音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

Free As A Bird/Real Love(ハーフシャドウ進行の完成)

2018.4.7⇨2020.7.17更新

Free as a bird & Real Love /The Beatles

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これはビートルズ"最後の"シングル2曲です。

Free as a bird

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|A F#m |Dm E |×2
A F#m |Dm G |C Am |Esus4 E |
Fmaj7 | F#m7b5 |G |A A/G |
Fmaj7 | F#m7b5 |G |E |
ソロ
C Am | G# G |~

 

IVmであるDmが良い効果を出しています。
このセクションの最後のEsus4の濡れたようなアルペジオトーンも効果的で、雨上がりの太陽の光という印象を感じました。

 

またブリッジではm7(b5)が効果的に使われています。
キーはAメジャーですが、どこか湿ってくすんだような感じがしながらもきらきらと光っているようです。雰囲気に統一感があります。

 

このメジャーキーとマイナーキーが合わさった雰囲気を極めたバンドなんだな、と改めて感じました。

 

ソロでの半音下行のメジャーコードもおなじみです。

G#は続くGへの裏コード解釈もできますが、そういう理解ではなく、「収束に向かおうとする意図」を感じて配置すること、が大切です。

 

「いろいろあったけど、僕らはこれで良かったのさ」
というメッセージを感じるのは私だけでしょうか??

 

どこか「このボタンを押せば音楽はビートルズになる」という音楽性を極めてしまったがゆえの解散、とも受け取れます。やり尽くした、という感じがします。もうビートルズが何をやっても驚かれなくなったらビートルズはビートルズで無くなるからです。

 

そしてこれらの手法は沢山の後輩ミュージシャンの新しい感覚に引き継がれた、ともいえるので、幕引きはとてもすがすがしいです。それらはビートルズが考えもしなかったら、Steely Danやニルヴァーナに変質して引き継がれた、とも言える、とこのブログでも書いています。

 

この曲が、この段階でリリースされたからこそ伝わる、勝手な解釈ってあるじゃないですか。そういうところが大切だと思うのです。

     

 

real love

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イントロ
Dm |A |Dm |A |

 

D | F#m | Bm | Aaug |
G | A |D7 G |D7 G |

D |Gm | D |Gm |
D Bm | G A | D Bm | G A |

イントロはDマイナーキーです。


そこから曲中でDメジャーキーに変わり、Aaugが効果的な"きしみ"を表現しています。
そしてサビのGm、いわゆるIVm。ここでも変化をもたらしています。

 

このイントロの感じからAメロに入る変化感は、聴くのに体力がいるかもしれません。

 

光と影が入り交じることで様々な色合いが劇的に変化するような楽曲の流れです。

重力きつい! Gがかかる!的な。
こうしたことを二枚目、三枚目のアルバムではなかなかできなかったかもしれませんが、ひょっとすると彼らの中にはずっと存在していて、時代が追いつくのを待っていた的な感じになっていたのかもしれません。


"ビートルズの完成"をみるような曲ですね。すなわち不定調性進行と位置づけられるビートルズの"ハーフシャドウ"進行=長調と短調の融合したポップミュージックの音楽性の完成、と理解したいところです。

ここから先は、何もビートルズがやらなくても他のバンドが引き継いで展開して発展させてやったほうが面白い、と言われるとどこか言い得て妙です。ビートルズがこれ以上ビートルズを超えることはないし、その先の表現はSteey Danやニルヴァーナ、オアシしやGeen Dayになってしまいます。

そういう意味ではストーンズはどこまでいってもストーンズだった、というのも逆に納得です。

ビートルズはバンドの限界まで行って、その表現が"ビートルズ"に収まらなくなるところまで探求してしまったんではないでしょうか。