音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

クリシェの多用、クオリアの活用についての問題提起〜スティービー・ワンダー楽曲(コード進行)研究レポート7-1

スティービー・ワンダーの和声構造

~非視覚的クオリアを活用した作曲技法~

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アルバム8;「I Was Made to Love Her」〜愛する娘に〜(1967)

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事例19I Was Made to Love Her (CDタイム 0:14-)

F  |F  |B♭m  E♭7 |D♭ E♭ |F |F   |

=degree=

I  |I  |IVm  VII♭7 |VI♭ VII♭ |I  |I   |

この曲も同じコード進行が繰り返される楽曲です。

クレジットにスティービーの名前あり。

IVm-VII♭7への進行がとてもスリリング!

メジャーコードの連鎖が持つ高揚感。

あなたは高揚感感じるコード進行ってありますか?

それはあなたのクオリアの"ツボ"ですよきっと!

まずはアガる曲を見つけて、コード進行を調べて見ましょう。

 

事例20 I'd Cry (CDタイム 0:18-)

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Aメロ

D♭ |D♭ |A♭/C | A♭/C |

A♭m/B |A♭m/B |G♭ E♭ |A♭7〜

-degree= key=D♭

I   | I   |V/VII  |V/VII  |

Vm/VII♭ |Vm/VII♭ |IV II |V7〜

この曲もスティービー、クレジットあり。

スティービーの楽曲にその後よく見られるクリシェ的なバリエーションが見られます。I→V→Vmの変化はコード進行のパターンとしてもポピュラーです。

 

同曲の例を一つ拡大してみます。

例)

C  |G/B  |Gm/B♭|F/A |Fm/A♭ |E♭/G |E♭m/G♭|D♭/F G |

こんな風にできたらあとはメロディの構成。

 

留意頂きたいのは、こうした進行はいくらでもバリエーションがあるので、しっくりこないままメロディを乗せてしまうと、説得力のあるメロディになりません。

(コード進行にメロディが流されてしまう)。

ゆえに、歌のテーマを決めたら、その情感や、感情の流れにあうクリシェ進行をすぐに思い浮かべられるくらいにコード進行を知っておくと、こうした強い長れに惑わされなくて済みます。クリシェはすぐに曲になってしまうので、はじめ言いたかったことと違う曲になってしまったりします。

 

このレポートではさらに一歩思考を進めてこのクリシェ進行がスティービーに意味するところを探らねば!

 

事例21 Everybody Needs Somebody (CDタイム 0:08-)

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F/G  |F/G  |G   |G  |

F/G  |F/G  |G   |G  |

Cm  |F  |B♭ |B♭ |

=degree= Key=G

VII♭/I  |VII♭/I  |I   |I  |

VII♭/I  |VII♭/I  |I   |I  |

IVm  |VII♭  |III♭ |III♭ |

冒頭VII♭を分数にした和音が特徴的!

この和音から楽曲に入ると、きわめて途中感があります。

しかし、この途中感が、いってみれば目の前を颯爽と通り過ぎていくスポーツカーのような、海岸で目の前を水着の美女が横切るような、ある種の"ある時間や風景の中に紛れ込んだ颯爽感"が私にはあります。

 

またIVmに流れる感じを用いて、そのままII-VでB♭への転調感につなげています。

このB♭はA♭/B♭的で、フローティングドミナントのイメージ。

 

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==コーヒーブレイク〜M-Bankロビーの話題== 

スティービーと共に過ごした三浦氏の著書。。ぜひ再販してほしいなぁ。。

f:id:terraxart:20190403163204p:plainM-Bankにあるよ!

 スティービー・ワンダー我が半生の記録―冷たい鏡の中に生きて (1976年)