音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

不定調性論の方法論的展開(2019) その1★★★★

不定調性論の具体的な方策についてまとめます。

詳しいそれぞれの概念はこちらをご参考ください。

不定調性論用語/概念紹介 カテゴリーの記事一覧 - 音楽教室運営奮闘記

下記では一部の論拠リンクしか紹介していません。お問い合わせいただければ回答可能なご質問はお答えしております。

不定調性論は、音連鎖の不規則性さが持つ脈絡を極限まで導き出す思考体系です

生意気を書きますので、話半分であなたの自由さの解放に活用いただければ嬉しく思います。

 

 

 

まず、音楽を作る前提と意識

■最初の段階は平均律12音を用います。やがて平均律外音、からあらゆる波長現象まで拡大できます。

■既存の法則や理論が意識にもたらす強制力を一度フラットにします。

■それでもあなたはこれまで学んできた和声の規則、グルーヴの魅力などを簡単に否定することはできません。それがあなたの音楽的動機でありクオリアです。

■そうしたあなたのこれまでの生育環境と教育背景が今のあなたの音楽性を作っているということをまず認めてください。

 

■全ての音楽規則から解放されたあとでも、V7→Iはあなたに解決感を与えると思います。テンションコードにオシャレさを感じると思います。今まさにあなたが感じているあなただけの美的価値観のみを改めて認めましょう。不定調性論では、あなたが本当に「こうしたい」「これは美だ」「この感覚だけは消せない」ということに従ってそのまま音楽を作ることができます。この時に感じた事柄を音楽的クオリアという心象概念で理解します。

(場合によっては、自分らしく作っても普通の機能和声音楽しか出来ないかもしれません。最初はそれでも結構です。そこがスタートです。)

■最後に残るのはあなたの音楽性と心象と判断力、集中力のみです。不定調性論ではそれを(それだけを)余すところなく使います。音楽を作る動機があなたの動機以外存在しない状態で音楽を作ります。

純度100%のあなたの音楽を提示する準備が出来ました。ここでいったん通例の商業音楽について考えてみましょう。社会の中でBGMや映像音楽、歌モノを制作するとき、当然その曲を用いる相手(依頼者)にも「その人の意思」があることを認めねばなりません。あなたにとっての最高が必ずしも相手の最高とは限りません。そこで商業的音楽、社会的音楽では、双方の歩み寄りが必要になります。あなたの意図に反してキーを上げたり、尺を映像に合わせたり、テンポを変えたり、音色を変えたり。

しかしこの時もお互いの意思によって互いが作り得る完成品を求めていきます。

「なんかぱっとしないんだなぁ」と言われても、それはあなたの曲がぱっとしないのではなく、その人がただそう感じているだけです。みそ汁の味が濃いか薄いかはその人がどんな味噌汁を飲んできたかにかかっています。だからあなたは決定権のある人の意思に合わせてあげることで、商業的音楽・社会的音楽はスマートに完成されます。そうしていればときにはあなたの意思も大いに認められるでしょう(でもそうして出来た作品が本当にあなたの音楽かどうかはまったく別の話です)。

こうしたやりとりが一切存在しないのが、芸術的(あなたにとっての)音楽である、とすると、純度100%のあなたの意思、動機、心象が反映されねばなりません。あなたの強い意思が育成される音楽的体験です。それでも実際は社会的(商業的)音楽と芸術的音楽の敷居は曖昧です。だから「自分の音楽ができない」と普段の仕事で感じてもその仕事をやめる必要はありません。その合間に純度100%のあなたの音楽を作ればいいんです。商業的音楽をやっているから、自分の音楽が汚される、というのは錯覚です。すべては環境的影響であり、純度100%の音楽はそれすらも強力なフィルターでろ過し、あなたの音楽を絞り出してくれるでしょう。

そしてそれを作れる時間さえ持てれば、あなたの通常の仕事も問題なく折衝できると思います。社会的音楽理論には「あなたの自由」がなかっただけです。それを最右翼の状態としたら、最左翼に不定調性論的思考を置いて、あなたのバランスをその中間で上手に探してください。そして欲望が生まれたら拙論的思考であなたの音楽を作ってください。それだけでだいぶ癒されますから・・。

