくてね、ほんとに、おぞましいですよ。

 

P.90

今考えると、最初からメジャー志向ではあったと思うのね。やっぱり証人の娘だからさ。商品として出したものは売れなきゃしようがないっていう感覚はどっかに持ってたんだろうと思う。

   

P.91

当時書いてたものは、わりとヨーロッパ志向だったの。教会音楽の影響なんかも受けてるとこあるしね。高校の終わりごろになってくうと、レッド・ツェッペリンとか、キング・クリムゾンとか、イギリスのハードロックやグラムロックみたいなものがすごく好きになってし、なんかヨーロッパっぽい香りのするものが好きだったのよ。

 

P.92

私の詞とか曲とかっていうのは、ノンビブラートで歌うことが合ってたのかもしれない。すごく無機的に突き放して歌ったほうがいいのかもしれない。それが新しさだったのね。ある種、西田佐知子とかの系統だったのかもしれないね。

 

P.94

来年の流れをこの時点でかんでおけば、来年やりたいことある程度うまくいくと思う。だから毎年考える、それは。

ヒット・チャート

とかってむなしいもんだと思うけれども、年二枚アルバム出せば、半年ごとには入っているわけでしょう。(中略)そういうのを何度も何度も続けていればね、なんか変えられるっていう気はすごくしてたのね。

 

P.95

猿山の話って知ってる?(中略)猿が一匹、芋を洗って食べるということを偶然見つけたとしたら、みんなまねしだすわけよ。(中略)あと、マスが二十六匹かなんかまではめちゃくちゃに泳いでんだけど、そこに一匹加わると群れて泳ぐようになるとかって。(中略)

回転がつくっていうのは恐ろしいことだと思うのね。物をつくっていくときでも。

それを意識的につくんなきゃいけないとこがしんどいとこだけどね。

 

P.102

コードにしばられないというか、どういう音でもぶつければそれなりの表情が出るのよ。コードの響きって色なのね。色彩なのよ。ドミソのコードにセブンスのB♭という音を加えれば、色が少し変わるんだと思う。それがBの音になったら、パッと違う色になるとか。開放コードが原色なんだよね。

コードが色彩で、メロディが形で、詞が構図なんだと思う。曲を書くときには、まず強烈に書きたいイメージというのがあることが大事なのね。

実際にメロディを書くときは、ふんふんと頭の中で鳴ってるのに任せるときもあれば、ある形に色を塗っていくみたいな感じでピアノに坐るときもある。あとは詞のフックと、詞のリズムと曲とが同時に出てきて、そこから肉付けしていって一曲できる時もある。

 

P.113

鏡という言葉を使わなくても鏡に書くとか、ルージュの色は赤だっていわなくてもやっぱり真っ赤だとか、バスルームと言えば鏡という連想が当然あるでしょう。

   

P.116

「中央フリーウェイ」なんて曲は、自分でいうのはおかしいけど。すごく完成度が高いというか、これだけの曲書けるものなら書いてみろみたいな自負があるけどね。

あの曲は八王子でかいていたんだけど、できた時はもう興奮ものだったね。(中略)それでアルバム録音し終わったときに、『14番目の月』で音楽やめようと思ったの。結婚と同時にね。

 

P.125

でも、別にラブソングの相手がダンナというわけじゃないのよ。(中略)

だから女の子たちが聴いたときに、自分の彼氏とかを投影できるかもしれないなと思う。すごく抽象的だと思うよ。 

ラブソングを書いていても、ラブソングを書いているとは思ってないの。ラブソングという設定をかいて、もっと他の風景とかをいいたいの。日の光や、水の影や。(中略)

それが、ラブソングでいったほうが伝わりやすいんじゃないかと無意識に思っているのかもしれない。

 

P.127-128

たとえば、雨降りの日にバスの窓ガラスが曇ってるところに字を書いたことが楽しかったというだけ書きたくて、「Good luck and Good bye」という失恋の歌を書いたりしたわけ。

