音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

不定調性論2019:和音は二種類しかない★★★★★

以前、二元論的な話について、厳密な意味で二極化された論理展開は難しい、というお話を書かせていただきました。

circle.musictheory.jp

 

今回のお話は、和音の形態分析的なお話、思考についての話です。

 

この世界に存在可能な全和音を二種類に分ける、という試み

をまずは書きます。

 

2020年度の教材では、

・楽曲中の和音を動和音と静和音に分ける行為を「和音の動静分類

・楽曲中の和声を動進行と静進行に分ける行為を「和声の動静分類

と明記する予定です。今回は前者和音の動静分類について考えます。

 

たとえば

Dm7 |G7  |CM7 |

において、

Dm7(b9)|G7  |CM7 |

とする行為は、「Dm7を動和音化した」と表現します。

 

この例は極端ですが、機能和声論の外にある不協和音の扱いを機能和声論的思考の延長に置くことで、それまでは有無を言わせず不正解と断定される状況から、「その有用性は自分の意思で判断する」という考え方が追加されます。

音楽理論はこうした無駄な議論をなくすために「こうするべきだ」という主張を大作曲家の例をもとに汎用化した試みでしたが、19世紀末から、作曲家のやっていること自体にバリエーションが増え過ぎて、後輩陣はただおぼえる規範だけが増えてしまいました。

ですのでもう一方のもともと存在した自然な状態を、これまで培ってきた機能和声論と並立しておこう(それが拙論)、という目的です。

 

また

Dm7|G7(b9) |CM7 |

であれば、G7はすでに動和音ですから、「G7を動和音の性質を強化した」というような表記するかもしれません(厳密には第二種動和音化)。

 

またたとえば和音がC△であるとき、メロディにf#を使えば、その空間は動和音化された、ということができます。

また一人部屋でギターのCコードを弾いたとき、隣の部屋から悲鳴が聞こえて、それがf#であれば、その空間は動和音化したということもできます。

 

 

この分類により必ずどんな音響空間もどちらかの位置付けができ、「音楽理論的に正しい、間違っている」ではなく、その人が属しているコミュニティにおいてそれが認められるか、認められないかで判断される、という理解になります。

 

=====

また、

Dm7|G7  |CM7(#11)|

も同様にCM7を動和音化する行為と言えます。

一方、

Dm7|G7sus4  |CM7 |

とすると、「G7を静和音化した」ということもできます。また、

Dm7|Gu4+Du4 |CM7 |

 といった和声単位複合で思考する和音でも増4度を持たなければ、これは「静和音化した」と言えます。

Gu4=g,d,f

Du4=d,a,c

=G7sus4(9)

 

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和音の種類についておさらいしておきます。

この考え方ですと、和音は二種類に大別できます。

・増4度を持つ和音

・増4度を持たない和音

です。

 

・増4度を持つ和音=動和音

・増4度を持たない和音=静和音

 ですね。

 

動和音=動性を強く持つ和音(増四度を持った音が尖った印象になることを「動性」と表現する)

静和音=弱い動性を持つ和音(増四度を持たずとも、短三度を持てば、増四度に近い性質を持ちます。ここを増四度と分けて「弱い動性」と表現する)

 

cとf#の話 

cとf#は増四度ですが、これを

表面領域基音=c

裏面領域基音=f#

とします。これは1:√2という関係性や、増四度環などの構造から考えたものです。

f:id:terraxart:20190419155303p:plainf:id:terraxart:20190419155456p:plain

 

一つの音から見て増四度以外の音はすべて二種類あります。

cの完全五度上はg、完全五度下はf、などです。それに対して表裏一体、一対の音の増四度という音を特別視する、という話です(`・ω・́)ゝビシッ!

