音楽教室運営奮闘記

不定調性論からの展開紀行~音楽と教育と経営と健康と

<不定調性論用語/概念紹介12>基音が生成する音、基音を生成する音

2018.6.11⇨2020.10.18更新

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基音が生成する音=上方倍音列

基音を生成する音=下方倍音列

のことです。

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不定調性論では、

基音cに対して、

gは基音が生成する音であり、

fは基音を生成する音になるわけです。

 

機能和声論は「低音優先」原理があります。

c音が基音の時、g音はcに帰結する、という感覚が重視されます。

 

しかし不定調性論では、下方の数理を用いるためもう一つの「高音が優先される世界感」が作られます。つまりc音はg音を生み出す、という考え方も同等に存在するわけです。

故にcもgも同等の立場である、という思考に切り替えるわけです。

 

たとえば、メロディ。

低音が優先されるなら、なぜ人は高音であるメロディに注視できるのでしょうか。

人の感覚は、自分がどこに注意を向けるかを自由に選択できます(カクテルパーティ効果のような)。

 

そうなると「基音」というのは"安定する"、とか、"重心"ということではなく、数理における意識の上の中心以上の存在にはなり得ません。

 

cにとってgは上方のドミナント

cにとってfは下方のドミナント

という発想もでき、

fにとってcは上方のドミナント

gにとってcは下方のドミナント

という発想もできます。これらは平等であり、個人の価値観で優位になる音を意識的に変えることも可能、と考えるわけです。

 

下記は教材にも出てくる不定調性論における基音の関連音表(倍音マトリックス)です。これだけの関係性が作れるのですから、どの音に価値があるかは恣意的に選べる、とした方が各種方法論を取り扱う時の齟齬が生まれません。

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