音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

"Giant Steps"の機能和声アナライズ

www.terrax.site

Giant Stepsの機能和声分析

   

===

Giant Steps
B D7 | G B♭7 | E♭ | Am7 D7 |
G B♭7 | E♭ G♭7 |B | Fm7 B♭7 |
E♭ | Am7 D7 | G | C♯m7 F♯7 |
B |Fm7 B♭7 |E♭ |C♯m7 F♯7 |

 

USTをまとめます。

D7(b9,13) | G    B♭7 | E♭ | Am7 D7 |
B♭7(b9,13) | E♭   G♭7 |B | Fm7 B♭7 |
E♭ | Am7 D7 | G | C♯m7 F♯7 |
B |Fm7 B♭7 |E♭ |C♯m7 F♯7 |

これで機能和声的な分類はできちゃいますね。

 

D7+B=D7(b9,13)です。

コルトレーンは普段からUSTを分解してシーツオブサウンドを作ってます。

 

さらにこの曲はII-Vがあるのでキー別に分けてしまいましょう。

 

f:id:terraxart:20181011193530p:plain

D7(b9,13)はミクソリディアンb2というハーモニックメジャースケールのモードで弾くことができます。

d,e♭,f#,g,a,b,c,d

というスケールです。

Bb7(b9,13)も同様です。

b♭,c♭,d,e♭,f,g,a♭,b♭

です。あとは普通のドミナントモーションです。

 (注;G+Bb7も同様なことができます。どこまでやるかはあなた次第)

 

<コラム>II-Vについて 

C  | F#       |

という二つのコードを機能和声的につなげようと思ったら、

C   Dm7 G7| F#  |

とればG7→F#が裏コード(サブスティテュートコード)としてつながります。

Giant Stepsでは新たな調と調をII-Vで接続する、というジャズの暗黙の手法を用いてコーラスの後半はII-Vでひたすら接続しています。

II-Vという慣用句を蝶番に使うことにより、現代絵画的転調が自在にできるわけです。

====

E♭-Am7もUST分解進行解釈してみます。

Eb+Am7=A7(b9,#9,#11)です。また、
Eb+C#m7=Eb7(b9,b13)ですから、すると全体は

B7(b9,#9) | B♭7(b9,13) |A7(b9,#9,#11) | A7(b9,#9,#11) D7 |
G7(b9,#9) |G♭7(b9,13) |F7(b9,#9,#11) | F7(b9,#9,#11) B♭7 |
A7(b9,#9,#11) |A7(b9,#9,#11) D7 | C#7(b9,#9,#11) | C#7(b9,#9,#11) F♯7 |
F7(b9,#9,#11) |F7(b9,#9,#11) B♭7 |Eb7(b9,b13) |Eb7(b9,b13) F♯7 |
となり、簡略表記すると、

B7 | B♭7 |A7 | A7 D7 |
G7 |G♭7 |F7 | F7 B♭7 |
A7 |A7 D7 | C#7 | C#7 F♯7 |
F7 |F7 B♭7 |Eb7 |Eb7 F♯7 |

です。全体的に裏コードに任意に置き換えられます。

 

<バリエーション1>
B7 | B♭7 |A7 | A7 Ab7 |
G7 |G♭7 |F7 | F7 E7 |
Eb7 |Eb7 D7 | C#7 | C#7 C7 |
B7 |B7 B♭7 |Eb7 |Eb7 B7 |

不格好ですが、この曲は半音で7th下降、という形を無理矢理構成することができます。
これはジャズ理論を最大限に駆使した「過解釈なアナライズ」となると思います。

ジャズ理論の自在性はこういうところにあり、またこの自在性が難解さにもなる訳です。

こうした流れは、理論解釈では可能ですが、感情論として
「これを演奏してもGiant Stepsを演奏したことにはならないのではないか?」
という想いがするでしょう。

 

 

ジャイアント・ステップス<SHM-CD>