 

十二音連関表の横の列はディミニッシュ7thの構造です。

f:id:terraxart:20171129153715p:plain

横の列を「エリア」と言います。

たとえば、cとd#とf#とaは、上下のgのエリアとfのエリアの音を上下の低次倍音に共通して含みます。つまり、cやd#,f#,aの音は、重合すればするほど、上下の領域の共通音に数理的に親和します。基音や内部の音(横の同エリア音)よりも、上下の領域音への親和が発生します。

 

つまり

何でトライトーンが解決させられるか、という話を無理やり説明するために、「トライトーンは解決すべき」とする(これは機能和声的思考)のではなく、同エリアの音の重合が、上下のエリアへの親和をより強く起こすから、と考えるわけです。

ゆえにG7の各音(構成音はfのエリア音になる)は基音gに帰着せず、cまたはgの領域音に親和させることが出来る、という発想が作れます。それゆえc,e,gという和音への解決、またはf#,a#,c#に帰結が出来る、という機能和声論の言い分が説明できるわけです。

 

ゆえに増四度の追加は、他のエリアへの親和をざわつかせるので、「動和音」としよう、というわけです。この過程を詳しく書いたのが不定調性論の教材です。

 

Cメジャーダイアトニックコードでは、

CM7(静和音)  

Dm7(静和音)

Em7(静和音)

FM7(静和音)

G7(動和音) 

Am7(静和音)

Bm7(b5)(動和音)

となりますね。単純です。構成音実音中に増四度を含むか、含まないかだけです。

増四度が入れば、属和音的な性質が強化されます。それを除きたければ増四度を回避すればいいわけです。

 

下記もご参考に。

(動画解説・補足)現代和声機能〜不定調性論全編解説20★★★★★ - 音楽教室運営奮闘記

(動画解説・補足)現代和声機能〜不定調性論全編解説21★★★★★ - 音楽教室運営奮闘記

<不定調性論用語/概念紹介64>ドミナントモーションの拡張(動和音と静和音関連)★★★★★ - 音楽教室運営奮闘記

この動性と弱い動性=静性の解説を今年は教材に明記したいと思っています。

 

またこれらは12平均律だけでなく、微分音にも当てはまります。

不定調性論における1音はピッチクラスですので、

f:id:terraxart:20180605102255p:plain

<24平均律尿>

この図の通り、例えば、cとf#の増4度であれば、その振動数差は、

 

(bとcの中点)254.1775<c>269.2918(cとc#の中点)

(fとf#の中点)359.4613<f#<380.8360(f#とgの中点)

またこれらの2の累乗倍、その逆数倍の振動数も同様です。

スターウォーズのC-3POなら解析できるであろう波の音の重なった和音や、風の和音なども周波数解析によって、それが動和音か、静和音か瞬間的な断面で振り分けていくことができます。

各値は近似値ですので不等号を用います。完全に中点の音が出た場合、これは非公式に述べますが、その都度自由にどちらに振り分けるか判断して良い、としています。

この辺数学的におかしいよ、と教えてもいいよ、という方がおられたら教えていただきたいです。

 

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極端な例

さて。次のようなコードまたは展開で録音がされた音源があったとします。

CM7  DmM7(#11) |EM7(b5)  F7(b9) |

Gsus4 Asus4 |Bbsus4|エレピのペダルが壊れてBbsus4の残響が響く中Bsus4 |

停電!ドーォン1|ドーォン2|

客席わお!|悲鳴1|悲鳴2|わお!!|

という演奏記録があったとします。

この和音のなかで増4度を持っているとすぐ判明できるのは、

DmM7(#11) 、EM7(b5)、 F7(b9) 、ペダルが壊れてBbsus4の残響が響く中鳴ったBsus4 

であり、C-3POの解析待ちなのは、停電してからの

停電!ドーォン1と、ドーォン2、客席わお!、悲鳴1、悲鳴2、わお!!

これらは周波数解析をして、どれが和音の構成音となるか、を分析者が判断して、先の振動数表と照合させ、増4度関係にある和音的存在は、動和音である、と決めることができます。つまりこのコード進行の前半だけを分類すると、

CM7  DmM7(#11) |EM7(b5)  F7(b9) |

静和音 動和音動和音 動和音

Gsus4 Asus4 |Bbsus4|ペダルが壊れてBbsus4の残響が響く中Bsus4 |

静和音 静和音|静和音 動和音 |

となります。

解析結果がでればたとえば後半も二つのいずれかに分けられます。ここにシークエンスを与えるなら、後半も

静和音 動和音動和音 動和音

静和音 静和音|静和音 動和音 |

となるように周波数を変えればいいわけです。そうしたいならw。

 

