音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

不定調性論レッスンに必要なもの〜自己はどこにいるのか★★★

手前味噌の記事で恐れ入りますが、これまで書いていない内容ですので書かせていただきます。不定調性論そのものは、このブログのその後の記事をなんとなく読んで頂ければ次のようなことがわかると思います。 

 

・特にあえて勉強をする必要のない、自ら生まれ持っている感覚に気がつく、ということを蘇らせ起動させる

 

ということですから、2-3年音楽を学校や独学(中級理論やノウハウを数冊読破程度)で学んだことがある人で、特にピアノやギターなどのコード楽器が弾ける人はだいたいその感覚的なことに気がつけると思います。

 

準備はそれでOKなんです。あとはブログの記事を読んでいただければ。

 

ただそれだけではいまいち広範囲過ぎてつかみどころがないですよね。そこでもう少し具体的な準備段階と指標、みたいなものを書かせていただきます。

独学でもできますのでプロ、アマに関わらず、もしご自身の音楽に行き詰っていたり、モヤモヤしているのであれば、一度下記の1−10までをこなしてみてください。

できないところがあれば、それをレッスンでやっていくことになります(下記をいつもそっくりそのまま使うわけではありません)。

 

下記を行うために他に何の用事もなく、自分の活動に集中できる日が一日あればベストです。

 

 本を聴くって質の高い時間ですよ。 

 

 

1,コードが20個弾ける。

数は別に3個以上だったら幾つでもいいのですが、「初心者のためのギターハンドブック」みたいなものでも数十個コード、コードフォームが載っており、マスターさせられると思います。細かい理屈は興味を持つまでは覚えようとしなくていいです。

我々は講師なので覚えていますが、だからと言って毎月ヒット曲が飛ばせないのは、これを覚えていてもヒット曲が作れるわけではない、ということを理解してください。

まず今のあなたが下記のコードが弾けるかどうか確認してください。

C  CM7  F  FM7  Ab  AbM7

G  G7  Bb   Bb7

Dm  Dm7 Dm7(b5) Bm7(b5) 

EbM7

Em Em7 

Am  Am7  

F#dim7(=Cdim7=Adim7=D#dim7)

これが弾ければ、不定調性論的なアプローチをするには十分です。

ただし、あと下記の20個も覚えてください。今すぐ1時間で覚えてください。コード進行に出てきたらすぐ弾けるように、です。

D  DM7  FM7  F#M7  A   AM7

D7   E7  A7  B7

Cm CmM7  Cm7 

F#m7(b5) Gm7 Gm7(b5) 

F#m  F#m7

Bm   Bm7

C#dim7(=Edim7=Gdim7=A#dim7)

 

2,次の文章を|CM7  |FM7  |進行上で自在に延々と歌い続けられる。

 

「次の文章を|CM7  |FM7  |進行上で自在に延々と歌い続けられる。」

はい。ちょっとさだまさし氏っぽい符割りになるかもしれませんが、この文章を、

CM7  |FM7  |

をずっと自由なテンポで弾きながら自在に繰り返して歌える、というのが次の条件です。お経みたいになってもいいです。メロディがコードと不協和でもいいです。

フォークソング的でも、デスメタル的でも、「私はこの歌詞を頭の中で今歌っている」、とか「今私がこの和音を弾いている時、世界のどこかでこの言葉に該当する音を順不同で今話している人がどこかにいる、それを聞け」

とかでもいいです。大真面目ですよ?

