2018.7.4→2020.11.5更新
あなたが今ランダムにピアノの鍵盤を目をつむって、5つの音を弾いたとしましょう。
左手で一音、右手で四音。
指の開く幅に限界がありますから、ある程度制限がありますね。
それがc2,b2,d3,d#,3,e3
であるとき、この構成音はどんな集合でしょう?
このように書くこともできます。
これらに対称性を作ろうと思えば、
こんなふうにできますね。これ、連関表の配置が増えたり、縦の3セットの並びが変わったりすると、また別の模様ができるので別の対称性を生みます。
もうこの時点で、これらの和音に意味が与えられています。
好きな人を見れば好きな理由が思い浮かび、嫌いな人を見れば嫌いな点が見えてくる、人には「心」があるのでこれは仕方のないことです。
音楽創造では、この欲望と理性を上手に表面化する作業だとおもいます。
ちなみに、この和音は、
CM7(9,b10)
などと書けるかと思います。
和声の分子構造表記では、和声単位の単純式で作れない和音を図式で対称性などを創り出したり、表現したりしてそこに意味を設けます。
(教材より抜粋)
和音構造の紹介。
コード進行の表記例。
視覚的、幾何学的に和音を観たい人、作りたい人におススメです。
これらは全て一つの法則に則って書かれていますが、個人のイメージがつきやすい仕方で書くというのもポイントです。
ガチガチ法則的に書いてしまうと、その法則が果たして絶対であるかということの答えが出ないために、そこを突っ込まれると、方法論全てが崩壊します。
方法論が成り立つためには、個人にしか通じない独自ルールがあることによって一般的瓦解を防ぐことができます。
大事なのは作品が作れることであり、
また、分析者自身が理解できる分析方法が確立されているということです。
それを誰かに強制しようとすると、方法論同士がぶつかることになり、個々人の方法論は壊れてしまいます。
機能和声論が私の中で一時期壊れてしまったのもそういった理由と言えます。
とにかくあなたがイメージしやすい存在にして理解しようとすることが創造的理解だと思うのです。
それこそ和音ひとつひとつをアイドルの名前に置き換えてもいいのです。
自分が理解できるやり方で理解する、というのは別に恥ずかしいことではないと思うのですが、どうも"ずるい"のだそうで。孤立します。
教材ではこのように様々な音楽理解の側面を提示しています。