音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

IV#m7が出てくる曲。113.Ride On Time / 山下達郎★★★

113.Ride On Time / 山下達郎

   

古い記事のリライトです。

この曲は、リヴァーブ感が都会的・涼やか、を印象付けてくれますよね。もちろんあなたがどのように感じてもいいんです。感じたままをそっと心の中で呟いてみましょう。それがどんなに変でも、もしそれを話して分かってくれる人がいたら、その人はあなたと「合う人」だと思います。

実は私と合う人がいない、って言うのが一番問題なんじゃないか、と思ったり笑

 <動画>

Tatsuro Yamashita - Ride On Time - YouTube

キーはDです。
歌いはじめで、
GM7 |A7 |GM7 |A7 |F#m7 |D |Bm7 |Em7 |A7 |
と流れます。

歌始まりなので、最初のGM7がIのように感じられます。そしてA7がII7のように思えるのではないか、と思います。

この感覚を分かりやすくCメジャーキーに置き換えますと、
CM7 |D7 |CM7 |D7 |となります。

CM7=Iに感じられ、D7はII7感がありますよね。疾走感や高揚感を感じます。でも種を明かせば、これはIV-Vの繰り返しです。

 

だからこのIV-Vの連続する感じは「ずっと続いてきた感」を潜在的に覚えると思います。この都会的な涼やかさが、彼の中にはずっとあって、僕らはこの曲が始まると、それを一緒に体感できる、、的な感覚・・・。

わ、、分かって頂けます?笑

IV始まりですから、「途中感」が出せるんです。当たり前のことが前にあって、その上でこの曲が始まる、みたいな。

スーパーマンがいる世界では、スーパーマンは最初からいる前提でしょ?それを受け入れないと「なんで説明がないんだよ。あんな宇宙人いるわけないじゃん」みたいなKYな文句が生まれます。で、この「前提を知ってる感」が、音楽で言うと「音楽知ってる感」という鼻につく感覚にもなり、ある種のステイタスにもなり、プレミア感を出してくれます。ニューミュージックが新たにリボーンさせた感覚と言えます。

 

=====

つまり、GM7はIではなく、キーDのIVM7なんですね。
GM7 |A7 |GM7 |A7 |F#m7 |D |Bm7 |Em7 |A7 |
においてF#m7が出てきたとき、おや?と感じる、「響きのミスディレクション」がカッコいいです。
そしてDでなぜかトニック感を感じるので、あれれ?と思い、タネが明かされます。面白く聴かせるツボと言いますか。

映画でもありますよね。最初は観客が分からない設定の部分が勝手に当たり前のように進行していて、どんどんその世界に入っていくと、「ああ、そういうことね」って映画の中の世界を理解して、グッとその中に入れる、みたいな。

これ、映画好きならわかると思いますが、まあめんどくせーな、という演出に思える人もいるでしょう。その辺もあなたに合う感覚を持つ音楽を聴けばいいだけです。

 

だから山下達郎が好きでない人は、その音楽が嫌いなのではなく、それが与えてくれるあなたの感情にあなたが呼応したくない、というだけです。

音楽はそこにあり、あなたの感情はあなたが勝手に生み出しているのです。

音楽の良し悪しを、それはどこまで行っても単なるあなたの好みや感覚なのに、それがいかにも普遍性があるかのように語る人は「扇動者」ということもできるかもしれません。

あなた自身の感覚を大切に。

 

 

で、サビですが、これは王道です。
Em7 |A7 |DM7 |Bm7 |GM7 |F#m7 |G#m7 |G7(9) F#m7 B7(9) |
Em7 |A7 |DM7 |Bm7 |Em7 |Em7/A |D6 ||

II-V-I-VIという流れです。
で、変わっているのが、一行目のG#m7と二行目のD6です。

このG#m7はノンダイアトニックコードです。Dのキーの中にはありません。IV#m7という和音です。


メロディ音がb音なので、b音を持つ和音をあてがっている、とも言えます。弾いてみてください。凄く飛翔感を感じます。
Ride on time転調とでもここでは呼びましょうか。

 

このようにメロディ音を持つ和音をあてがって、奇抜な響きを作り出すことで、場面展開感を作る方法がありますね。

そしてサビの最後のD6もこれ、Bm7/Dのような感じです。これも伸ばしたメロディ音がb音なので、このサウンドが活かされています。


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=====
今回の事例を元に、ちょっと応用編を作ってみましょう。

たとえば、
CM7 |Dm7 |G7 |CM7 |
というコード進行で、最後のCM7でのメロディ音がcだとします。すると、
CM7 |Dm7 |G7 |FM7 |

CM7 |Dm7 |G7 |AbM7 |

CM7 |Dm7 |G7 |DbM7 |

などが良く使われますね。全部c音を持つ和音です。
さらに発展させてみましょう。

CM7 |Dm7 |G7 |D7 |
とか
CM7 |Dm7 |G7 |Gm7(11) |
とか
CM7 |Dm7 |G7 |Fm7 |
とか
CM7 |Dm7 |G7 |EbM7(13) |
とか
CM7 |Dm7 |G7 |Ebm6 |

とか、いろいろあてがうことができると思います。これで、それぞれCに戻せば良いのです。
CM7 |Dm7 |G7 |D7 |Dm7 |G7 |CM7~
CM7 |Dm7 |G7 |Gm7(11) |F#7(#11) |FM7 G7 |CM7~
CM7 |Dm7 |G7 |Fm7 |Dm7 |G7 |CM7~
CM7 |Dm7 |G7 |EbM7(13) |Dm7 |G7 |CM7~
CM7 |Dm7 |G7 |Ebm6 |Dm7 |G7 |CM7~

たいていDm7-G7で戻せますし、またその変化が面白かったりしますので、メロディを作る際に、CM7と決めつけずに、いろいろこのride on time転調を試してみると面白いと思います。