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上記の表は、不定調性論における拡張USTの表ですので、一般ジャズ理論におけるUSTはこのページの下記をご参照ください。
正式(?)なジャズ理論=自分が学校で教わったジャズ理論、におけるアッパーストラクチャートライアドはこのページに載せた下記の群だけです。
よろしくお願いいたします!
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アッパーストラクチャートライアド(Upper Structure Triad=UST)とは??
基本のコードサウンドの上に、コード構成音やテンションを使ってトライアドを作る声部配置のこと。
本来の和音の根音とは別に、高音部に別の三和音が乗ることで、二層の和音になっているのが特徴。
この二層を保つためには、二つの構成音を混ぜないように配置することが大事。
D/Cという表記がUSTであれば、和音/和音ですから、構成音はD△/C△となり、d,f#,a/c,e,gという6和音になります。
これらの上部と下部を混ぜると、C6(9,#11)というコードができます。
しかしこうしてしまうとただのテンションコードです。これはUSTコードとは言いません。
もちろんテンションコードの場合は5度の省略などが当然起きます。
USTの場合は、原則的には省略はありません。
左手でC△、右手でD△とかって弾くと、押さえるとき楽、みたいなことはあります。
もしこの和音を音楽的に感じられたらあなたはUSTが使えます。
この和音は。明るくひらけた感じ、みたいに感じますので、
Dm7 G7 |C△ D△/C△ ||
みたいにエンディングの和音で使ったり、
Dm7 A△/G△ |CM7 |
などとドミナントコード的に使ったりイメージできます。
A△/G△の構造は同じですね?トライトーンがないだけで、
G7(#11,13)omit7と同じです。
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しかし昨今はD△/Cや、五度の省略などが当然行われたものも便宜上、USTと呼ばれることがあります(またはハイブリッドコード)。また和音/和音はポリコード、複層コードなどとも言われます。四和音/三和音なども作れますね。
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<UST生成の基本的ルール>
(私が学んだ)ジャズ理論に基づくルールです。
・三和音はMajor、minorのみ。コード機能に合致したテンションとコードトーンを用いる。
・冠状部と基部の重複音があっても良い。冠状部に三度、七度の音を置く場合、基部に五度を配置しても良い。
・各音の間でb9thが生じないようにする。ただしドミナント7thコード、フリジアン、ロクリアンスケールが適用されるコードでの短二度などは除く。
・それぞれ転回形も可能。開離配置も可能だが、広がれば広がるほどUSTとしての意味合いは希薄になる。
・声部は基本六声。五声では、五度を省く。四声ではニュアンスが出ずテンションコード的な硬いサウンドになる。重複での七、八声も可。
・稀に冠上部にトライアドを配置するためにテンション以外の音を使う時がある。
例;リディアン時ののB△/C△=冠状部にd#音を追加している。または、アイオニアンでもf#とd#を追加しこの和音をつくる時がある。基底部和音の構成音の半音下の音になれば、問題はない、とする発想から。
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そうなりますと、基本的なUSTはかなり限られます。
<ジャズ理論における有用なUST群>
※なぜこれが使えるかは各位学習してください。
ダイアトニックコードとテンションが全て諳んじられないと本来USTを効果的に使うことはできないでしょう。
IM7のUST=V△、VIm、IIIm
(解説)
例えばCM7=IM7なら、Cアイオニアンが該当します。
c,d,e,f,g,a,bがその構成音です。アヴォイドノートはfになりますから、それ以外の音で組み合わせてトライアドを作っていきます。
cでできるのはC△=c,e,gのみ。
dでできるのはなし
eでできるのはEm=e,g,bのみ。
gでできるのはG△=g,b,dのみ。
aでできるのはAm=a,c,eのみ。
bでできるのはなし。
よって、C△が基底部、USTはEm、Am、G△の三つとなります。
Em=IIIm、G△=V△、Am=VIm
です。他のコードも同様に算出します。
<リディアン系>
IVM7,VI♭M7,II♭M7=V△、VIm、II△、VIIm、IIIm
<エオリアン系>
Im=Vm、VII♭△
<ドリアン系>
IIm7=IIm、Vm、VII♭△
<フリジアン系>
IIIm7=IVm、VI♭△
<ドリアン系>
IVm7=VII♭△、Vm
<ロクリアン系>
IIm7(♭5)=VI♭△、II♭△、VII♭m、V♭△
(メジャーキー9thを持つ場合とマイナーキー♭9thを持つ場合を分けて表記する表もあります)
<各種ドミナントスケール系>
V7(オルタードドミナントスケール、コンビネーション・オヴ・ディミニッシュスケール)=III♭△、V♭△、VI♭△、VI△、Im、II♭m、III♭m、V♭m
V7(ミクソリディアン)=Vm、VIm
V7(リディアン♭7スケール)=II△、Vm、VIm、III♭△
V7(フリジアン#3スケール)=II♭m、VI♭△
V7sus4=II△、IV、VII♭△
<ディミニッシュ系スケール>
I#dim7=属するkeyのI△、VI△、VIm
III♭dim7、IV#dim7=属するkeyのII△、VII△、VIIm
V#dim7=属するkeyのV△、III△、IIIm
となります。
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ここからさらにメジャートライアド、マイナートライアド以外のコードを上部に作る発想から不定調性的になってきます。詳細は、
こちらのページであり、
さらに、上部三和音ではなく、上部四和音まで拡張したのがマルティプルハーモニー、USMで、
となります。
そもそもUSTの正式な区分けなど知る人の方が少ないので、拡張型USTやUSM的な使用を知らず知らずに用いてしまっているのが現実です。
結果は同じですが、もし学習する余裕があるのであれば、基本ルールを知ってから、どんどん応用して行くと、サウンドの連鎖の奇抜さ、マニアックさのバランスが取れることでしょう。
どうしても話題になってしまったら、USTはメジャートライアドかマイナートライアドだけ!という理解で良いと思います。
まあ、音楽教室なので、使わないかもしれないけどしっかりまとめておかないと教えることができないので‥。宜しくお願い致します!
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