当ブログでの音楽理論関連基礎記事の目次(基礎)〜年代別独学のススメ - 音楽教室運営奮闘記
前回はこちら。
第2回 ちょっとだけリズムを付けてみよう1
今回は楽譜が読めなくても、楽器をやったことがある人なら簡単に出来るリズムを付けてみます。
譜例1
四分の四拍子では一小節に四分音符は四つ!!
譜例2
二分音符は、四分音符二つ分の長さ!
譜例3
全音符は、四分音符四つ分の長さ、二分音符二つ分の長さ!
これは一小節の空間で音符の長さを表したものです。登場するのは全音符(ぜんおんぷ)、二分音符(にぶおんぷ)です。この長さの関係を覚えて、さっそく譜面を読んでみましょう。使用する音の種類は第1回の音符だけです。
先ほどと同じように読んでみてください。ゆっくりでも良いので「イッチ! ニ! サン! シ!」というリズミカルさを忘れず。
楽器でいきなりは無理!という場合は口に出していってみてください。口で音名を言ってみても良いでしょう。このとき手や足で「1,2,3,4」というリズムを刻みながら言う練習をしましょう。体で基本的な拍のリズムをとり続けられないと、より複雑なリズムになったとき、音楽がめちゃくちゃ難しく感じられますので、今のうちに体で基本リズム、口や楽器で音符のリズム!という二つのリズム取りがリズムキープや正確さを生んでくれます。初めの頃は半年くらい練習したかも笑。
なお、ここでもメロディーは覚えにくいようにわざとランダムにしてあります。
練習問題1
いかがでしょう。次に二つだけ音を覚えます。
同じようにじっくり覚えてください。次の練習問題に混ぜてみましょう。
練習問題2
大切なのはリズムに乗ることです。ですから読めないうちはひたすらテンポをゆっくりにして何度でもトライしましょう。正確に読めるスピードがあなたの実力です。
では今回最後の譜面です。
練習問題3
<アーティキュレーション(音の律動)について>
音楽は楽譜に書いてある情報が全てではありません。楽譜に書いてあるのはあくまで基本情報です。実際演奏する際は、それはそれは千にも万にもバリエーションが生まれます。
ここでは音符に書いていない情報を自分なりに一時的に解釈する、ということについて考えておきましょう。次の旋律を弾いてみてください。ここまで初見をやって来た方なら簡単ですね。
これはレからはじまる音階です。
最後の二分音符の上にあるマークは「フェルマータ」というもので、「その音を適度に伸ばす」「その部分のテンポを絞るように緩めて・・」「印象的な締めくくりを予感させて・・・」という感じでリズムをタメてください。ここでは最後の音符に付いているので、この最後のレの音を、ゆっくり弾くような感じで余韻を持たせましょう。
さて、他の部分には何の指示もありませんが、皆さんならどんな風に弾きますか?
この旋律には何の指示もないので、機械的に音符を追うのがまず最初のステップです。
しかしそれではあまり面白くありません。ですので次のように弾いてみましょう。
上のように、ちょっと強く弾く音符と、ちょっと弱く弾く音符を傍線で示し、音楽記号も付記しました。mfの記号は「メゾフォルテ」と読んでください。「やや強く」です。同じくmpは「メゾピアノ」で「やや弱く」です。音楽の表現記号です。これで演奏の感じもだいぶ違ってくるでしょう。
ではこの音階に次に歌詞を乗せてみましょう。音は8音なので8語の文章を挙げます。
例1 「おなかがすいたよー」
例2 「恋する乙女よー」
まあ、何でも良いのですが、こうなったとき、表現記号がないとしたら、あなたがこの歌詞の感じで、このメロディーを弾くとしたらどんな風に弾きますか?
例1だと、おなかがすいて、すこし退屈そうな感じで弾きますか?すべてmpで力ないように弾きますか?また例2だと、少しロマンチックに最初強く、少しずつゆっくりと余韻を残すように弾きますか?それともちょっと音を切り気味にやさしく弾きますか?
演奏する、という面白さやイメージ、表現の豊かさ、というのはこういったことが自由に出来る点にあります。楽譜に指示がなくても周辺状況から、こうしたことを判断して請け負ってあげるのが音楽家の魅力でもあります。
その音楽が良く成るか悪く成るかは、作家だけでなく、演奏するあなたの責任でもあります。
第三回はこちら。