例えばこーいうコード進行。
|Cadd9 |Dadd9 |E♭add9 |Cadd9
|E♭add9 |Gadd9 |C#add9 |Cadd9|
サウンドはこちらで。
add9 | rechord - 演奏もできるコード進行共有サービス
これ、不定調性論の記号を用いると、
Cadd9=c,e,g,dですから、
Cu5(d)とか書くんですが、このように同じ和声の形態で楽曲を構成するような方法を「和声単位作曲技法」と呼んでいます。
もちろん、ビートルズの"I am the walrus"なんかはメジャーコードに固執して作ってあります。
よくこの曲を指して「理論を知らないからできた、知ってたらやらない」
などとヒドイ言われ様でしたが(知ってるからこそジョンのあの性格ならむしろやっただろう)、そもそも理論は自分の外にあるものであり、取り入れなければいけないものではありません。もし見よう見まねで料理が出来れば、お母さんはちゃんとお母さんをやれるわけです。全員が全員料理教室に通ってすべての料理をマスターするわけではありません。レノン氏には、バックグラウンドとしてアメリカンサウンド、クラシックブリティッシュのそうしたサウンドを知っていました。そこから生み出された数々のビートルズ楽曲に必要な方法論を彼は全て知っていわけです。理論=先駆者の方法論であるならば、「理論を知っていた上でやった」わけです。
I am the walrusを機能和声で分析してみてください。やれないことはないでしょう。むしろやれてこそ知識の活用です。
こちらのページでも書いてます。
もちろん同一和声単位でなくてもいいです。
C Dm |E F#m |B Dm |E Am |
とか
C7 Dm7(b5) |D7 Em7(b5) |E7 F#m7(b5) |
とか、対称性、整合性によって作られた作品も同様です。
これらは分析の出来ない「非機能的」進行とされてきました。
不定調性論では、ここに「自分的意味」「自分的解釈」を施すことで、自分にとってどういう機能を果たしている楽曲か、を考えていくことで、自分の音楽性を拡張していこう、と考えていきます。