2018.6.29⇨2020.11.4更新
V-Iを「ドミナントモーション」としてしまうと、機能和声そのまんまになってしまいますので、わざわざ区別するためにこのような名前を別途設けています。
ちなみにV△ ― Imまたはその逆IVm ― I△を「マテリアルモーション」としました。
V△-I△や、IV△-I△は、I△という和音から派生させた反応領域から作成することのできる和声進行として、
V△-I△を「上方リアクティブモーション」
IV△-I△を「下方リアクティブモーション」とします。
これはc,f,gのどの領域をどう反応させて、連鎖させるか、という違いになります。理屈の上で調的進行とは関係がありません。
V△⇒I△はGの上方⇒Cの上方
です。この考え方を調向階段モデルで確認しますと、
こうです。
これは
I△⇒ImはCの上方⇒Gの下方
という進行です。
下記であれば、
IV△⇒I△はFの上方⇒Cの上方
です。
こちらですと、
IVm⇒I△はCの下方⇒Cの上方
となります。
このように全ての調的進行が一つのモデルから作り出せます。便利です。
またDm7(b5)-G7-Cmというのもモデルの中で現れるのは前回まででも紹介してきました。
こうした反応領域の自在展開ができるようになれば、C△→A△とかも「なぜ、この進行はここに進めるのか」ということを考える必要がなくなります。
ダイスが転がるように「そこからそこへ移ることは任意」であり、その中でもV-IやIV-Iは伝統的に機能和声という体系において特化されて人の意識に植え込まれた、と考えるわけです。
あとは、どう繋げたい、と思ってるかをイメージできる音楽的クオリアの明確化の方が重要になってきます。