音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

(不定調性論2019)下方倍音列の実用性とは?~数理親和音モデルの拡大(part2)★★★★★

前回記事です。

www.terrax.site

拙論では、この「倍音」を「数理の関係性」と捉えました。すると次の図が出ます。

<倍音マトリックス>

f:id:terraxart:20170901105646j:plain

これは基音の何倍か、何分の一倍か、ということをまとめた表です。

ここに下方倍音列と同じ種類の音が出現します。表の左上のcから下の列、1/1,1/2,1/3,1/4...が下方倍音列に該当する音列です。

これは数理に基づいて羅列された音の列です。このなかで実音で出現する!という自然倍音が重宝されたわけです(ラモーの頃の自然主義な人たちによって。自然回帰は当時の流行でした)。この下方倍音を虚数と捉えて考えることが知られていますが、この音列は、一つの音列だけでなく、マトリクス上に広がった数理の羅列の一列に過ぎません。分子が1だから特別視する、というだけで、もし宗教的に三位一体を重視するなら分子が3である序列も重要視しないといけないし、五芒星が大事だと思うなら5が分子の音も重要です。あとはただ人の意思、だけです。凄い恣意的にいろいろ理屈が出来ちゃうし、音はいかようにも関連付けられるので音楽理論はいつもそれっぽう姿を示してしまうんです。(そしてどれを使っても結局12音だから同じ・・。)これを拙論では、「和音の多解釈性」と呼びました(教材)。

 

長三和音以外には短三和音しかない、という音楽の時代であればシビアな問題だったかもしれませんが、現代では不協和音さえ美意識が見つけられる時代です。

音楽家が真っ先に見つけるべきは科学的真実より、あなたは何を考える何者なのか?ということだと思います。そのあなたの性質に沿ってあなたが生きるのが最もあなたにとって自然だと考えます。

不定調性論はこれらの関係性の親密さを教材で示し、「結果どのようにつなげるかは自分で考えないとあらゆることがOKになってしまう」と結論付けました。

 

本当に自由なのか、を自分で確信しないと「自分で全てやらないといけないんだ」と心底思えないはずです。どこかに真理があるのだが、それらは難しすぎて今のところわからないからおっかなびっくり偉い人が言った通りを守って自身と社会とのぎりぎりのラインで止めておこう、などと考えているとストレスがたまります。

誰も真理なんて知らないし、それが求められるのはずっと先です。

だから今自分が感じるモチベーションを優先できる方法論を持った方が良い、と思うのです。

 

頼るものがない、となれば、自分自身の判断決断が全てになります。

逆に自分のやるべきことを知れば、そこから本を読むことが初めて楽しくなります。

自分が中心になり、「ああ、こういう考え方もあるのか、自分なりに昇華したいものだ」と思えるから楽しいです。目に見えて自分の栄養になるからです。ぶれません。真理を探究するのとは真逆です。自分が真理なのだから、求めるべきはどこを辿るかというバリエーションです。

 

 

そして数理親和音モデルの先、の話をしましょう。

倍音マトリックスを拡大してみます。

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これを縦横網羅するとこのように拡張できます。

f:id:terraxart:20190112193157p:plain倍音マトリックスは右下の象限となります。

このように左右対象に全て拡大しますと、それぞれの役割が見えてきます。

f:id:terraxart:20190112200644p:plain

(不定調性論の数理親和音モデルは右下の象限からできています。)

 

となっています。ここで、出現音を見てください。

f:id:terraxart:20190112204010p:plain

という関係ですから、

基音に基づく上方倍音+基音を発する上方倍音

基音の下方倍音に基づく上方倍音+基音の上方倍音を発する下方倍音

これをもっとわかりやすく言い換えましょう。不定調性論はすべて8倍音までしか用いないことをご了承ください。

基音の上方倍音の下方倍音=基音の下方倍音の上方倍音

 

