音楽教室運営奮闘記

不定調性論からの展開紀行~音楽と教育と経営と健康と

不定調性論の方法論的展開 その1-1

前提を掘り下げる

■最初は平均律12音で考えます。

 

■既存理論に対する刷り込みの存在を意識します。

 

■取り除けないあなたの嗜好を、現状の自身の感覚とします。

どうしてもV7→Iがあなたに解決感を与えるならそれを使います。
テンションコードにオシャレさを感じるなら使います。
現状あなたが「これは美だ」「この感覚だけは消せない」という「自分の衝動」に従うことがスタートラインです。刷り込まれてしまった感覚を用います。
そしてこれは年齢/経験によって変わります。

 

■結果、導かれる音楽を受け入れて探求を進めます。

本当にヒット曲を出したいなら"好き"だけでは作れません。現役の作曲家に弟子入りしてください。
売れたい!という願望と、「正しい音楽?」は両立しません。自分がどこにチャレンジしたいか、も直観の探求で自ずと明らかになると信じます。

 

「自由に感じてみる」を実践する

このロールシャッハテストの絵、皆さんはどんな絵に見えますか?

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わたしは、テーブルの上で左肘を付いて拳を頬に当てて物思いにふける女性・・・。に見えました。「いやいやそれはないでしょ」と第三者が言っても、これは個人の印象ですから、他者が否定しようとしてもどうにもなりません。


人の感じ方に差異があるからこそ、同じコード進行でも異なるメロディができます。

音楽は過去と同じ出題に対して「それまでにない答え」を創造する面白さがあります。

 

次の動画をご覧ください。 

NHK趣味百科ショパンを弾く レッスン篇Vol.5 NHK Chopin masterclasses Vol.5 - 

バラード一番の冒頭を「恋人達の会話と捉えて」とか「二人の対話をイメージしながら弾いて」とか「今度は春です、二人は幸せでいっぱい」とか「感動のフォルテ」などと形容します。

しかし講師のイメージをそのまま捉えよ、という意味ではないと思うのです。「春」にはあなたのイメージがあるはずです。自分の一時的解釈と諦観し、演奏を創造せよ、という指示だと考えてみてください。

(想像力が豊かだとショパンの楽曲においてショパンの当時の平均的解釈を越えてしまう場合があります。そうして再現芸術の美学探求は難しい、と感じたら自己解釈を自在に創造できるポピュラーミュージックやジャズを探究されることをおススメします=再現芸術とは「再現をするプロセスの中に表現欲求を求めることができる」気質の持ち主であり、即興演奏を願う人は「即興演奏を創出する過程の中に表現欲求を求めることができる」という違いがあるだけで、どこに情熱が敏感に反応するかの違いだけです」)

学校や職場で好きな人の声を聞いたら、気持ちいいな、と感じることを自分に認め、イライラした声が聞こえてきたら、やだな、と感じることを自分に認めてあげる、それが意思の確認です。

 

またクリエイティブになるために、ネガティブなことを指摘する癖を肥大させないでほしいな、とこれは私の願望です。ネガティブさはクリエイティブを奪ってしまいます。価値を発見する、という視点を持って頂きたいです。好きの探求もまた厳しいゆえ。

感じ方自体どんどん進化します。

 

Em7を「これはCメジャーキーのIIIm7でありトニックの代理コードです」と知るよりも「甘くてセツナイ、いい感じの和音」と感じる心象を大事にするわけです。

後者の主張はあなたの経験によって深みを持ってきます(それを表現するフィジカルなテクニックはひたすら練習)。

「IIIm7だ」というのは単に合理的表現を学んだだけです(知識)。

 

 

勉強が始まるとあなた自身の癖が固まってくる

○○○○理論が好き!ならそれに基づいて自分の音楽を作ってみてください。 

○○○○というアーティストに心酔しているなら研究して真似してみるところから入ってください。

その途中で、ここだけは自分はこうやりたい、という渇望/インスピレーションが生まれたら、迷わずやってみる、というのが不定調性論的な思考です。

全て自分の意思が絡んでいる、と思ってトライしてみてください。

 

あなた自身のやり方が整ってきたら、やがてそれを教えて欲しい、という人が現れ、少しずつ伝統になり、技法になり、知識になり、後継者に受け継がれていきます。

あなたの試行錯誤によって次世代の人たちが少しだけ生きやすくなると信じます。

 

 

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