音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

(不定調性論2019)下方倍音列の実用性とは?~数理親和音モデルの拡大(part1)

2019もスタートしました。昨年取り入れた様々な話題をベースに、「矛盾」をキーワードに、自身の音楽の底の底の方法論の地固めを今年もしてスタートしてまいりたいと思います。

4月には19年度版の教材も整うと思います。

 

ネガティブハーモニーの発想が二元論的世界を可能にする

和声二元論が成り立たない、と下記記事で述べてから、

第9回 「和声二元論が成り立たない理由」音楽のクオリア~不定調性論の挑戦~ - 音楽理論って楽しい - 日本初の音楽理論Webマガジン「サークル」

ネガティブハーモニー的な音世界は二元論的といえるのではないか、と考えるようになりました。その後、下方倍音の世界を実用的に用いる、という意味について丁寧に書かなければならなかったのを書いていませんでした。

 

現実には「これは下方倍音だ!」って思わなくても音楽活動が済んでいるので、実用も何も「必要ない」というのは周知のとおりです。

ヒトの学名は「ホモ・サピエンス・サピエンス」ですが、「あの人はね、変わってるんだよ」って言ったとき、誰も「"あのホモ・サピエンス・サピエンスはね"だろ!正しく言えよ!」とは誰も突っ込みませんwww。そんなところが正しくなくても「意味が十分伝わる」からです。正確な描写が、常に適切とは限らない、ということを人は知っています。

 

ではどの辺が下方倍音なのでしょう。

まず押さえておくべきは、下方倍音列、という音列が単体で存在するわけではなく、数理集合の1つとして想定することができる存在である、とすることです。

たとえば、

基音cにおける下方倍音第8倍音までを列挙すると、

c,c,f,c,a♭,f,d,c

ですが、ここからDm7(b5)の集合音を作ることができます。

 

すると、

Dm7(b5)  G7  C

というようなケーデンスにおけるDm7(b5)は、それがcの下方倍音だから、ここで用いてCに解決できるのだ、とこじつけることができます。しかし誰もDm7(b5)を「cの下方倍音だ」とは言いません。通例はDm7(b5)は同主短調CmのIIm7(b5)の借用である、と考えます。そう教えられてきたからです。でも事実はどちらの主張も正しいんです。

下方倍音という名前がそもそも誤解を招くのかもしれません。

「基音の振動数値に自然数の逆数を掛けた振動数を持つ音の順列」です。上方倍音は、

「基音の振動数値に自然数倍を掛けた振動数を持つ音の順列」

「倍数音」なんですね。概念の音。

 

また、同様にDm7(b5)はFmを含んでいます。

当然、

C  F  Fm  C

は基音fから生じるFの和音から、基音がcになるFmに移って行くからスムーズにC△に解決する、と解釈もできます。

しかしこのFmも「cの下方倍音だ」とは誰も言いません。

そのように考える習慣がないからです。

=====

 この段階で、「サブドミナントマイナー終止こそ下方倍音の実用だ」と言ってしまえばこれでこの話は終りなのですが、「そーかなー???」と感じるのが、機能和声を刷り込まれた脳、というものです。

 

また、c,c,f,c,a♭,f,d,cここからFmを引っ張ってきても、基音がcだけどFmでいいの??Csus4#5じゃないの?

という有名な問題があります。

なんとか基音cからCmを作ろうと躍起になった過去もあります。このあたりはプロ研究者の成果結果を待ちたいところです。

 

ここでは不定調性論的に述べます。和音の生成は自然発生で作られるものではなく、

和音は数理の組み合わせで任意に人が作るもの、

とします。

すると、基音cのとき、上方列に出てくるc,e,g、下方列に出てくるc,a♭,fがあるとします。

これをいきなりC△、Fmとしてしまうから話がおかしくなります。これらの表記と概念を認めた時点で、機能和声論の無意識な混入を認めてしまっています。

そこでそこに辿り着く前の段階を設けます。

c,e,g=Cu5(ユーファイブ)

c,a♭,f=Cl5(エルファイブ)

と一度呼べばいいんです。u=upper、l=lowerです。

こういう全くどの音楽理論にも属さない独立した概念を一度作れば、あとはお好きな理論の方向に持っていけばいいんです。

二元論的には、Cu5はCl5に代替できる、とする考え方であろうかと思います。

これについて、昨今ネガティブハーモニーがポピュラーになったので、まさにこれが該当する、と感じました。この記事ではそこを述べて次に行きましょう。

ネガハモはC△をCmに入れ替えるシステムですが、倍音列の仕組みではC△をFmに入れ替える仕組みである、といえます。

 

 

それまではC△をCmにしたら、全く違う曲になっちゃうから、代理できない、という発想でした。でも「違う曲にしちゃう」のがネガティブハーモニーが教えてくれたことです。

これをみたとき、あ、二元論的になった‥。なんて思ったものです。使用音は上下を行き来するので厳密にはやはり二元は分離できず混合されてしまいますが、全く形が変わってもいいなら、それが二元論的な世界、ということができます。

まだまだ知らない概念というのはあるものだなぁ、と思いました。

では「超ネガティブハーモニー代理表」というのを作ってみましょう。

 

上下の倍音を代理素材にする、という発想です。

ネガティブハーモニーは上下の代替が可能でした。それを16倍音までで踏襲すると、

f:id:terraxart:20190112134433p:plain

 こうなり、これをまとめると、

f:id:terraxart:20190112173920p:plain

こういう対応表ができます。d#とaだけがないので、その対応を別途作ります。

ネガティブハーモニーがありなら、この倍音列対応もありでしょう。

特徴はc,f#はおんなじ、d#とaの扱いに個別流派が出来そう。

 

これをクロマチックにすると、ミラーハーモニーになります。

f:id:terraxart:20190112174513p:plain

このように、元の音楽を全く変えてしまっていい、というのであれば、様々な対応が出来る、という事については以前のネガティブハーモニーの所でも書きました。

www.terrax.site

 

しかし、これは「下方倍音列を実用化した」とはいいがたい考え方といえます。

「交換」「写像」によって求める音楽で用いるのではなく、下方倍音列をそのまんま通例の音楽に使えないのか?

と考えるのが「実用化」でしょう。

 

それゆえにFmやDm7(b5)は下方倍音ではないか?

というわけです。でもそれは認めがたい・・・というほど機能和声論の中に「借用和音」の概念で下方倍音の構成音がなじんでいる、ということが言えます。

 

次に倍音列関係全体を見ながら、こうした借用和音の拡大された姿を眺めることで、借用和音と下方倍音集合との関係について考えてみましょう。

www.terrax.site

 

==コーヒーブレイク〜M-Bankのロビーの話題から== 

ガサガサ探す習慣が減ってなぜか頭の中も整理されるようになった!

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