音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

The BEATLES"If I Fell"コード分析(夏休み企画2)★★★★

2018.7.26→2019.10.2更新

下記の記事をより深く。

www.terrax.site

です。冒頭部分の話を展開します。

Ebm |D |Db |Bbm |
Ebm |D |Em |A7 |

 

この進行を機能的に「戻して」考えてみましょう。

key=Cにして考えます。

まずもっともありそうな状態に戻して考えてみましょう。

Dm |G |C |Am|

Dm |G |Dm |G |

以降の譜面は、あくまで私のオリジナル解釈です。原曲とはメロが違いますのであしからず。

f:id:terraxart:20180726161612p:plain

あくまでIF I Fell風のメロディとして扱ってください。

何とも自然で、ある意味正道。ちょっと普通過ぎる感じもありますね。

 

最後の部分に転調を入れてみようかな、なんて思うと、

Dm |G |C |Am|

Dm |G |Cm |F |

f:id:terraxart:20180726163343p:plain

こうするか、または

Dm |G |C |Am|

Dm |G |Ebm |Ab |

f:id:terraxart:20180726162650p:plain

こうでしょうか。

後者にすると、If I Fellの手法になります。メロディがd-dと続くところを、半音上げてd-eフラットにする、よく使う転調の方法です。前の音が目安になっていれば、音を変えることで転調はできます。

どちらの方があなたにしっくりくるでしょうか???

=====

さて、この転調感覚を活かしつつ、途中を裏コード=IIb7に代理してみましょう(もちろん省略してDbとかでもOKです)。

Dm |Db7(9) |C |Am|

Dm |Db7(9) |Dm |G |

これはどうでしょう。

Db7(9)ではメロディが#11,9thを用いていきます。

Dbリディアンm7スケールになります。

(またはリディアンb7、リディアンドミナントスケールとも呼ぶ)

f:id:terraxart:20180726164202p:plain

ちょっ見た目も凝ってきました。 コードを変えた後からメロディを変えることも良くあります。ただ凝ったコードにしたい、というだけではなくコードが下がっていく感じが「この曲に合っているなぁ」と感じることの方が重要です。

   

<ジョンのデモの話>

以前はジョンのこの曲のtapeデモというのがyoutubeで上がっていたことがあり、つい聞いてしまいました。

John Lennon:"If I Fell" early home demo - YouTube

それを、ジョンが弾いたままを聞き取ったコードを下記に書きます。

Fm   |E   |Eb  |Cm  |

Fm   |E   |F#m  |B  |

でポジションは弾いているように感じました。

音声はこれよりも半音以上低いです。

 

証拠があるわけではないので、半音ぐらい下がっちゃったギターで録音したのか、半音下げチューニングだったのか分かりませんが、開放のEが低いように思います(それとも全音下げ??かも。。)。

F#m   |F   |E  |C#m  |

F#m   |F   |Fm  |C  |

であれば解放Eの使用まで何となく自然と流れることもできます。これは制作で自然と流れるだろう、という仮定の話です。チューニングが不明なのでこういう憶測が出ます。

 

 つまり最初Fmから入ってEが開放になる、という状態(ビートルズは半音下げチューニングで歌うことも知られています=日本公演でもありましたね、ので、その楽器のまま録音したとか??わかりません)。

半音下げチューニングで、その次のEbに行くっていうのがちょっと普通考えられる感覚としては不自然だなぁ、でも・・・天下のジョン・レノンだしなぁ。。とかいろいろ考えてしまうところです。

 

でもサビはE-F#m-G#mってギターだと開放弦コードからごりッと気持ちの良い(サビっぽい)流れになっています。王道に上がっていく感じもサビっぽくなっています。

そうなると冒頭の

Fm   |E   |Eb  |Cm  |

Fm   |E   |F#m  |B  |

この後半青字のところは開放のEに向かっていくぞ!!!感を出す、というのはギタリストで作曲する人だったら潜在的に持っている「ヨ!!サビ!待ってました」感です。

だからこの開放のEにいける流れ作りは願ったり叶ったりなわけです。

 スケッチの際に、どのように構成されていったかでこの解釈も全く変わってきてしまいますが。

 

でもこれではさすがにピッチが高い、ということでさらに半音下げて(もともと半音さげなのでさらに下げることになる)、ギターでは一番弾きづらいEb、Dbというキーになっています。だから作りやすいEで作ったけど、それが半音下げギターで、さらに下げる、みたいなことになった背景とかを勝手に想像してしまいます。

間違っていたら申し訳ないのですが。

 

でもこれ、半音下げチューニングだったらそのまま弾けるっていうオチな訳で。。

 

======

   

・Eというコードを開放の状態に配置できるFmスタートで作ったとしたら、Ebはたとえイントロでトニックに理論的に該当したとしてもギターとしてはそれをトニックと思いづらい(6フレットのコードに移動してガッツリ弾く、というようなイメージがなかなか持てない楽器です、これはボーカルのピッチに合わせた移調だ、って考えちゃう)。

・Eの位置関係(ギター弾きにとって重要)、続くメロディの明暗の印象、これらが自然と明るい方向に向かわせる効果があり、それがたまたまEコードに帰結する形式美を持っていたので、この流れが出た時にそれが直感的に採用された。

結果的におかしな転調となった。

・さらにレコーディングでは音域を加味して半音下げられた。ノーマルチューニングで弾いてみたらDbという弾きづらいキーになった。

 

さらに妄想して

・最初F#mスタートでこのイントロのメロディを作って途中まで出来上がったけど、help meの「meがたけーな」って思って、半音下げて仕方なくEbは上のフレットを使ってエ始まりのサビにつなげて、これでいんじゃね?ってなって、さらにサビがすごく高かったので、仕方なく半音下げて、さらにあとで確認したらギターのチューニングが半音低くて、さらに半音下げてEb始まりになった。。とか。ないかな。

 

みたいな流れで解釈していくと、理論的には変だけど、人の行動としては自然かな、ギタリストとしては自然かな、なんて思ったりもします。

ボーカル楽曲の場合、どうしてもキーが関わってきますから、EとかAで行きたくても曲がいい感じの場合、もとの流れを維持してキーだけ下げざるを得ない、という状況は多々あります。

 

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でも、こういうメロディを作るのって真似できそうでできないんですよね。

5メートル先のごみ箱にごみを投げてもなかなか入らないでしょ?

入りそうだけど腕がコントロールできない。。誰もが知ってるこの感覚。

天才って言うのは、スポーンと入れて来るよね。だからって腕に信号を送る脳のどの部分をどう鍛えればいいかなんてわからない。だからそれが解明されるまではひたすらそれを繰り返すしかないわけです。その中で分かってくる感覚がある、そう信じて。

 

ジョンは半音での流れとか変なコードの使い方=誰もやってない流れを具現化するのが得意ですので、この手の進行はジョンらしい、と言えばらしいですね。ゆえに、こうした流れを採用して、「いいね」と思って完成させたのかもしれませんね。

そうでなければ「こんな変な進行で良い曲なんてできるわけない」なんて思っている人にいい曲はできません。理論が曲を作るのではなく、あなたがどう作りたいかがただ反映される、、

他の曲も見てみて下さい。