音楽教育活動奮闘記

不定調性論からの展開紀行~音楽と教育と経営と健康と...旧音楽教室運営奮闘記。

ドレミファソラシドにコードを付ける~機能和声から不定調性へ

ドレミファ和音の疑問

ドレミファソラシドというメロディがあった時、

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キーがCメジャーなら、たとえば

C△-Dm-Em-F△-G△-Am-Bdim

とコードづけできます。

 

でも、最初は

なんでCの次はDじゃなくてDmなの!!??

って思ったものです。

C△-D△-E△-F△-G△-A△-B△

ホントーはこうなればわかりやすい!ですね。

(△はトライアングル、3の意味、つまり三和音の意で慣習的に使われます。)  

 

 

 

間違いではなかった"間違いの和声付け"

ではこのメジャーコードの進行、弾いてみてください。

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なんだかビートルズっぽく、ダイナミックなロックっぽく聞こえるかも。

この平行ハーモニーは、アフリカンアメリカンの和声観の原初たるものです。

ガンサー・シュラーの記述から展開して教材には書いてあります。

 

ドレミファソラシドは、調性音楽的にはメジャースケールのことですが、音現象のみで考えれば単なる「旋律」です。

 

ただの旋律であれば、先のメジャーコードだけのヴォイシングも"当然可能"です。

 

初期学習では平行ハーモニーなんて「間違い」、「安易」、「ダサい」、「無知」とか、って思わされてしまっていたものです。

 

でもセカンダリードミナントとか学んでくるぐらいの耳になってこれを鍵盤で弾くと、このほうがスリリングと感じたりします。

 

 

有名なところでは、スティービー・ワンダーの平行ハーモニーsus4連鎖!

www.terrax.site

後はあなたがどちらを選ぶかです。

 

それまであいまいだった機能和声の極み=不定調性

で、これをどんどん展開していくと、


CM7-DM7-EM7-FM7-GM7-AM7-BM7

 

 とか

 

Csus4-Dsus4-Esus4-Fsus4-Gsus4-Asus4-Bsus4

とか

CmM7-DmM7-EmM7-FmM7-GmM7-AmM7-BmM7

とかでも良いわけです。

 

また、それらを混ぜる。

 

CM7-Dsus4-EM7-Fsus4-GM7-Asus4-BM7

これでもOKです。

上の音源は、

CM7  Dsus4-D△  EM7  Fsus4-F△  GM7  Asus4-A△   BM7   C 

と弾いています。 

 

M7だけが連鎖しているフレーズにある種の統一感、構造美を私は感じます。

しかし構造美、というのも西欧の価値観や、数学が示す美意識などの殉じた価値観です。

問題は美意識をあなたがどこに感じるかです。

 

伝統的な歴史に美を感じるか、斬新でカオスなものに美意識を感じるか、汚濁で奇異なものに美を感じるか。

ドビュッシーの響きは斬新ですが、ただ驚きだから興味があるだけで、美しさまでは感じない、とかいう微妙な実感はないですか?

普通の機能和声の音楽を聴いたら「あ、やっぱりこっちが落ち着くなぁ」ということはないでしょうか?

自己表現は、自分の心技体にとって無理のない、美意識を冷静に探してください。

 

気分によって不定調性に寄りたくなったり、めちゃくちゃブルースにしたかったりします。

今どんなふうに表現したいか、だけを考えるようになります。理論的に正当性があるかどうか、ではなくて。

 

 

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