音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

(基礎)音の振動現象~12音平均律へ・和音の発生★★★

音高は振動現象の程度による・・・

音の振動現象は振動数という数値によってその程度が表され、Hz(ヘルツ=電磁波の発見者の名前)という単位を用います。西洋音楽(平均律音楽=私たちが一般に学校で学ぶ音楽)では、その振動数の数値の範囲によって割り当てられる音名が決められています。
空気の振動といっても難しいですが、1秒間に440回空気が振動する現象が「ラ」の音、ということが約束となっていますので、それを理解できればまずは十分です。440Hz=A音、261Hz=C音などなど。下表「12音平均律の~」参照にして振動数と音名がある程度諳んじられるよう学習を深めましょう。

 

私達の音楽は12音平均律で出来ている・・・

当然のことながら最初は音現象に名前や音高の範囲などありませんでした。これらを12音で数学的に分割し汎用的に用いているのが現在の調律である「12音平均律」です。ヨーロッパでバッハの時代には確立されていました(一般普及は19世紀になってから)。ある音とその1オクターブ上の音の振動数比を1:2として比率で計算しています。

12音平均律が生み出される前にはどんな音楽であったか、というと、紀元前6世紀にはギリシャでピタゴラス音律という調律が作られ、中国では三分損益法という音律が作られ、人類は美しい調律と、音楽の美の構造に迫ろうとしていました。これらの音階にも長所が有りましたが、結果的に現代の先進国では汎用性と、機能性を重視した12音平均律が用いられています。この使用により、音響学上の完全な協和は得られなくなりましたが、あらゆる調であらゆる楽器で平均的な協和と不協和を得られるようになり、同一の音楽情報を自由にやり取りすることもできるようになりました。

 

 

和音の成り立ちは自然倍音に由来していると考える・・・

人間が和音を作った過程は様々だと思いますが、それを根拠付けるとされている自然現象が自然倍音現象です。勿論本来は自然倍音減少などが和音の発生と関わっていると考えるよりも、楽器で和音を出した結果の文化的確立、または合唱などで弾き起こるハーモニーの発見から発展した、と考えるのが自然でしょう。ここでの「成り立ち」というのは、音楽理論という現代の学問で根拠としている理屈、という考え方で別途とらえておくと良いでしょう。

ピアノの鍵盤を鳴らすと、特定の鍵盤の音がやたらとその空間で響いたりしますが、これはその部屋の中で同じ振動数を持つ壁や床、天井やその部屋に設置されている物体が共鳴してしまうためです(物体はそれぞれ共鳴する振動数を潜在的に有しています)。同じ振動数体を持つものは同じ空気の振動に触れ、同じように共鳴し、振動します。この共鳴する振動数どうしの数値の比を調べると、単純な整数比となることが多く、元の音の振動数を1とした場合1:2(1オクターブ上)、1:4(2オクターヴ上)、2:3(完全五度上)、3:5(長三度上)等の音を数列的に列挙したものを自然倍音列といい、共鳴する音として利用され、これらの音を同時に鳴らした場合「協和する」という感覚が経験的に認知でき、これが慣習化し、音楽理論の発展と共に様々な和音が出来上がることとなります。

 

弦楽器の振動と倍音発生のメカニズム

楽器の弦はその弦の長さで発する音高が決まっています。一本の弦が振動すると、その弦の振動が弦の上を走り、結果的にその弦の半分(1/2)の位置、1/3の位置、1/4の位置等で振動の節ができ、その弦の長さに応じた整数倍の倍音が発生します。
「弦の長さが短くなれば音は高くなる」という法則を楽器等で確かめてみてください。ハープやピアノの弦ははじめからその長さに切られていますが、バイオリンやギターなどは自分で押さえて弦の長さを調節します。
自然倍音発生のイメージ/弦の振動と長さ

 

自然倍音列(基音~第16倍音まで)基音=C

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

15

16

C

C

G

C

E

G

A#

C

D

E

F#

G

G#

A#

B

C

なおこれらの音名割り当てはあくまで近似値です。自然倍音は単純にその整数倍の振動数音名を割り当てたもので、この数値は平均律と若干の差異を示します。これらの自然倍音の振動数に基づく音律も存在します(=純正律=自然倍音に基づく振動数)。12音平均律という音律は、倍音がもたらしてしまう振動数的な差異(純正律は半音が二種類出来てしまう)をあらゆる音程で均等になるように不協和度のバランスを取った音律(どの調、どの半音も同じ比に統一した)、ということがいえます。 

 

12音平均律のC4~B4までの振動数表(単位Hz)

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基音C1としたときの第16倍音までの自然倍音の振動数表(単位Hz)

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倍音列の発生表はこちら。

www.terrax.site

 

 

和声の成り立ちモデル

基音Cのときの自然倍音第4,5,6倍音をみてください。ここにCメジャーコードの構成音が出現しています。この数理性が長三和音の協和性を裏付けているとしています。基音をIとしたとき、必ずIメジャートライアド(I△、長三和音)が現れる性質に基づくと、Cにとっての完全音程GとFに対してG△、F△を作ることができ、この三つのメジャートライアドの構成音を全て書き出すとドレミファソラシド(c-d-e-f-g-a-b)になります。ここから様々な短三和音や四和音などを組み合わせて作ることで機能和声的世界が展開していきます。メジャースケールの成り立ち

 

和音の作り方・・・

今見たように、自然倍音から作られた和音はメジャーコードです。これらの和音の構成音を順に並べたときにできるのがCメジャースケール(ハ長調の音階)です。この音階を見てみると、音階音を一つ飛ばしでC音に音を重ねていくと倍音列から作った和音が出来上がります(下図は四和音の作成図)。この和声の発生ルールを参考に7音全てに重ねた和音群が「ダイアトニックコード」といわれるポピュラーミュージックの基礎和音です。

ダイアトニックスケール ダイアトニックコード解説

 

完全音程ってなぜ完全??

自然倍音列を見たとき、第1倍音のCに対して第2倍音のCは1オクターブ高い音程を持っています。これが完全8度です。次に現れる第3倍音はG音であり、このG音は第2倍音のCより完全五度離れています。さらに第4倍音もCで、第3倍音のGより完全四度高い音程にあります。この三つの音程(完全八度、完全五度、完全四度)は最もよく響き、協和する音程とされてきたので「完全に響く音程」として完全度数で呼ばれています。恣意的な名称ですので、覚えてしまえばよい、と思ってください。