2019.3.28⇨2020.2.8更新
ピアノは弾けなくても「ピアノがどういう音を出すかの知識」があれば、DTMはできます。
私もピアノは99%弾けません。
ただコードの知識、ピアノの知識を少し持っているので、コードを押さえるくらいはすぐできます(たくさんコード音楽を作っていると自然と覚えます)。
まあこのくらいできれば弾けない奴にしてはマシじゃね?って思ってくれた方で、DTMやっててピアノの打ち込みがわからない、という方のみご覧くださいませ。
本当に世界を席巻する音楽を作りたい、という御仁は、これらはかなりレベルの低いものだと思って頂いたほうが(技術や知識で作っているものに過ぎないから)よいです。
私の場合
・専門学校に3年通って音楽理論学んだ
・ギターが弾ける
・バンドやっててひたすら耳コピしてきた
という背景があります。
「楽譜読めない」「コード知らない」「耳コピできない」「楽器弾けない」という方で、これから初めてDTMやりたい、という場合まずはSTUDIO ONEとかGarageBandといった現代っ子が扱いやすいDAWで適当に素材サンプルを並べて音楽作ってみてください。
それで出来ちゃう人もいます。
余裕があるなら、お近くのポピュラー音楽教室に通い、DTMとか教わっちゃった方が独学より早いです。
(ピアノ練習しなさい、って言わない先生に出会うことを祈ります)
いきなりピアノに入る前に。
こういうスマホでピアノで弾く、ということを体験してみましょう。これがそのままDTMの基礎知識になります。
オーケストラの楽曲も元はピアノで作っています。それを楽器に割り振っているだけです。たくさんの音が鳴っているようで、10本の指で弾けるのが人類の音楽です。ピアノはそれくらい優秀です。ピアノを弾くことができればすべての音楽の構造を把握できます。そのくらいすごい楽器です。
さて。
ピアノが弾けない人がどうやってピアノを打ち込むか。4つの手順。
1.まずMIDI鍵盤とピアノ音源を買います。
最初は何も知らず、周囲にも聞かず、AKAI MPK mini使ってました。
使って分かりました。毎日アレンジする場合すぐ鍵盤がボロボロになりました。接着剤でくっつけて半年使いました。で、二台目はこれ。
Roland A-500S MIDI USBキーボード・コントローラー
凄く楽。この辺は「MIDI キーボード」って検索して自分のデスクに乗るサイズの適当なものを最初は購入してみてください。
ピアノのプラグインはいつものWAVES GRAND RHAPSODY。たくさんピアノはいい音源があるのでググってみてください。「おすすめ ピアノ プラグイン」
↓これがお得!セール時には1万円を切ります。
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waves多少重いので、速いPC持っていない人は、
「ピアノ フリープラグイン」「ピアノ シンセ 無料」とかで検索してみてください。
こういう総合音源で安くてあとあと便利なタイプのものからスタートでOKです!X'pandは1円セールとかやってる時があります。
Xpand!2 Vacuum Proなどのilokライセンス追加
X'pand!2は最初、本当によく使いました(今でも使ってます)。
2.適当に打ち込む
2、曲の感じを掴んで、1コードをピアノ演奏っぽく弾きながらMIDI情報を打ち込んでいく。
まず、ピアノが弾かれている感じを少しみてみましょう。
例えば、Avicii。ピアノがかっこいいですね。これ、どんなふうに弾いてるのか?
Avicii - Waiting For Love (Cover)
DAWであげている人もいます。
Fl Studio 12 | Avicii - Waiting for Love | Piano
そして実際にどう弾いてるのか、という時参考になるのが、上から弾いてる音が見える演奏動画です。
Avicii - Waiting For Love | Piano Cover by Pianella Piano
こんな情報から、ピアノ音の置き方を少し手当たり次第に覚えていきます。指の動きで「どういうのが弾けるもので」「どういうのが弾けないのか」をイメージしてください。「ピアノっぽいフレーズ」はすべて「指が弾きやすいから」生まれています。その感覚を掴みましょう。
多少自分なりのやり方になってOKです。一人として同じことをやってる人はいません。
音域が広すぎれば両手では弾けませんし、あんまり複雑な動きは普通の人は弾けません。
それらを掴んだ上で両手で弾けない音楽、人間が弾けない音楽ということを作ることができます。また実際そうした音楽は現代音楽ではたくさんありますので、ご自身で勉強した上で守破離してください。
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私の場合ピアノが弾けないので、コードを変えずCメジャーコードの押さえ方にして、その一つのフォームだけで1曲全部弾いていく感じです。
分かります??ただ1コードで曲を弾いてる感じです。
音程は後で変えるので安心して悦に入って弾きましょう笑。
普段から、参考になりそうな曲をテンポごとにピアノメインな曲4−5曲みつけておくといいです。毎年新しいトレンドを少しずつ入れるようにしていけば、演奏法もサウンドも古くなりません。そこは地味な努力。
なぜ嘘でも手で弾いたほうがいいか、というと、タイミング、ヴェロシティ(ピアノっぽい音の強弱)をあとで1音1音、人が演奏するっぽく直す時間がきついので、あらかじめ弾いたほうが修正時間の短縮になります。
モノマネ的。エアギターと同じかも。
3.ヴェロシティを揃える(あとは手動修正)。
youtube動画ではヴェロシティに変に気取ったクセが出ないようにしています。
これはサビ的なところです。ヴェロシティが上部とか揃ってますよね。
どうやるか、というと、
赤ぽっちが音の強さ=ヴェロシティです。
このように最初は当然バラバラです。これを下の方のヴェロシティをドラッグ選択して上に持ち上げます。
これを
こう!
