2018.6.9⇨2020.1012更新
基音cの上方レンジ4をみてください。
c-d-e-f#-g-a♭-a#-b-c
ここには短二度から完全八度まであらゆる音程が作れます。
これらは下記のように書き替えられます。
8c-9c-10c-11c-12c-13c-14c-15c-16c
です。倍数だからですね。
完全八度は、8cと16cの関係です。
完全五度は、 8cと12c、とか10cと15cの関係、にもできます。
短二度=11c-12c、12c-13c、14c-15c、15c-16c
長二度=8c-9c他...
短三度=10c-12c他...
長三度=8c-10c他...
完全四度=12c-16c他...
増四度=8c-11c...
増五度(短六度)=8c-13c..
長六度=9c-15c...
短七度=8c-14c...
長七度=8c-15c...
すべての音程関係をここで作ることができます。
教材ではクルト・ザックス先生の言葉を引用しています。
古代から、男性と女性が異なる高さ(オクターブ)で同じ音を発することを知っていた、という指摘です。
1:2の関係ですね。
これを応用しますと、1:3も1:5も同様な発想で考えることができます。
例えば五度圏
c-g-d-a-e-b.....
一周してcに戻ります。
これをcに置き換え直すと、完全五度は、基音の2cに対して3cが該当しますから、
c=1c
e=5c
g=3cとすると、
c-3c-9c-27c-5c-15c.....
公比 3といってもいいです。
同様に
c-e♭-f#-a-c
という短三度連鎖、
Giant Stepsの
c-e-g#-a-c
という長三度連鎖、
c-d-e-f#-g#-a#-c
というホールトーンもクロマチックスケールも。
全ての音程は、基音の振動数から割り出せるものですから、元は基音ただ一つから全ての音程が生み出せる、と解釈することもできます。
あらゆる音程が基音から作れるとなると、それを組み合わせたあらゆる音楽もすべて基音から作れる、としたら調的枠組みにこだわることも一切を無くすことができます。
一方で基音が重要視され、一方で12音が基音に対して等しく使える、という発想が見えてきます。
こういう解釈が成り立つ、としてしまったら、どの基音を設定するか、その他の音をどう序列化するかも自分で決められます。
不定調性論はこの考え方を、12音を自在に使うという根拠としています。
つまり、自由に作曲をしている時、どの音がどの音の基音か、といった表現を考えなくて済むということです。後からどのようにでも分析一解釈できるからです。
その音がどこに属すかということよりも、その曲においてその音がどのような役割を果たしているかに注目したかったがためにこのような方法論にしました。
あとは私自身がこのことを基本に音楽を構築していくという作業を重ねていくことで、それが一つの文脈になるだろうと考えています。
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