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よくあるハーモナイズの一つのアイディアです。DTM的な発想を展開していきます。
イメージが湧いて使える人は使ってみてください。
これを一音一音スポットハーモナイズするとしましょう。
ただし機能とか調とかは関係ありません。
不定調性論には、「反応領域」という考え方がありまが、その手前で、上下の関連倍音を考える状況があります。
例えば
基音cなら、上方五倍音はeであり、下方五倍音はa♭です。これを倍音の位置に合わせて上下においてみます。
同じことをdとeにも施します。
これを強いて和音表記すると、
Abaug Bbaug |Caug |
になります。ただし、ここではメロディである、c,d,e以外はあくまで脇役です。
ゆえに音楽的には、
こういうイメージです。ほぼ「構成音」としては存在しません。又はその存在感をあなたのDAWでコントロールし、さらに聴き手はクオリアでコントロールしてください。
シンセサイザーと同じです。一つの音に豊富な倍音(又は加工音)が含まれているような場合、シンプルな一音でも世界感が広がります。
和音の構成音として存在するのではなく、「音質」の要素として存在しているわけです。で、これを実際のピアノ音でやってみるわけです。
このメロディを"ちょうちょ"として、つくっていきます。
音源はこちら。単音のメロディとして聞いてみてください。
メロディ以外のヴェロシティを極端に下げます。これで構成音ではなく「質感」にします。
もっと小さくてもいいです。演奏で再現できるならやってみてください。
小さく鳴らすことで不協和より「雰囲気」が際立ちます。ラジオから漏れてくるような音、おもちゃのピアノのような質感になっていると思いません?これは和音です。和音を音色概念にしたものです。そもそも和音も音色も同じ音現象ですから、捉える人がそう捉えるかどうか、だけです。
なかなかそのようには考えないでしょうから、ここでは無理くりそちらの方に頭を切り替えてみてください。
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と、これだけで一つの表現方法の探求に入れそうですが、ここではさらに別の方向に行ってみましょう。
ネガティブハーモニーは自動的代理でした。
不定調性論は意図的代理なので、こういった最初の”原曲”が決まったら、あとは自在に展開できます(最終的にこんなのなくてもできれば同じです)。
ここから「反応領域」を使うわけです。
つまり「あなたの聴覚と感性」を用いて"編曲"していくわけです。
この辺が拙論が"禁書"である所以・・。ってそんな偉くないけど。
でも普通は「ちょうちょ」をなんか変な感じにあれんじして_??と言われたら別にこんな回りくどいことしなくてもできると思います。これは「変ないたずらをするための正しい性癖拡張の手順」とするわけです。少しずつ拡張していって、感じるところを増やしていきます。何処をどう触れば、どう感じる、というのが分かってくれば、この手順をすっ飛ばせます。しかし何もわからぬままぐちゃぐちゃアレンジしても「やっぱ音楽理論やらなきゃだめだ」となるだけです。
しかし一つこうしたモデルによるフック=マザーメロディを置くことで、インスピレーションがそこから意味の連鎖とともに倍増していくことをネガティブハーモニーも教えてくれていますね。
シンセサイザーもそうです。
自分がイメージしていなかった音が現れることで、インスパイアされる新しい次元がある・・です。こうやって自分の音楽性掘り下げることができます。
さらにこれまでは
「設計図があるのに、そこから"勝手に自分の意思でアレンジ"しちゃダメだろ―よ」
というのが一般の音楽理論のある世界でした。
それを変えるのが不定調性論的思想です。
クオリアを十分に鍛え、その音関係を意味のあるものに自分の信念(印象感・模様感)に基づいて、コンセプチャルに変えることができるなら、それは「勝手に変えているのではなく」、意図的なアレンジであり、「自動的代理」と違い、作曲者本人の意図が自在に反映された、作者オリジナルの作品である・・・
となるわけです。ここが誤解を受けやすいところですが、勉強と研究と数をこなした先にそれが初めてできると思います。そして声rが最初からできているのに、三年間理論学んでどうにも嫌になる人もいる、ということもご理解ください。
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元になったメロディを聞きながら、自在に音を変化させていきます。
始めは関連倍音を用いたりしても良いのですが、それは単なる倍音列主義です。もう研究されつくしています。ですからそこから「反応領域」の考え方に移行し、12音連関表を用います(勝手に作るって意味笑)。
頼りはあなたの感性のみ。音の変化の根拠は不定調性論が12音連関表を用いて説明できるので、あなたは自分の感情が示す方向にアレンジをするだけでOKです。
こんなことをいうから禁書決定になるんだな・・。
"原曲"から自分のインスピレーションを活かして展開していくんです。意味を感じながら。理論は助けてくれません。あなたがそれがいいのか悪いのかを最終的な判断するんです。それは20億の投資をするかしないか、決める社長のような決断です。
その音にするか否か、って結構大事!!
私はどうしても変態なので、
"荒涼とした青空間で飛んでる黄金色のちょうちょ"
しか思い浮かびませんのでそれを即興的に10分で作ってみましょう。
一応メロディは「基音の同一エリア音」だけを用いています。つまり中心軸システムのそれです。短三度移動。
原曲を低音部に残しました。そしてリズムの位置を変えて、ドラムパターンを乗せて、荒廃と冷たさを。かつ飽きないようなオカズ・・前半はキリッと、後半は疲れたように・・これはちょうちょのヒラヒラなんじゃないかな、と思います。
音はこちら。
低音部を上手に聞いてくれれば"ちょうちょ"が聞こえます。人間が弾けない、DTMならではの音です。