また

基音の上方倍音の上方倍音=基音の上方倍音+下方倍音+M7th

基音の下方倍音の下方倍音=基音の上方倍音+下方倍音+b9th

です。これが十二音連関表に繋がります。

f:id:terraxart:20190112205937p:plain

三つの領域は互いにループしています。

基音の上方倍音の下方倍音=基音の下方倍音の上方倍音

とは連関表の、c,d#,f#,aの列です。上の下と下の上は同じ場所を表わしています。

また、

基音の上方倍音の上方倍音=基音の上方倍音+下方倍音+M7th

とは、

f:id:terraxart:20190112210510p:plainであり、

 

基音の下方倍音の下方倍音=基音の上方倍音+下方倍音+b9th

とは、

f:id:terraxart:20190112210605p:plain

となります。12音しかありませんから当たり前です。

 

つまり基音の上方倍音の上方倍音は基音の下方倍音になってしまい、

基音の下方倍音の下方倍音は基音の上方倍音になってしまうわけです(平均律に振り分けて考えると、です)。このような展開性から、上下の倍音を厳密に分けて使用する範囲は極端に狭く、純粋な二元論を作ることはできないわけです(それを分けるためには微分音を使うしかありません。それを聞き分けて攻めに攻めているのがジェイコブ・コリアー氏の音楽表現でしょう)。彼の音楽なら、上方と下方のどちらかに近い音を割り出せますから二元論的な分析が可能になります。

 

12人のクラスで、4人ずつ3チームに分かれ、四つの異なるメンバーの四人グループを作ろうと思えば、絶対にそれぞれのチームメンバーが混ざらないと作れません。これを音にすれば、当然、三つだけの和音で音楽を作ることはできませんから、微分音を使わない限り、完全に二元論的に音楽を構成することはできなくなります。たとえば

上方のc=256hz、下方のc=270hz

などと分ければ、もちろんできます。微分音が二元論を可能にする、ということを述べたのはこういうことです。

平均律12音のピッチクラスで音楽を作っている限りは、純粋に二元論で区分けして和音進行を作ることが出来ない、ということが分かります。

 

混ざることは避けられない、とするならば、

「平均律で限りなく下方倍音的集合を音楽に用いた」といえるのは短三和音とハーフディミニッシュ(m7(b5))だけ、となります。

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機能和声音楽は、

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この長三和音の部分だけを使って音楽体系を作ってしまいました。この長三和音の構成音を変えていくだけで、全ての和音が出来てしまいます。

 

その伝統を一旦バラして、人類が最初から、このマトリックスのような倍音構造を理解していて、そこから音楽表現文化を新たに作り直そうとしたら、どんな親和性が見えるのかを考えてみてください・・・。

 

面倒ですよね・・。それをやっても生活できませんし。

ニーズがないことをする奴は愚か、と言われるだけです。

 

不定調性論はこのうち右下の象限を全部用いて音楽を作ります。

それ以上は私には理解できないし、実際現状では特に必要を感じません。微分音も用いないからです。

ここから先はより優れたこれからの方に委ねたいと思います。

 

これによって下方倍音列を含むあらゆる数理をすべて用いて、ネガティブハーモニーのような代替する事で二次的に音楽を作るのではなく、数理を用いた直接下方倍音の存在を活かした音楽構造の基礎をつくってみよう、と考えてみるわけです。

 

でも先に答えを言っておくと、最終的には近代和声や、ジャズ・フュージョンが既に作り上げた和音世界が現れ、不可避的に不定調性論的思考が誕生するのがご理解いただけると思います。

そこで完全な自由が手に入るわけですから、大切なのは、やはりあなた自身の意思と願望を持つ必要がある、というところに行き着きます。

 

僕はこの音を用いたくないが、理論が要求するから仕方がなく用いている

 

なんていう人がいたらどう思います?

科学はそうはいきません。物を手放せば落ちます。

でも音楽はある意味でどんなことでも創造できます。多解釈が可能だからこそ、下方倍音は上方音として解釈される機能和声論が出来上がり、あなたはあなただけの方法論をつくることができるんです。

 

次回最終回、2019のスタートラインです。

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==コーヒーブレイク〜M-Bankのロビーの話題から== 

(音は出ませんが)ちょっと音楽やってる人っぽいジョークグッズ!ちゃんと計算できるよ!

  

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