音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

M-Bankスティービー・ワンダー楽曲(コード進行)研究レポート公開シリーズ15★★★

スティービー・ワンダーの和声構造

~非視覚的クオリアを活用した作曲技法~

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アルバム17;「Innervisions(1973)

事例64Too High (CDタイム0:31-)

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Aメロ

F#M7(♭5)/E  EM7(♭5)  DM7(♭5)/E |CM7(♭5)/E  B♭M7(♭5)/E A♭M7(♭5) /E |

Am7 |Am7 |

Bメロ

Am7 |C#m7 F#m7 |Am7 |C#m7 F#7 |D/E |B♭/C |D♭/E♭ |

いよいよ調性による重力を脱する作りが完成されている。

ホールトーン的なメロディと、コード、そしてBメロは短三度と長三度でm7が動く形式で作られている。調によるバランスを放棄し、別のバランスを繰り上げる方法の一つとして、同一タイプのコード連鎖=和声単位旋律、同じ音程間の移動(短三度の連鎖等)によって平行感覚を保つことが出来る。

イントロのフェイクは前作のアルバムから引き継いだ、1コード上で展開する旋法的メロディに感じられる。ホールトーンスケールを用いた楽曲の例として覚えておいても良いだろう。長調、短調の楽曲には、風景感や色彩感があるが、ホールトーン的な楽曲にはそれがない。しかし非視覚的な音楽を作る、という意味では、色彩は全く別な概念に置き換えられるので、全く同列になる。

   

事例65Visions (CDタイム 0:31-) 

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Aメロ

Bm7(9) |C#m7(9) |Bm7(9) | E♭7(#9) D7(9) |E7(#9) E♭7(9) |F#7(♭5) |

Bm7(9) |C#m7(9) |Bm7(9) |C#m7(9) |

Bm7(9) |C#m7(9) |Bm7(9) | E♭7(#9) D7(9) |E7(#9) E♭7(9) |F#7(♭5) |

Bm7(9) |C#m7(9) |Bm7(9) |C#m7(9) |

Bメロ

E♭7(#9) |G#m7(♭5) C#7 |F#m F#m/F F#m/D# |G#sus4 G# |

C#m7 C#m7/B |A#m7(♭5)  |D#m7(♭5) G#7 |C#m7 F#aug |〜Aメロ

同曲もdegreeで表現するよりも、Bm7をセンターコードにおいて展開していく旋律構成を行う方が自在にオリジナリティをコントロールすることが出来る。

m7、9thの連鎖がここでの均整を作っている。全体的に不定調性的進行となっていて、コンセプチャルな構造である。

7thの連鎖の不可思議感は、前例“Too High”にも通じる。また時折現われるIIm7(♭5)-V→Im感を用いた連鎖感が穏やかな短調感を演出していて、違和感が起きそうになるあたりに絶妙に挿入されている。こうした感覚も作曲時の流れを選択する際に必要な感覚である。“そろそろこの流れでいったら散漫な印象になる”という感覚に気が付かなければ、不可思議感を残し過ぎて完成してしまう。

 

事例66Living for the City (CDタイム 0:11-) 

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Aメロ

F# G#m/F# |A/F# G#m/F# |F# G#m/F# |A/F# G#m/F# |

F# G#m/F# |A/F# G#m/F# |F# G#m/F# |A/F# G#m/F# |

B  |C#  |F# G#m/F# |A/F# G#m/F# |×2

Bメロ

3/4 F#M7 |D#m7(♭5) | DM7 | C  |C/B♭ |A7 (またはA△) |G  |4/4 F#  |

Aメロは、F#メジャーキーのI-IIm-IV-IImとdegree分析できる、ベースラインを統一したAメロの技法は、楽曲のダイアトニック感のシンプルさ、順列感を多少混沌にしてくれる効果を持つのでお試し頂きたい。

またBメロはユーミンなども使う下降進行で、不定調性進行と言って良いだろう。ユーミン楽曲分析の折は、単純に面白い進行感として、捉えたが、これがスティービー由来のものになると、やはりクリシェ進行を発展させた概念として捉えることができる。一つ押さえた和音の指の形を、重心を維持して一音一音(又は数音)変えていくことでコード進行ができる。クリシェ進行もそうした簡易な動きの割に生まれるダイナミックな印象が特徴である。

ドラマタッチの間奏も面白い。

 

事例67 Golden Lady (CDタイム 0:41-)

こちらをご参照ください。

スティービー・ワンダー"Golden Lady"のIV#m7からその先へ★★★★

 

事例68Higher Ground (CDタイム 0:23-) 

こちらをご参照ください。

 

恋愛と勉強は方法論でうまくいくか(?);128.(事例68)Higher Ground★★★★

   

事例69Jesus Children of America (CDタイム 0:10-) 

