不定調性論では、作家や演奏者自身が、その曲の中の起点と考えるコードを「センターコード」といい、それ以外を「アラウンドコード」といいます。
CM7 |F#M7(9) |EM7 (#11) |DM7(b13) :|
という進行があるとき、私はCM7をセンターコードと考えて作り始めました。 その他が全て「アラウンドコード」です。それが何の機能でとか、何のキーでとか考えません。
ただそこに感情と意味を見出すだけです。それらが自分なりの脈絡(音楽的なクオリア)を持って連鎖させていきます。
結果的にこの進行も頭のCM7に戻ってきます。だからCM7が中心的存在ではないか、と私が勝手に認識しているから、それは私にとってセンターとなりうるわけです。
あなたからしてみたら、F#M7が中心に感じるかもしれません。また最後のDM7かもしれません。どれでも良いです。それによって解釈が変わり、様々な表現が解放されます。新しい音楽ができます。
DM7がCM7に戻るドミナント的な性格であると感じたら、DM7では少しアウトサイドなメロディを作るかもしれません。
しかしDM7が中心だと考えれば、DM7ではアイオニアンb6=ハーモニックメジャースケールのような解釈になるかもしれません。
これを推し進めると、普通の機能和声も
・自分が中心と考えるコード (まあ、たいていは主和音、または平行調)
・それ以外のコード
という理解にして、いちいちサブドミがどうこう、キーがどうこうみたいに考えなくても体が自動的に反応する訓練を進めていきます。
最後は結局感覚になるのですから、最初からその感覚も磨いておこう、というわけです。
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