で、その次に、上の方を下に下げます。
こう!
これでヴェロシティがだいたい揃います。これを最初は1音1音やってました。数日かかりました。ピアニストはこれを2分でできるんです。ピアニストすごくないですか笑?
クラシックの正確な人のヴェロシティって知ってます?もっと正確かも。
いつも同じようにするわけでもありませんが、
例えばですが、こんな風にピアノの盛り上がりを表現したり。ミキシングで行うボリュームフェーダーの移動を打ち込みの段階でやっちゃう的なイメージです。
Wavesのピアノはベロシティが結構自在に効いてくれるので。
こういった目分量的なものはセオリーではなく膨大な経験的直感が作り出してくれます。ひたすら打ち込むしかありません。
経験値が判断力を上げていくんです(不定調性論的思考/脳の手続き記憶の確率)。
二十歳になった人が初めてお酒を飲むとき、ちょっとびびったけど、1年もしたらただの酔っ払いになった。なぜでしょう?下戸でなければ「慣れ」だけです。たくさんみんなと飲んだだけです。慣れはすべてにおいて重要です。
なれるためにはやるっきゃないのです。今日から3ヶ月、がんばって!
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4.パートごとの細かい作成
あとはクセのあるベロシティを直したり、4小節ごとにおかずを入れたり、あとは自分が好きなピアノプレイっぽく化粧します。
コードはコードサイトを見てもいいです(参考)。
ある曲の冒頭です。この時点でありえないのですが、この辺がDTM文化です。(ピアノソロでは実際に弾けないプレイは避けます。これとかエレピですが)
DTM個人制作で譜面に落とすわけではない場合、聞こえ方がそれっぽく聞こえているか、を重視します(こういうところが"レベルが低い"と言われることは覚悟したほうがいいですが、瞬間的に行動しなければならないような現場では、そんなこと言ってられっか!!って感じです)。場所によっては、隠し味で1オクターブ高い音、低い音を小さいベロシティで余計に追加して混ぜる事があります。
そうやる事で逆に現実味が出る、ということをDTMerは知っています。
こういうのとか
こういう和音位置のずれが「柔らかさ」を出したりします。この辺は、普段ピアノの人の演奏、ピアニストが弾いたMIDIデータなどをチェックして覚えていきます。
このずらし作業は地道に作ります。EDMなどではこういうズレがないので楽かも。
わたしはスタジオでピアニストが録音した時のデータを覗き見して、ずれ方やベロシティを勉強してきました。
ピアノMIDI (フリー素材) | 音楽関連サイトリンク集 MUSIC-STYLE
スタンダードMIDIデータ(どんなDAWでも開けるMIDIデータ)を無料で配布しているものもあります。こういうのをダウンロードして自分のMIDIで開いて勉強したこともあります。今ではYouTubeとかでも見れますね。
そしてAメロからBメロ。4小節の区切りに少しおかずを入れます。なぜ入れるか、というと、ちょっと印象に残るメロディが入ることでピアノがさりげなく主張できるからです。あとは引っ込んでていい。
最終的に「歌最高!!」となるようなおかずを入れていくわけですね。
これが難しいです。だいたい「オケ最高!!」とかなるように打ち込んでしまいます。
おまけ;ペダルは??
レガートなアルペジオはいちいちデータを伸ばして作るのが大変なので下記右のような演奏が続く場合にはペダルデータを書きます。
普通にペダルをいつ踏むのかピアノアレンジの譜面を見て勉強しました。
上記左右のアルペジオはどちらも同じような出音がします。
オートメーションデータはDPですと、
ここ開いて
これです。
一回書いてしまえば、
このメニューから。
64が選べるようになり、メイン画面でも修正できます。いちいち変換しないといけないのがうざいときは、先の下ウインドウで編集しましょう。ソフトペダルはコントローラー67を指定します。
ピアノが弾けなくても、経験と感覚と音楽理論で乗り越えられるかも、という話です。
下の動画では実際に適当に打ってる感じで作曲する様が少しわかります。
チャンネル登録いただくと幸いですm( )m
どうしても個人的に聞きたい!という方は、恐縮ですが、ZOOMでの単発完結型の個人レッスンもございますのでご活用くださいませ。90分でカリキュラムではなく、教えてもらいたい内容のみの特化して質疑応答で進めていくことができます。