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12音が等価値であることを自分なりに理解する

教材では様々な材料を提示し、倍音数理の関係性や、和音の重力などないこと、調性など実は存在しないこと、などが語られていきます。ここにかなりの準備を要する人もいますし、生まれ持って理解している人もいます。その人の感覚に応じて、一つ一つしがらみを解いていきます。

そうした上で、機能和声論の従うも自由、LCCに従うも自由、ネオ・リーマンシステムでもOK、といった自在さを意識の上に作ります。

不定調性論用語/概念紹介 カテゴリーの記事一覧 - 音楽教室運営奮闘記

「不定調性用語/概念紹介」の1-20までぐらいがこうした音引力の意識の上からの解放について関連するトピックをまとめています。ご参考ください。

他参考

12音上方倍音列(自然倍音列)・下方倍音列表(第16倍音まで)・側面倍音列

倍音マトリックス★★★★★ - 音楽教室運営奮闘記

テキスト動画(本人解説)〜不定調性論全編解説1-33

ほぼ動画シリーズでは基本的概念を述べています。

自分にとっての「音の共鳴範囲」を決める。

※注;最初は別にこうした範囲を決めなくていいです。だいたいで良いです。下記は方法論を作るにあたりこうした論拠が必要なので作っただけです。

不定調性論ではオクターブレンジという概念を使って、レンジ4までを上下の倍音で使います。これで基音からどの辺までの音が基音と関係しているかを自分で決めることができます。この辺もあなたご自身の美的様式の模索になるので、何度か失敗しながら決めていかないといけないでしょう(C△にe♭は響くか?とかの共鳴の意味と範囲は音楽的経験で変わってきます)。これが決まると、自分にとっての一音の序列イメージが見えてきます。「cという基音に対してiv#は無関係だ」と思えばそういうモデルを作ればいいんです。こうして自分の意識に反応した音の親和範囲を決めることを「反応領域を求める」といいます(他参考)。

もしあなたがc,e♭,e,gというような和音にもし不協和を感じず、ある種の興奮を覚えるのなら、そうなってもいいようなモデルを作るんです(モデルなど作らなくても、そう思えばいいです。モデルは不定調性論が作ってくれます)。一般理論だと不協和とされていても不定調性論ではOKです。その代り、それはあなたの解釈ですので、社会的音楽を行う際にそれを用いる場合は一般常識との齟齬を指摘され、修正の時間がとられる場合があることも覚悟の上でモデルを作ってください。

不定調性論の1音のモデルは こちらです。

 

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決められたモデルで音集合=和音を作る

※注;最初は機能和声で用いた、自分がイメージできる和音を組み合わせるだけでOKです。

不定調性論では、上下の倍音列の8倍音までの発生音を平等に組み合わせるやり方で、あらゆる和音を構築していきます。機能和声論は三度堆積によって出来上がる和音を音楽を構成する基本としてきましたが、不定調性論にはそうした前提はないので、現代的和音も近代和音も、無調的和音も、四度和音、ピラミッドコードといった和音も全てこれらの組み合わせとその拡張概念から作ります。

参考1、etc

<最初に利用しやすい和音群>

<不定調性論用語/概念紹介60>モード別のダイアトニックコード表。★★★ - 音楽教室運営奮闘記

<特殊な和音はフォルムから作る>

<不定調性論用語/概念紹介40>反応領域の形態模写★★★★★ - 音楽教室運営奮闘記

<不定調性論用語/概念紹介47>和声の分子構造★★★★★ - 音楽教室運営奮闘記

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12音の関連性に序列がないことを知る

あなたに埋め込まれた音の序列を"ある程度まで"開放するために、数理で観る平等性を意識に埋め込みます。

あなたは最初、V→Iに解決感を感じているでしょう。それは教育の賜物です。生まれる前から、そういう音楽だけを母親の体を通して聴いてきたのですから仕方がありません。だからそれをあなたが否定する事はありません。大切なのは、それが宇宙の真理ではなく、自分の脳が判断していること、と理解してあげることです。それが自分で許諾できるのは同じような環境で育った同じような人があなたの周りにたまたまいただけです。