もちろん小節単位以下、拍数単位以下の瞬間瞬間で区切ったら、絶対に増四度の関係が生まれるでしょうから、こうしたアナライズは、楽譜上のもの、恣意的なものとも言うこともできます。

それゆえに不定調性論は普段机上のアナライズをしません。人の印象は、その小節で起こったことすべてを聞き取って印象を半自動的に生み出すからで、その瞬間の印象こそが曲の最も肉薄する分析となります。

だからこそ心象想起力を鍛えよう!というわけです。

まあ自分なんかも全然まだまだですが。

 

あらゆるコードに平等な振り分けが出来ると、奇抜なコード進行、不協和な展開に対して「なぜそんな表現が可能か」「変わっている」「変態的だ」と印象を安易にくくってしまわず、立ち止まって考えることができます。

「あの音はまちがっている、直そう」=機能和声論

から始まり、

「これは面白い動和音だ」=不定調性論

という思考の両立です。あとはその時に必要な音楽性で考え方を分ければ良いだけです。

 

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二度和音、四度和音、ミラーハーモニー、ピラミッド和音、クラスターでも増四度の有無は判断できます。和音の隔たりもなくなります。 

動静の有無の分類ができれば、安定と不安定に分けられるのでドミナントとトニックに分けることと同じ、とも言えますから機能和声の延長に不定調性空間を扱うこともできます。

 

4:33の"演奏時"にも空調ノイズが増四度を含めば、その小節空間は動和音化したと言えます。何もなければ静和音の状態です。

この理屈では、4:33は常に激しい代理コードが入り乱れるフリージャズ的な演奏である、という解釈もできます。

 

このような「断定できない状況」が現代では存在するので議論が起こります。

これから決めようとする法案が国にとって正解か、不正解かなど誰も分かりません。

しいて言えばこれが「三つ目の状況」です。情報が足りないがゆえに動和音か静和音か判断できない状況です。

音楽の場合も、リリースするまでは常に正解か不正解か分からない状況のまま突き進みます。これまではそれが正しいかどうかの判断基準として先例や現場監督の経験、時として音楽理論があり、結果としてチームの合意があって、あとはそれを信じて突き進むだけです。だから不安や不満が起きるのは当たり前です。バンドが解散するのも互いが信じる道がずれてくるからです。「三つ目の状況」の判断がメンバー内で変わってくるからです。この判断の難しさにしっかり向き合わないと、そして自分の出した決断を信じられる強さがないと、実は正解に向かって走れないんですよね。

 

 

まあ、、、ちょっと人から後ろ指さされるけど。個性って、実はある種ウザイものです。表現は困難だし、人と違うからとにかく無視され続けます。軽々しく個性教育というな。

ぐらいに思ってこの世界に飛び込んできてください。

 

そしてしまいには、

G7は本当に動和音か

という質問に行き着きます。音楽理論的にはこの問題自体は別にどうでもいいのですが、これが曖昧だから最終的には「俺たちは一緒にやるべきか、解散すべきか」というようなことで悩むことになるのでは?という指摘です。それは問題ではなく、解散したいのか、したくないのかしか問題はないんです。人のせいにしたくて悩んでるだけです。自分を選ぶ。

 

ここに矛盾を理解するヒントがあると思います。

 

タイムマシンがあって、自分たちバンドが30年後に方向性の違いで解散するという情報が分かっていても、高校生の自分は一緒にバンドをやると思うのです。メンバーが逮捕されて解散するよりもマシ、とかって思うからです。

 

「矛盾」を両立させる、みたいなことを考えています。

つまり

G7は、私は動和音であると信じる

という思考です。そう、ただ信じているだけです。別の発想もあるでしょう。

しかしその人はそう信じているからその音楽が出来るんです。

たったそれだけなのになぜ人は強く生きられるんでしょうか。

だから人の解釈はその人にとって通用すればいいんです。他の人が口を出す必要はありません。むしろ応援して助けてあげなさい。それができるなら。

 

鍛えるべきは「直感」を生み出す脳機能なのかもしれません。

 

今日これからでも良いですから悔いを増やさないように、自分を信じて真剣に自分で考えて生きていきたいですね。

 

この人の直観力は凄いよね...

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