音楽教室運営奮闘記

不定調性論からの展開紀行~音楽と教育と経営と健康と

<基礎>雑音から音楽へ(音楽以前の話)

2018.10.5→2020.2.14更新

参考

www.terrax.site

音は振動現象・・・

私達が耳で聴くことのできる音は全て、空気が振動している現象です。

雑音でも騒音でも、話し声も、もちろん楽器の音も空気の振動現象です。人間の耳の構造は周囲の音を一箇所に集め、鼓膜に届かせ、鼓膜を共振させて、振動現象が電気信号に変化し脳が常に音情報として処理しています。

音楽を聴いているときだけでなく、全ての人生において脳はずっと『生命の音』を聞き続け、処理し続けています。もし生きていることが歓びなら、聞こえる音は音"楽"そのものだと思います。それが幸福だからこそ、さらにそれらの音を論理的に組み合わせる「音楽」はより素晴らしい体験になるんですね。

私達の耳も大切な楽器、大切にしたいです!

 

低周波音

人が聴くことのできる低音の下限は20Hzぐらいまでと言われています。

88鍵のピアノの最低音は27.5Hzとされています(通常の調律440Hz=A音のとき)。それより低い周波数(振動数)の音は、音として認識されにくく、ぶーーーんという音圧として体感されます(窓がゆれる、低い風の音がする、空気がうなる等)。

1Hz~100Hzまでが一般に低周波音とされ、20Hz以下の「聞こえない低周波音」は超低周波音とされ、人間に不快感や、違和感を感じさせます。工場の機械音や、電車、高速道路、トンネルやダムといった施設音など様々存在しますが、人間が不快と感じる理由の一つは、自然現象である、雷、火山、地震、風、波といった「人間の身体に脅威となりうる可能性を持つ、代々遺伝子に『気をつけろ!』と刻み込まれた自然現象」が元祖低周波音を持っていることに由来するという考え方もあります。もちろん低周波音を病気の治療に用いるテクノロジーもあります。

長三和音は明るく、短三和音は暗く、と言いますが、感情には明るいも暗いもあまり関係はないと思います。和音の中の構成音が作り出す音と音との振動数の差が生み出す様々な低周波音が、もっといろいろな効果を人の感情の中に創り出してあのような感情を感じるのかもしれませんね。

あなたの第六感も低周波による危険予知かもしれません。

 

 

高周波音(超音波)

高周波音は人間の聴く事ができる音域(20Hz~2万Hz)よりも高い音の振動現象とされています。

高周波音も「音として知覚できない音」です。この音は生物の危機回避能力に見出すことができます。百科辞典を開くと犬は8万Hzの音を聴き、コウモリは10万Hzまで、イルカは17万Hzまで聴く事ができるとされています。コウモリは真っ暗闇を超音波の反響で物体を知覚して飛び、超音波の跳ね返りで暗闇でも動く餌を見つけるといいます。

またこのコウモリの超音波を感じ取って、コウモリの飛んでくる方角を察知し隠れる生き物もいる、といいますから、自然の仕組みに驚かされます。

超音波は小さい物体の位置や、水中、金属中といった媒体の内部構造などを調べるのに用いることができることから、水中探査や、非破壊検査、また最近では超音波が作る気泡を利用した超音波洗浄などもあります。

コウモリやイルカの能力を察するに音波により解析できるデータがずいぶんとあるようです。今後も発展が期待される分野ですね。

音楽家が扱わない音を扱う科学者の皆さんを私達は「超音楽家」と呼ぶべきでしょうか。

 

音波と電波??  

どちらも波の性質を持っていますが、音波は空気や、金属、水中といった「振動を伝える物質」が必要なのに対して、電波は真空中でも電気力線と磁力線を作り、自ら無限のハシゴを掛けて秒速30万kmで突き進みます。有名な「フレミングの法則」で電気の縄梯子を作ります。

電波は電磁波の一種で、電磁波とは光などの可視光線(太陽の光など)や赤外線(波長の長い光)、紫外線(波長の短い光)など、あらゆる波で伝播するエネルギーの総称です。周波数で言えば、可視光線は約400THz~800THz前後といいます。THzは「テラヘルツ」で1Hzの10兆倍です。・・・イメージわきません。

電磁波の進む速度は全て光速(秒速30万km)です。

これに対して音波は「音速」で進みます。1気圧気温20℃のとき毎秒343.5mです。これを越えると「マッハ=超音速」となります。しかしどんな超音波でも真空中は伝わりません。必ず振動を伝える媒質が必要です。

 

音楽はなぜ人に影響を及ぼすの?

私達の体の中には宇宙が誕生したときから存在する電磁波が流れています。

そして 私達の体も脳からの電気信号で動いています。私達の肉体は電磁波や音波などの「波によるエネルギー伝播」に共鳴する媒質ということもできます。

音楽的に解釈すれば、私達は自然という存在に対しての「振動体」=楽器といえるかもしれません。電気や磁気というエネルギーや自然の音や振動現象に対し、恐怖や安心などの情報を得るわけですから、人の意思を持った空気の振動現象である「音楽の振動現象」にも、様々な感情を感じる、ということは全く自然なことかもしれません。

会話という手段でもコミュニケーションをすることは出来ます。しかしメロディに言葉を乗せると不思議なことが起こります。言語を超える感覚感の享受です。

音楽家が言葉の乗っていない楽器の音に人間の感情を越えた意思を添えられるのも不思議ではありません。「音楽的な表現」というのは、考え方によっては自然界の原初からのエネルギー伝播方法に則った、もっとも自然な生物間のコミュニケーション手段なのかもれません。