そうした思い込みである根拠を学習時に、音の数理からじっくり見ていきます。時に脳科学の文献を一緒に読んだりします。

「あ、そうか、脳が決めてるのか」とあっさり理解できる人は別に脳科学や数理で意識を補強しなくてももちろんOKです笑。

これは「いやいや、主音の重力は科学的に絶対だから・・・」というような思い込み、心のしがらみをある程度まで解くためのステップです。音楽は全ては自己の感覚である、と理解した上でV7-Iに対して「解決している」と積極的に思うのは、あなたの深い意思に従っていることなので真に気持ちが良くなります(教科書が決めたことではなく、自分の意思でそう聞いている、と知ることができるから)。逆にこれが「何らかの他の力によって主和音に行きたくないのに行かされている」みたいに感じたままでいるのはストレスです。

その他の全ての音楽理論的法則の強制力も同様です。

それが理解できることではじめて、「これは禁則だ!」と言われた時に、オッケー、君の言うとおりにしよう!という「ルールを守れるスポーツマンシップ」が生まれます。ルールを守ろう、というのがあなたの意思になるからです。

音楽理論を学びたくない、というのはまだまだ自己が確立されていないので学ぶ事がただ面倒なだけです。その場合はフィールドでひたすら傍若無人に振舞ってみましょう。サッカーで一人だけ手を使っていいフィールド選手がいる試合があったとして、いつまでそれを周囲が許容できるか、です。これはあなたのプレゼンテーションの能力如何にかかっています。それが上手くいけばルール無視でも生涯自分のスタイルで共に戦えるでしょう。不定調性論が目指すゴールの一つでもあります。

教材では機能進行の信念を一度崩壊させておくを例にして、機能の崩壊を丁寧に解説しています。

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段階的に自由に和音をつなげる

不定調性論の核心です。最初は12個のメジャートライアドからビートルズのように自由に和音をつなぎながら、音楽的風景を作っていきます。このとき、あなたの意識が自然に生み出す、ドミナント欲求、サブドミナント欲求に従うのは自由です。しかし他のコードに行きたいのに「このコードはトニックに行かなければ」とか、使いたいのに「これは禁則だから使っちゃダメ」みたいなことを自分の欲求に反して思う必要はありません。もちろんそれをやれば、後ろ指をさされますが、指をさされても自分の信念を信じられるぐらいの感性を鍛えていきましょう。少し年月が必要かも。

ですが必ずあなた自身の気持ち良さ、と同類の気持ち良さを持っている人に出会います。そしてそれが広く認知されれば、ちょっとでも類似点があるとあなたに共鳴してくれる人も増えていくことでしょう。できればあなたの一生懸命に共鳴してくれる社会に所属したいと思うことでしょう(これでは元の「社会的音楽」に逆戻りですが、音楽自体が純度100%あなた、である場合、柔軟にこの矛盾を認める、というのが拙論の変わっているところです)

教材では様々な和声進行の事例を挙げていますが、これはアイディアとしての一例であり、最終的には様々不定調性的楽曲(当ブログ掲載楽曲等参照)のカバー学習、耳コピ学習から自己の音楽的アイディアの発展は培われていくものです。

 

また原則的に、和音を弾きながら、メロディをある程度創れる、といった能力が要求されますので、そこまでは先生方の力を借りて能力開発してみても良いでしょう。

<参考-順不同>

調向階段モデル=和音の連鎖の数理的可能性 ドミナントモーションを別の考え方で

センターとアラウンドという考え方 和声単位作曲技法 不定調性進行 希薄な機能進行概念 

簡単な進行から複雑な進行への展開練習 ドミナントモーションの拡張...etc

<不定調性論用語/概念紹介61>原曲概念★★★ - 音楽教室運営奮闘記

最終的には和音は二種類しかない、ということでその連鎖はあなた自身の経験値だけにかかってきます。

また伝統的和声の美意識と個人の美的価値観は、微妙に絡み合って、時に反発し、時にそれが真理に見えたり様々です。また他者から攻撃されたり、低い序列を付けられたり(一番になれなかった、オーディションに落ちた)、的なことは相手の意見と自分の意見が違うだけなので、次に進み、自分の道を捜し求めていくしかありあません。迷路の行き止まりにぶち当たったら、嘆かず、戻って別の道に進めばいいんです。それの繰り返しでいつか出口に辿り着けます。止まればそこで終わりです。探求というのはそういう作業だと思います。