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Aメロ

A♭m7 |A♭m7 |A♭m7 |A♭m7 |

G♭u4 B7 |EM7  E♭7 |A♭m7  |A♭m7  |

A♭m7 |A♭m7 |A♭m7 |A♭m7 |

G♭u4 B7 |EM7  E♭7 |A♭m7  |A♭m7  |

Bメロ

A♭m7  |A♭m7  D♭7 |E7  |E♭7 E♭7(#9) |

A♭m7  |A♭m7  D♭7 |E7  |E♭7 E♭7(#9) |

Bメロはシンプルな7thコードのブルージー進行だが、AメロのG♭u4はG♭7かG♭m7かはっきりしない。ただのG♭5という三度のない和音かも知れない。これも前曲同様に合わせて四度領域和音(三度のない和音)について皆さんなりの理解を確立しておけば、“三度がない和音だから、なんかいまいち親しみが感じなコードだ”などということを感じなくて済むだろう。三度がなくても和声が作り出す音楽的なクオリアの独自性は他の曲と同じように確立されているからだ。

こうしたサウンドは、ブルース的背景や、ペンタトニックモードから生まれるサウンドである。こうしたサウンドの特質を調性音楽に混ぜることで、また新たなブルージー音楽の解釈も可能であり、スティービーは見事にそれを確立している。

またBメロがサビであるが、その前の部分のA♭m7がそのままいかされ、音楽的クオリアによる旋律指向性によってサビらしい雰囲気が作り出されている。

後半は五度上がってE♭のキーでこの展開が移調されている。

 

事例70All in Love Is Fair (CDタイム 0:16-) 

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Aメロ

C#m7  |C#m7/B |F#/A# |AM7  |

G#m7(♭5)  C#7 |F#7  |B7  |

C#m7  |C#m7/B |F#/A# |AM7  |

G#m7(♭5)  C#7 |F#m7  |F#/G#  |

Bメロ

C#m7  |C#m7/B |F#/A# |Am7  D7 |

G#m7  C#7(♭9) |F#7  B7  |EM7 |EM7  G#7 | 〜Aメロ

=degree=

Aメロ key=C#m

Im7  |Im7/VII♭ |IV/VI |VI♭M7  |

Vm7(♭5) I7 |IV7  |VII♭7  |

Im7  |Im7/VII♭ |IV/VI |VI♭M7  |

Vm7(♭5) I7 |IVm7   |IV/V |

Bメロ

Im7  |Im7/VII♭ |IV/VI |VI♭m7  II♭7 |

Vm7  I7(♭9) |IV7  VII♭7  |III♭M7 |III♭M7  V7 | 〜Aメロ

この曲も下降するベースラインを重力にして作られたコード進行であろう。

これをAマイナーのキーで書いてみる。

(参考 Am)

Aメロ

Am7  |Am7/G |D/F# |FM7  |

Em7(♭5) A7 |D7  |G7  |

Am7  |Am7/G |D/F# |FM7  |

Em7(♭5) A7(♭9) |Dm7  |D/G  |

Bメロ

Am7  |Am7/G |D/F# |Fm7  B♭7 |

Em7  A7(♭9) |D7  G7  |CM7 |CM7  E7 |

VI♭m7やIV7-VII♭7などは特徴的である。このなかのD7、すなわち平行調のCからみたII7-V7のつながりやメロディ作りはスティービーの特徴コードである。

Bメロの冒頭部分はAメロと同じコードである。これも技法的なバリエーションとして使えるのではないだろうか。つまり同じコード進行でサビをつくり、歌詞の内容、説得したい方向に応じてコードの連鎖の雰囲気に変化をつけ、句読点まで持っていく、という流れを作る手法である。

 

事例71Don't You Worry 'Bout a Thing (CDタイム 0:38-)

 

こちらをご参照ください。

73,Don't You Worry 'Bout A Thing / Stevie Wonder(2019)★★★★

 

事例72He's Misstra Know It All (CDタイム 0:27-) 

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Aメロ

F#  F#7 |B/F# Bm/F# |F#/B♭ C# |F#sus4  F# |2/4 F#  |×4

Bメロ

G#m7  A#m7  |B  C# |D#m7  C#/F |F#  F#/G# |

C#sus4 G#  |B/C#  C#7 |〜Aメロ

Degree

Aメロ  key=F#

I  I7 |IV/I IVm/I |I/III V |Isus4  I |2/4 I  |×4

Bメロ

IIm7  IIIm7  |IV  V |VIm7  V/III |I  I/II |

Vsus4 II  |IV/V  V7 |〜Aメロ

 

Aメロはクリシェ的であり、Bメロは上昇形の重力を用いて作られている。ダイアトニックなコード連鎖とも理解できるが、ベースラインの重力を感じながらメロディを添えていくとこうした構造は出来るので、上部和音のタイプに関わらず、真似して試してみて頂きたい。同曲では最後のC#sus4 G#  |B/C#  C#7にスティービーの名刺代わりの一工夫がある。V-II-IV/Vの感じはビートルズ的でもあり、スティービー的でもある。

 

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