音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

アッパーストラクチャートライアド(拡張型冠状三和音)の一覧表(2018)★★★★

とある和音へのご質問をいただいたのでアップいたします。
アッパーストラクチャートライアド分類表です。

アッパーストラクチャートライアドは、単純な響きに分母と分子を分けることで響きのイメージを付きやすくしたり、横の流れに脈絡や関連性、シークエンス、整合性を作ることで音楽的な難解な響きに「イメージ」を持たせやすくするための技です。

レベル的にはCM7(9,13)という文字面を見て、響きがイメージできるレベルの人のための方法論といえます。不定調性論はさらにその先のコードネームがつかないような響き感の連鎖を感覚的にコントロールするためにはどうすればいいか、を考えていく方法論です。

(追記・改訂2018.8)

   

 

アッパーストラクチャートライアド(Upper Structure Triad=UST)とは??

基本のコードサウンドの上に、コード構成音やテンションを使ってトライアドを作る声部配置のこと。

本来の和音の根音とは別に、高音部に別の三和音が乗ることで、二層の和音になっているのが特徴。

この二層を保つためには、二つの構成音を混ぜないように配置することが大事。

D/Cであれば、構成音はD△/C△となり、d,f#,a/c,e,gという6和音になります。

この時、これらの上部と下部を混ぜると、C6(9,#11)というコードができます。

これは低音から、主音と五度を省略して、

e,a,d,f#と四音でヴォイシングするような仕方ではなく、ちゃんと、

c,e,g, d,f#,aと低音から六音全て使うのがUSTの基本です。

しかし厳密にはD△/Cや、五度の省略などが当然行われたものも便宜上、USTと呼ばれることがあります。

 

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表 其の一

表の左端は主なダイアトニックコードと該当するモードが必要に応じて書かれています。

黄色いセルは、左端の和音の上部に作成可能なUSTがディグリーで書かれています。

2018年度編纂より、実践的なタイプの掲載に一旦絞りました。

あわせて従来のメジャートライアド、マイナートライアドだけでなく、sus4、オルタードトライアド=X△(b5)、dim、aug=X△(#5)もUSTとして拡張解釈できるように追加いたしました。

まずは無視して飛ばして読んでいただいて構いません。

USTの基本的知識がある方が対象になってしまいます。申し訳ありません。

 

<UST生成の基本的ルール>

下記は不定調性論ではなく、ジャズ理論に基づくルールです。

・三和音はMajor、minorのみ。コード機能に合致したテンションとコードトーンを用いる。

・冠状部と基部の重複音があっても良い。冠状部に三度、七度の音を置く場合、基部に五度を配置しても良い。

・各音の間でb9thが生じないようにする。ただしドミナント7thコード、フリジアン、ロクリアンスケールが適用されるコードでの短二度などは除く。

・それぞれ転回形も可能。開離配置も可能だが、広がれば広がるほどUSTとしての意味合いは希薄になる。

・声部は基本六声。五声では、五度を省く。四声ではニュアンスが出ずテンションコード的な硬いサウンドになる。重複での七、八声も可。

・稀に冠上部にトライアドを配置するためにテンション以外の音を使う時がある。

例;リディアン時ののB△/C△=冠状部にd#音を追加している。または、アイオニアンでもf#とd#を追加しこの和音をつくる時がある。基底部和音の構成音の半音下の音になれば、問題はない、とする発想から。

伝統ジャズ理論におけるアッパーストラクチャートライアドの群はこちら。

www.terrax.site

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以上のような伝統的配置を理解した上で、全てを混合した可能和音の表を作ってみます。ここからが不定調性論です。

 

<算出の根拠>

例えばCM7のコードスケールはCアイオニアンですから、構成音は、

c,d,e,f,g,a,b

です。

アボイドはivのfです。

9th=dと13th=a、あとコードトーン(c,e,g,b)を使って作ることのできる拡張アッパーストラクチャートライアドは、Dsus4=IIsus4、Em=IIIm、Esus4=IIIsus4、G=V、Gsus4=Vsus4、Am=VIm、Asiu4=VIsus4、ですよ、ということです。

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拡大してご覧くださいませ。

 