 

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別の歩幅の音楽も同じフィールドに立たせよう

教材では第六章でブルースを扱っています。七音音階の音楽は五度を基調にしていますが、五音音階の音楽は四度を基盤にすることで"互いに翻訳可能"です。

これらはオクターブレンジの概念の段階で見つかる、様々な音程が基音の振動数であることから統一できるようにしました。

つまり長二度=短三度=完全四度=完全五度=...etcといったあらゆる音程は、全て同一である、という発想から来ています。これは基音の振動数差という考え方で見ていけば、です。余裕があれば、こういった学習もしてみると、音楽皆平等、あとは個人の解釈、ということがなんとなく把握できるでしょう。これにより、ブルースとはいったいどういう存在なのかを把握することができます。そして音楽の基準の歩幅をいかに変動させて、変則的な不定調性進行を作ることで、第三のブルースが出来るか、というところまでを考えていくことができます。(教材参照

 

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その後は、あなたの体系に委ねる

○○○○理論を勉強していて、それを活用したいと強く願っているなら、それに基づいて自分の音楽を作ってください。 

○○○○というアーティストに心酔していて、その人のようになりたい、と思ったら、必死にカバーして、研究して真似してみるところから入ってください。

凄く尊敬してる先生、本、教材から新しいコンセプトを学んだからそれを信じる、なら、その体系に従って音楽を作ってみてください。

その代り、その途中で、それらの教義に反するけど自分はぜひこうやりたい、という渇望のようなインスピレーションが生まれたら、教義に反しても迷わずやってみる、というのが不定調性論的思考です。

そういった場合の根拠というか、そうしてもいいよ、という根拠は不定調性論並びに脳科学、心理学等がバックアップします。やって失敗することもありますが、より自分の根本に近い自己を発見できる場合がほとんどです(前進できる)。

インスピレーションは脳の信号です。なんらかの情動と欲求と"そうすべきだ"という体全体の声があなたに教えてくれる、何らかの解答です。あなた自身がそれを理解する、しないに関わらず、それに従わない手はありません。その先にあなた自身さえも知らないあなたの価値が待っています。そこはひょっとすると人類の思想上の未踏の地かもしれません。つまり誰も未だ気付いていない部分かもしれないんです。あなたの価値が認められないのはまだ誰も知らない価値であるからかもしれませんよ?

 

そうやって、いつのまにかあなた自身のやり方が完成し、それを教えて欲しい、という人が現れ、伝統になり、後継者に受け継がれていきます。

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不定調性的和音進行の方法論例

こうしてまとめるのは初公開なんじゃないかな、と思います。下記にいくつかの和音連鎖の手法を列挙します。こうした方法で練習曲音楽を作りながら、機能や常識や伝統のしがらみを中和しておくことで、伝統に従うこともできるし、自己に従うことが出来るようになり、制作表現における自分なりのTPOがコントロールできるようになると思います。

これらの進行は機能和声やジャズ・フュージョンなどに見られます。それらを機能和声で考えるとあなたの思考は停止してしまいます。音の関係性をあなたなりに吟味し、イメージのフォルムを自分で作り上げてください。そうする事で不定調性論に拠らず普段聴いている大好きな音楽から、機能和声の世界を飛び出すことも可能でしょう。

 

①オクターブレンジ内から~同音程連鎖

ex1.短二度同一音程連鎖

C C# | D  D# |Em Fm |F#m  F7  |E7 D#7 |D7 Db7 |C7 | 

Cm   |Dbm   |C     |Bm7    |Bb7    |AM7    |

和音の種類を統一してもバラバラでもOKです。和音はどの音でもセンタートーン(作者が決めた和音の中心)になるので、短三和音の基音がどうこう、と考える必要はありません。これはコードのルートが短二度で連鎖しています。これは短二度という歩幅を基準に音楽の展開を考えているだけです。