あなたがそう思ったのなら、それは表現であり、創造なんです。普通はこうは思いません。

フォークソング的に歌う、というのも、「頭の中で歌う」と主張するのもどちらも変態としてはどっこいどっこいです。マジョリティかそうでないか、の違いだけです。

とにかく、そう言われてあなたなりの表現作業がすぐにできるなら、それでこの2番目の課題はクリアです。

そう言われて、ぱっと歌えない、何を言っているかわからない、どうしたらいいかわからない、という人は、まず和音に自在にメロディを乗せる、という訓練を誰かから受ける必要があります。学習してそれができる人もいます。

当然作曲能力が皆無な人は、いくらやっても無理なので、進路相談では音楽以外の道も相談されることを覚悟しましょう。

 

3,次の文章を|C  |Ab  |G   |Bb |進行上で自在に延々と歌い続けられる。

 

「次の文章を|C  |Ab  |G   |Bb |進行上で自在に延々と歌い続けられる。」

はい、今度はこれです。ちょと進行が変ですよね。それでもそれを気にせず、自在にコード変化に合わせて、コードに合うように上記の文章を歌うことができれば、問題なく自分らしさというものを求めていけます。

もちろん、そんなこと関係なく、自分なりにインスピレーションを受けて叫ぶなり、呟くなり、コードの流れとは無関係に表現できて、それが「自分で良いと思える」なら、それも表現ですのでそれでも結構です。

 

4,自分の知ってるコードだけで、「雨の憂鬱」をテーマに8小節のコード進行を作れる。

テーマはなんでもいいのですが、「音楽の俳句」を作るような感じです。メロディをある程度想定できる人はもちろん同時に作ってしまってOKです。

例えば私が今即興的に作ったものをあげると、

CM7   |Am7(b5)  |Ab7(b5)  |F#M7  |CM7  |Eb7(b5)  |Dm7(b5) |G7sus4 |

とか。

rechord.cc

こちらで音が聞けます。

自分なりのアイディアや欲望でいいです。

C  |C  |C  |C  |C  |C  |C  |

でもいいですし、

休 |休 |休 |休 |休 |休 |休 |休 |

でもいいです。

相手のアクションに対して、どんなリアクションをしたい人間なのか、を把握していきましょう。

それが社会があなたにほど構想とするサービスに対してのあなたの反応のパターンになります。

これが反社会であるとき、音楽業界というところで生きていくためには工夫が必要です。

ただ学校の宿題みたいにこなさなくていいんです。これは大きなヒントであり、脱洗脳の方法になります。

 

5,コードネームがつかない和音を4つ作って、八小節の和音進行を作れる。

別に屁理屈で考えたらコードネームがつけられる、というものでも構いません。普段あまりしない方向に思考を使ってみて、自分がどう感じるか、何か可能性や意義などを感じるのかどうかを試していきます。下記は例です。

「危ない踏切」

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同じ和音なのですが、弾きあげる順番が違うのが変化記号から見て取れると思います。

同じ和音は常に同じではないんです。普段は概略でくくっているだけであり、それを「同じだ」という認識で用いているだけです。

 

6,あなたの好きな曲を一曲自由に弾き語ってみてください。

指示の通りです。自分が歌える範囲のもので、下手でもいいので伴奏を自分でつけて歌って見てください。即興的にアレンジをしてもいいです。楽譜を見つけてきて10分以内に弾き始めましょう。

なんてことはありません。あなたが思うように弾き語って充実した気分になればOKです。作曲、音楽、編曲、表現の根源的な満足を得ましょう。

 

7,選んだ曲を下記のリファレンスを自分なりに解釈し30分で編曲してみましょう。

・締め切りまで30分。

・納品手段は自分で演奏(30分以内に演奏し始めること)。

・今まで聞いたこともないその曲のバージョンが聴きたい

・編曲者の隠れた欲望を示してほしい。

・あなた自身が興奮する表現形態で表現してほしい。

直感的にアレンジしていくことになります。何も出てこなければ、そのまま演奏するしかありません。普段の慣習に従う必要はありません。

 

下記は好きな曲「小さい秋みつけた」のメロディを低い方から全て並べて、くりかえして弾いて最後に和音ぽく弾いて、「小さい秋みつけた」のエッセンスだけを抽出して心を鎮めよう、みたいな表現です。

f:id:terraxart:20180926102031p:plain

ただ、曲のエッセンスをただ音符に置き換えると全て均質化されてしまうので、演奏するとき、これはただのスケールではなく、「小さい秋みつけた」のメロディがそれぞれ影響を及ぼしあったスケールの状態を表現してようとしているのだ、だからこれはただのEマイナースケールではなく「小さい秋みつけたスケール」なのだ、と自分に言い聞かせたい、的な欲求です。