其のニ

其の二は其の一の表をCのキーで書いたものです。

CM7のUSTは、Dsus4、Em、Esus4、G、Gsus4、Am、Asus4であることが分かります。つまり、

Asus4/C

というようなコードがIM7のアイオニアンでは作れますよ、ということです。

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其の三

其の三は結果どんな拡張トライアドがどのダイアトニックコードに含まれるかをCのキーで振り分けたものです。黄色いセルは其の二で出てきたトライアドを横に並べていった列です。

オレンジのセルは其の二表の左端のダイアトニックコード群を各拡張トライアドごとに振り分けたものです。

 

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例えば、USTでC△を持つ和音でコード進行を作ると、
Dm7 |C |FM7(9) |G7sus4(13) |
などが、
C△/D |C△ |C△/F |C△/G |
などの分数コードに展開できることが分かります。


また、
C△ |Eb△ |A△ |Bb△ |
は同一和声単位の進行と不定調性論でいうことができますが、これをこじつけて解釈すれば、其の三の表から、この進行は、
C△ |G7(alt)   |G7(lyd) |G7(comD) |
というただのI-Vである、というような機能和声の拡大解釈も可能なわけです。
コルトレーンらが展開して、ビートルズが世界に広めた新たな和声解釈と連結方法です。

 

またこちらでのページに出典がございます、

soundquest.jp(復帰おめでとうございますm(  )m)

 

「Blackadder Chord」についてですが、

これが

IIaug/I

であるとしたら、

これはUSTをオーギュメントコードまで拡張する事でUSTの表に収めて解釈できる和音にすることができます。

つまり

G7   CM7

で述べるなら、このBlackadder Chordは

G7(9,#11)  CM7のaugを用いたUSTの拡張されたコード、とすることができます。

これを分数コードにしますと、

 

G7(9,#11)=g,b,d,f,a,c#=g,b,d+a,c#,f=G△+Aaugで

 

Aaug/G△のテンション部分をトライアド化した

Aaug/G  CM7 |

となり、これが裏コード化した時、

Aaug/G  GbM7 |

 のような進行が作れます。

 

厳密にはD♭augとして表記するのが正しいのでしょうが、展開が自在に可能なaugトライアドの呼び名をいちいち規定するのも現場的に窮屈かなと思います。

先の表ではリディアンb7thスケールを用いる際にD♭augの拡張されたUSTとして出てきます。

 

現在ジャズスクールでaugなどの変化三和音をUSTとして含んでいるのかどうか分からないのですが、どんどん当たり前になってきているのかもしれません。

 

USTはメジャートライアドとマイナートライアドだけ、と、されていたものを今回は増三和音まで拡張したコードが理論家によってピックアップされた、ということになります。

ですので私どもも次年度に掲載する表から、aug、alt、sus4、dimもUSTに加えた表を添付したいと思います。

 

他の可能性を探りますと、

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G7各種において、たとえば、

Absus4、Asus4、A△(b5)、Bbsus4、Bb△(b5),Baug、Db(alt)

といった新たなUSTがみられます(USTって言っちゃいけないのかな・・笑)。

これらはすべて

Absus4/G、Asus4/G、A△(b5)/G、Bbsus4/G、Bb△(b5)/G,Baug/G、Db(alt)/G

というような拡張されたUSTコードに使用される可能性が出てくるわけです。

細かいヴォイシングでは面白そうですね。

 

ここでのBaug/Gはオーギュメントコードの展開可能性から、

Baug=D#aug=Gaug

で、IIIaug/Iとなり、Blackadder Chordとはまた違うコード感も探せるかもしれません。まあこれらもBlackadder Chord亜種として考えておられると思うのですが。

 

こういうのをアイドル曲にガンガン使うことで、余計にソリッドでカッコよく感じる、という効果が最高ですね。 可愛い声が日常を越えてヒーロー感が出ます。クオリア。

 

これがまた男性ヒーロー物で使うと、少し殺伐として来るのかもしれません。歌詞の内容によるのかな。。

 

その先がこちら。

www.terrax.site

www.terrax.site

 

2019年度教材には正規版をまとめて付録として付ける予定です。