同様に、長二度、短三度、長三度。。。連鎖が可能になります。

C  D E  F#(全音での連鎖)

Cm  Ebm  F#m  Am(短三度の連鎖)

C7  E7  G#7 C7(長三度の連鎖)

CM7  FM7  BbM7  EbM7  (完全四度での連鎖)

...etc

これらは「音程」というもの自体が、それぞれのレンジにおいて「基音の振動数になる」ということを前提にイメージを構築していく方法です。

これらをもちろん組み合わせてもいいです。

C  DM7  Fm  AbM7  C7  E7 Am7  DM7 

 これは長二度、短三度、長三度、完全四度とセンタートーンが変化していきます。

音はこちらです。

rechord.cc

これらを聴くと、機能和声論やジャズ理論に慣れている人は、それなりの進行感を各コード連鎖に感じてしまうはずです。調性進行の名残ですね。不定調性論では、その「進行感」が音楽を作る要素になるので、どんどん自分が学んできた概念を情動として活用して、非機能進行に意味を与えていくことを恐れないでください。

 

②スーパーモーダルハーモニー

※この用語は造語です。あまり意味はありません。

これはコンポジットモード(独自音階)を用いた中で現れる集合和音をダイアトニックコード的に用いて和音連鎖を作る方法です。

f:id:terraxart:20190620115811p:plain

この音階は、上方倍音をあえて16倍音まで用いたものです。ここからは下記のような和音が作られます。これを作ってコード進行を作るわけです。

C△ Caug Em E△ Edim Eaug G△ Gm Gsus4 A♭aug B♭aug Bm 

 C   |Em   |Gm   |Abaug  |

ちょっと機能和声にもよりながら、短三度跳躍もあり、最後は自分では予測できないコードを集合から探して、合う和音を連鎖できます。この場合、この音階を使ってすべて弾きとおせるので便利です。もちろんモードは別に普通の機能和声音階でも良いです。当然あなたがイメージの湧く音階を使ってください。

このようにモードを特定したうえで和音を構築して進行を作るのは面白いです。

   

③スーパーペダルポイント

※この用語は造語です。あまり意味はありません。

たとえばc音を持つ和音には以下のような和音があります。

C|Cm|Csus4|Caug|Cdim|CM7|Cm7|CmM7|C7|Cm7(b5)|B7(b9)|BbM7(9)|Bbm7(9)|A7(#9)

|Am7|AbM7|Ab7|G7sus4|F#M7(#11)|FM7|Fm7|E7(b13)|EbM7(13)|Ebm6|D7|Dm7|C#M7|これらはc音を内在する共通音とすることで、クリシェのような、ペダルポイントのような関連性を調を越えて作ることができます。

たとえば、

:C  |G7sus4 |F#M7(#11)  |Ab7  :|

等ですね。これらは学習段階では主要モードのダイアトニックの全ての進行感をだいたい把握した時点から自在に使えるようになります。

 

④マテリアルモーション

<不定調性論用語/概念紹介19>上方と下方のマテリアルモーション1

これは不定調性論で最初に出てくる「領域変換」という行為そのものが、機能和声におけるサブドミナントマイナー終止に該当する、という話です。論拠はリンクを参考頂き、基音cでいうと、

C⇔Fm、C7⇔Fm、C⇔Dm7(b5)、C7⇔Dm7(b5)

またはDm7(b5)ではなくFm6など、解釈は和音構築法により自由。

などです。これはどちらにも進行出来ます。機能和声はFm→C7では解決とは考えないでしょうが、それは刷り込みですので、それを理解した上で進行可能としています。

これは基音が等しいけど、集合の数理が変わっているものです。自在に挟んでみると不可思議な調性感になります。

C   |G   |C   |G    |....