 

なんだそれ。

 

って話じゃないですか。

でも本当の欲望って、こういうなんか奇怪なものだったりするわけです。

でもこれって、ただEマイナースケールを弾いた時、普段もどこかで「この弾き慣れたマイナースケールのポジションはこの間弾いた"小さい秋みつけた"だよなぁ」とかって思ってるんです。でも今は関係ない仕事で弾いてるから自分の潜在的なことを無視しているだけです。仕事をしていくとそうやって「自分を無視してしまう」ので、評価されるぶん、虚しくなります。

だから自分が「思いっきり自分を感じる」ことの具現化をいつでもできるようにしておくと、仕事の中でも自分とのコミュニケーションが図れ、より惑わず自分の意見を言いながら、協調性や、妥協点などにも充実した対処ができるでしょう。

やり慣れていないと、"自分なりに◯◯をする"というのは難しいのものです。不定調性論の学習でその敷居を取っ払っておきましょう。

 

8,「7,」の課題に十分集中実施した後で、その好きな曲を対外的に発表する一般的な作品としてアレンジをしてみてください。ただし30分以内にまとめて演奏を始めること。

これはそのまんまです。いつもやっておられる作業でOKです。

7でだいぶ自分の本性を出し切っているので、ここでの「商業的なアレンジ」にはだいぶ割り切って、エンターテインメント感や、現代との協調性とかが含まれるはずです。

またその中でも「自分の想い」とかを「薄めて」入れやすくなっているはずです。

これも即興的に自分の演奏できる範囲でいいので友人がやってるバーで演奏する、ぐらいの気持ちでやってみてください。

 

この課題のバランスぐらいが、「勉強してきて、自分も音楽に入れられるようになった状態」に一番近いと思います。

大事なのは日頃、どこかで自分を思い切り出すこと、自分であることを自覚できる創造的な場所、創造的な空間、創造的な時間、創造的な行為を行えていればだいぶ違う、ということです。ギズギズしたリファレンスにも「喜んで!」と応えられます。

理論的制約などにも多少寛容になれるはずです。ここから少し奇抜に、思いっきり奇抜に、みたいなアレンジもできたらしてみてください。自分の音楽の趣味が現れます。それと商業音楽の仕事をしっかり区別してトライできるバランスを身につけましょう。

そのためには自分で居られる活動をサポートできる方法論が必要です。不定調性論みたいな存在を自分なりにアレンジしてください。

世間に幾つか出始めている"新たな方法論"を作っている方の何人かも拙論の先にあるものです。誰かは述べませんしその必要もありません。あなたもさっさと自分の道だけを作っていってください。

 

9,Dm7  |G7  |CM7  |において、なぜG7からCM7に向かった時、あなたは解決感や帰結感などのトニックへの進行感を感じるのか具体的にあなたの言葉で説明してください。

最も重要な問いかけです。

ここで自然倍音がどうとか、トライトーンがどうとか、教科書に書かれていること、先生から教わったこと、を答えてもきっと元のモヤモヤに戻ってしまいます。それは「教わったこと」です。いわゆる洗脳されている状態です。その言葉を繰り返す限り、あなたは自己催眠にかかり、元の状態に陥ってしまいます。この手の催眠暗示は巧みにあなたを商業的な価値の序列の中に押し込み、そこに対価を払うように強制してきます。

相手も強制するつもりがないのでタチが悪い洗脳のタイプです。

この答えはブログにも書いてありますが、それはともかく、なぜG7はCM7に向かうことができ、その時に何が起こっているとあなたは理解しているのか、ということをあなたの言葉であなたが納得する理由を語ってください。