結局なんか一コマいいたかっただけで失恋というテーマをもってきて書いてるみたい。

歌詞って、テーマをどっかにもたないとダメだから。強烈にあなたが好きだとか、ふられて悲しい、というテーマをもってこないと歌詞にならない。(中略)

「海を見ていた午後」にしても、誰かと行った思い出にひたって書いているというのはさらさらなくて、ちょっとだけけむった春の日にガラス越しに海を見たということだけ書きたかったの。(中略)

この食べかけのケーキがすごく美しいと思ったら、なんで食べかけなんだということをこじつけて歌にしちゃうと言う感じかな。そうしたら、それを食べた相手がいないとまずいわけだからね。

 

P.133

話飛ぶけど、この間も『nonno』の取材でね、八ページカラーっていうのがあったの。(中略)

私、雑誌の購買層とか発行部数とかっていうのは、(中略)ちゃんと調べ上げているわけよ。(中略)ターゲットも一致しているっていうことでね。そうしたら、こっちもそれなりにサービスをしちゃおうっていうふうに思うのね。家とかもけっこう公開しちゃうとかね。(中略)だって持ちつ持たれつみたいじゃない?ニーズがあるから私の取材をやってるわけだし、私もそういうのやってもらうとすごくありがたいからやってるわけでしょう。そういうふうに、すごくクリアに仕事ができるわけよ。

 

 

P.136

今まで百五十曲ぐらいオリジナル曲があるんだけど、直接感情表現した言葉はきわめて少ないと思うの。でも、聴いててさみしいー(※「さみしいー」に点有り)っていう気持ちにさせるところはあるかもしれない。(中略)

あの人はインディペンデントな人だっていうふうに暗黙のうちにおもってるんじゃないかな、心あるファンはね。

 

P.145

実際の恋愛とかそういうことである必要は私にとっては全然ないのね。映像を体験すれば、どういう感情でもそこにのっけていけるから。

 

P.167

「かんらん車」は結局失恋の歌にしちゃっているんだけど、そういうふうに映像だけ強烈にあれば、雪の遊園地という映像が強烈にあると歌になるのね。別に失恋の歌でも、そうじゃない歌でも、なんでもできるの。どういう感情でもいいの。なんでもできるの。

 

P.208

「5cmの向こう側」は別に『時のないホテル』に入れなくても良い曲でね、待って違うところに入れてもいいっていう軽さだったんだ。

『アガサ・愛の失踪事件』というすごく好きな映画があったの。(中略)

アガサには実際に失踪した時期が、空白の時間があるんだけど、そこがどこだったかみたいなのを映画にしてるんだけど。それを追ってる探偵がダスティン・ホフマンで、ダスティン・ホフマンが探偵っていうことを知らずにアガサ・クリスティ(を演じる役者※)がワルツを踊るとこがあるのよ。するとね、背が全然違うんだよね。(中略)わーこういうダンスってかっこいいなと思ったわけ。その映画の雰囲気がすごくロンドンぽかったの。(中略)だからこの曲も『時のないホテル』に入れちゃったの。自分の中では統一とれてたから。

注;※は本レポートによる。

 

P.216

私の詩って、永遠の男っていうか、永遠の父性というとおかしいかもしれないけど、なんかそれをずっとおいもとめるとこあるかもしれないね。結婚してからもあんまりかわってないんだよね。ファザコン気味なのよ、すごく。それは確かみたい。

 

P.223

人からいろいろな情報が入ってきても、あんまりスタンスくずさないの。

自分の中にエバーグリーンのものもあるし、四十になっても変わらない部分というのは見えるような気がする。

実際には歌の登場人物はいろんなキャラクターを借りてるんだもの。物語りをつくってるのよ。

ひとコマのエピソードを借りて、いろんな歌が書けるよ。(中略)

ミーハーにならなきゃいけないんだって思うところがあるのかもしれない。

ああ、このときこんなことしてたなって年を追うごとに言える人っていうのは幸せだよね。一九七三年も四年も五年も変わらない人っているでしょう?そういうのは不幸だよ。

就職とか、すごく一般的なことがあると覚えてるとかってさみしいじゃない?もっと日常的なことで覚えられるほうがいいよ。

(続く)

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