というとき、

:C   Dm7(b5) |G   Am7(b5) |C  Fm |G   Cm :|

これらは基音に基づいた和音をぐるぐる回転させるように用いることができます。

ここに応用で、「負の和音」という考え方も導入すると、いよいよヤバくなってきます。

:C   Dm7(b5) |G   Am7(b5) |-C  Fm |ーG   ーCm :|

 と負の符号をつけると、教材の用例としては、和音で使用する音階をもともと母体となる音階の裏面領域にあたる音階が使用します(アイオニアン⇔フリジアン)。またはよりダークな方向だったり、鋭い方向にするような音階使用(構成音が限定されるわけではありません。即興的に求める雰囲気を構成できるようになるまでちょっと難しい技です)を積極的に行うなどの事ができ、さらに雰囲気は不定調性になります。マイナートライアドの負の記号はさらに悪質で、メジャー3rdなどを用いたりもして、マイナーコードで鋭い響きを作ったりします。メジャー、マイナーという二極化を越えて、未知(?)の情感を基本として扱います。この方法を許諾していくのは、先入観を破壊するという意義があります。

 

⑤単音概念的アプローチ

和音のトップノートをメロディにして、全体の流れをシンプルな和音で組み立てるやり方です。

これはこちらをご参考頂ければ幸いです。

ドレミファソラシドにコードを付ける★★★★ - 音楽教室運営奮闘記

もちろんコードから作ってもけっこうです。次の例は、ドレミドレミドレミとトップノートが進んでいく中で雰囲気を自在に作ったものです。

C  Cadd9  Dadd9     |D7  C7(9)  Bb7(b5)  |Am7  Abm7(b5) G7(13)  |...

これは和音の塊の響きを単音(音色)、と捉えて作曲していく方法です。機能で和音を捉えなくなると自然とできます。

最初は同じ和音タイプで作る、などのステップを踏んでいきます。これによりトップノートのメロディーの推進力をベースに不定調性進行が作りやすくなります。またジャズ和声ではこうした進行がすでにあるので聞き覚えのある進行から非機能へのとっかかりを見つけることが出来るでしょう。

 

 

⑥調向階段モデル内アプローチ

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これは「調性」がもともと含んでしまった領域をレンジ3までの音に拡大してひっくるめるといろんなコードができ、それを活用する、という発想です。

この考え方は、

調の重心が意識に残っている人に、より有効

であると同時に、進行感が拡大していったジャズ和声的な好みにも左右されます。

不定調性論では長調的な流れ、短調的な流れの二つを「反対方向への流れ」、として「調向階段モデル」として作りました。

例えば、拡大した長調的進行としては、

C  |Bbm    |Am7(b5)  |C  |

などが創れてしまいます。

短調的進行には、

C  G7  F7  |C  |

というブルース的進行もみられます。機能和声ではこのG-Fの流れはようやく抵抗なくなってきたようですが、これを「向きの違い」と理解するのは刷り込まれた意識ゆえに困難でしょう。そういった一つ一つの「それはあり得ない」をほどいたときやはり初めて「自分とは何か」を問いかけ、それが音楽に現れるのではないでしょうか。

以下はちょっとマニアな話。機能和声的に把握できるように下記のように仮に区域の呼び名を分け、

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領域を交差させながら、トニックに向かう、という進行感を作ると、

A♭augM7(13) ⇒ C△

といった、この表からしか作れないような進行感がサクッと作れたりします。これも調の名残を活用した方法です。詳しくは教材をご参照ください。

 

その2に続くよ!

www.terrax.site

 

不定調性関連含めてM-Bankの制作作品つれづれは下記からご覧いただけます。

制作メモ カテゴリーの記事一覧 - 音楽教室運営奮闘記

   

==コーヒーブレイク〜M-Bankのロビーの話題から==

これとこれは内容をなるべく理解した上で進んで頂きたいです!似たような本でも良いです!ご自分が読みやすそうな本を選んでください!!この二冊は内容が完璧で退屈です(褒めてます)。

楽典―理論と実習

ポピュラー音楽理論 改訂版 北川祐 編著 

(楽器を始めて半年以上ぐらいの本格派になるぞ!!って決めた人が対象です。)