これが「よくわからない」でもいいです。その言葉が発せられたあなたは、きっと自分なりの答えをこれから先見つけていくと思います。

「答えがない」「理解できない」「わからない」ということを禁じられてきたはずです。

でも「わからない」というのは言葉にならないだけで、あなたは直感しているんです。

あなたが音楽をやっている以上、あなたはその答えをなんとなく知っていて続けているんです。G7-CM7?それがどうした、という人は音楽はやっていないんです。

だから知らないことを恐れず、未熟であること、自分が不足していることを恐れず、さっさと認めてしまいましょう。

それが今のあなたそのものです。

なぜG7-CM7が起こり得るかについては、ブログの★3−5つの記事をいくつか読んでいただきたいのですが、答えを述べておくと、

「あなたがそう感じることを認めているから」

です。

 

10,自分に向けて1分程度の曲を作ってあげましょう。

 誰に発表するのでも、売り上げ貢献のために作るのでもありません。

あなたがずっと親しんできた楽器で、あなたの人生に捧げる今年の誕生日プレゼントのような小品を作ってみましょう。時間は無制限です。

でも好きな人の誕生日プレゼント選びに何年もかけないでしょう?

だからあなたが今日を休日にしてくれたなら、今日のうちに一晩で書いてみましょう。

あなたが生まれてきたことが奇跡、とどれだけ思えるかどうかはわかりませんが、この世に生まれてきて音楽を自分で作って、自分に捧げて楽しめるなんて生命体はそう多くないでしょう。音楽やっていたおかげで貧乏でつまらない人生だった!と思っても構いません。ただそれも自分が存在しなければ、この世に存在すらしなかった時間です。

あなたに影響を及ぼされた人もいるでしょうし、あなたを尊敬する人もいるでしょう。

だから少しでもいいところがあるなら、なくても抽象的に自分のことが理解できるなら、良い気持ちでメロディを作ってみましょう。

できたメロディがどれだけつまらないものでもそれはあなたがあなたを理解した結果生まれた「お守り」です。

心理学的に言えば、毎朝そのメロディを弾き、「ちょっと直そう」とか思ってちょっといじるような時間が持てれば、あなたは朝からビシッとリセットされて仕事に集中して取り組めるでしょう。それが社会的洗脳を逆手にとった自己暗示の方法です。

そんな時間がない、という人は、スマホに入れるなり、持ち歩くUSBに入れるなりして、作った後に「これを握ったら自分は自分に戻れる」みたいに暗示をかけましょう。

一回だけでもいいです。そう宣言することで、あなたはあなたを確立できます。これは心理学的にも脳科学的にも適切な方法です。上手に活用しましょう。

 

あれ、音楽理論、不定調性論どこいった??

と思うかもしれません。これは拙論を考え続けてたどり着くところがいつも「心」なので、音楽人が勉強すべきは音楽理論の次は「心」「意識」「脳」についての分野ではないか、と感じるからです。不定調性論はその入り口です。

入り口を通れば、あとは"あなたの心が一番の取り組み相手"なので、理論のフィルターを通してではなく、自分の意識で自分の音楽と向き合う必要があります。

 

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この10の課題の意味や意図がもし理解できるなら、あなたは不定調性論的な感覚にフィーリングが合うでしょう。

その他のブログの記事も読んでみていただきたいです。どれも一貫した「心の状態」についての言及があります。

 

これらの10の課題が理解できない、やりたいけどわからない、という場合は、一度下記から相談していただいても構いません。

不定調性ブログ、他お問い合わせ

 

自分を見つけるのに他人の手が必要な時もあります。

社会から受ける洗脳はそれほど強烈だからです。互いに洗脳しよう、とか丸め込もう、なんて思っていない洗脳です。

 

ここでは全てを語り尽くせませんが、今回の記事の要旨は全て書かせていただきました。何かの具体策としての参考になれば幸いです。

なお、毎年この方法論はアップデートしていますので、来年はまたさらに充実したやり方になっていくことを信じています。