音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

<コラム>(作曲)音楽理論への挑戦〜なぜその音は次にその音につながったのか?

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音楽を教えている方はご自身の意見で考えてみてください。この問題に向き合って自分なりの答えを用意しておくと、誰かに音楽を教える時とても楽になれます。

考える問題はこうです。

「なぜその音を使ったか。」

です。

もし音楽を知らない人がイメージしたら、

豊かな音楽理論の知識と糸も漏らさぬ鉄壁な方法論とテクニックと経験の上にどっしり構え、直感を待ち、静かにそこに筆を置いた・・・と思うかもしれません。

うーん、、そうなればいいんですが、実際は・・、

締め切りに追われ、必死で考えて、いくつもの方法を試して、頭の中が嵐のようになって、最後に掴んだもの に光を見た・・・

ぐらいな感じで動機や結果は曖昧にしか表現できない場合があります。そこには方法論もへったくれもありません。脳は自分に嘘をつくからです。これを脳科学用語で「作話」と言います。なぜ?と言われるとその行動の理由を考えてしまうんです。

不定調性論は、そういった危急時に動き出す脳の部位を鍛えるために「瞬間瞬間の心象」が唯一の音を紡ぐ動機、としています。ガチガチの理論的構造ではなく解釈のバッファーがあるんです。

 

つまり

「なぜその音を使ったか。」の答えは

→「なんとなくそれしかないと思ったから」

です。

あらゆる動機を、あなたの意思の一点に起きます。

学習時にはコード進行や声部を学ぶでしょうが、実際に作るときに活用するのは不定調性論では「心象」だけです。

「この曲ではどこかでモーダルインターチェンジを使おう」

と思った瞬間、曲は(普段の自分からすると)不自然になる(可能性がある)、という意味です。

楽曲を作りながら、ある時突然閃きます。「ここはこっち行こう!」これが結果とひてモーダルインターチェンジになる、というのを分析者が後から分析する、というだけです。このように適材適所に直感が降ってくるには、普段から作りまくるしかないと思うのです。

 

あとは「どうやってそうなればいいか」です。

作曲については「作曲しまくる」のが一番です。

野球を上達するためにルールブックを読んでも仕方がありません。

音楽理論書を読んでも作曲能力は上達しません(スキルは覚えますが、適材適所の使える感覚がまるで身につかない)。

 

 

これで全て述べました。ここから先は補講です。

音楽理論的に考えてみてください。

 「月光」の1小節目はなぜそうなったのか。 

ピアノソナタ第14番 (ベートーヴェン) - Wikipedia

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冒頭のメロディを、ソ#、ド#、ミ。

最初の質問です。

・なぜベートーヴェンはこの曲の最初を、ソ#始まりにしたのでしょうか。ここはC#mですから、5度、ルート、3度でアルペジオが続いていきます。

「最初はC#mのアルペジオです。」

と、理論的に答えることはできると思います。

C#mが存在することはわかるけど、なぜ曲の冒頭にベートーヴェンはC#mを置くに至ったのか、それは音楽理論で説明ができるのか?です。

作曲業をしていると、一番悩むのは

「さて、どうしようか」

です。C#mという存在自体は日頃から知っています。

でも「今回の曲でそれをアルペジオにして5度から始めよう」と着想する根拠を、音楽理論は教えてくれないのです。

ではどうやって、そのモチーフを着想するか。。。です。

なぜ、

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これでも

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これでもなかったんでしょう。なぜ上行系の5度始まりだったのでしょう。

 

=====

 

現代なら、

「月光ソナタ風な感じのピアノ曲を作って欲しい」

というリファレンスがある場合が多いので、着想はこの依頼文の中に既にあります。ゴールは「月光」ですから、あとはそれこそ音楽理論的、音楽経験から作っていけるものです。

 

もちろんこの冒頭の根拠と理由はベートーヴェン本人しか分かりません(いや本人だってわからないかも)。

天才となればもう頭の中で完成形が流れているかもしれません。

そうなるとあとは結果論です。

 

この"着想"だけは、どうしてもその人の感覚に頼るしかありません。そういう意味では着想が生まれやすくでしてくれる音楽理論が、真の音楽理論かもしれませんね。

 

「月光」の2小節目はなぜあのようにつながったのか。

では、それでモチーフが決まったとして、最初の一小節ができました。

問題は次です。

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二小節目です。これは、C#m-C#m/Bと還元することができます。

次の問題はこうです。

「なんで二小節目はこうなったのか」

 

これに答えられる人がいるでしょうか。もっといい進行は存在しないのでしょうか。

しかし、もし解がこれ一つしかなければ新しい音楽は生み出せません。

又は最適解がまだほかにもあるなら、どうやっていつどのような場合はそれ以外の選択肢を選べばいいのでしょう。

こういったことを指示できるのも方法論の役目と言えます。

 

例えば、次のように答えることができます。

1小節目は低音が最初だけ鳴り、上にぶら下がるように5度のアルペジオが乗ったので、重々しくなり、次の左手が全音下がってより深いところで支えているのだ・・

または、

Im-Im/bVIIにしよう、と経験的に安易に決めた、

とか?よくある展開ですもんね。考えずささっとできてしまう展開ではあります。

「別に、なんとなくできるんだよ、こんなものは」

というのがベートーヴェンの回答であるとき、作曲学の糸口は消えてしまいます。

「月光の冒頭の進行」とコード進行を覚えるしかありません。

 

若かりしベートーヴェンの圧倒的学習はいうまでもありませんね。その中から導き出された、彼だけに通じる理屈の上にその楽曲は成り立っています。

もちろんその理由が

・当時たまたまそういう曲がたくさんあったから流行に乗った

かもしれません。

本当にそうであったとしたら、音楽理論はどのように作曲の動機を教えれば良いのでしょうか。

 

インターネットや学習はどう活用する?

曲の流れを作る、というやり方は、人それぞれです。ストラヴィンスキーみたいに楽譜を切り貼りして脈絡など無くしても、編曲に自分なりの意思を入り込ませて、それを芸術に仕上げてしまった人も過去にはいたわけです。

何がやりたいか、誰っぽい作風から入って、先々自分を作るか、です。それを自分で決めてください。自分で決める、と覚悟してください。なぜなら 

あなたが脈絡だと思うものがあなたの脈絡。だからです。

サイコロを振ろうが、流行に従おうが、直感で降ってきたものだろうが、それを一つの言葉でくくれるのが不定調性論の便利なところです。

"「音楽的なクオリア」で直感したからそうした"

 で済みます。

便利なのでぜひ不定調性論的思考を活用ください。

 

====

で、先の問いは延々と続きます。

三小節目はなぜこうなったのか。四小節目は・・、

 

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作曲は記憶のリサイクルである、

と聞いたことがあります。だから作曲をしたい!!と考える人のための最良のアドバイスは、とにかく作る+分析するを並行して行うように勧めます。自分の記憶のクオリティをあげていくわけですね。ここにも脳のカラクリがあります。

 

もしあなたが音楽理論を学んだら、または自分の方法論を作ったら、その理論や方法論に基づいて作曲してみてください。

 

最初に一音を置く理由をその方法論は説明できますか?

 

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