2018.3.11→2020.4.21更新
前回
歌詞については掲載しておりませんので
https://www.uta-net.com/artist/2750/
こちら等にて確認ください。
Happy Birthday to you ~ヴィーナスの誕生
分数コードで押してくる颯爽感。
全体的に分数コードな感じになっているのはコンセプトのようにも感じます。
情熱に届かない ~Don't Let Me Go~
Aメロ〜(アルバム収録タイム 0:46-)
FM7 |FM7 |Em7 |Em7 |
FM7 |FM7 |CM7 |CM7 |
Bメロ
B♭M7 |B♭M7 |Am7 |Em7 |
FM7 |FM7 |Dsus4 |D7sus4 |
サビ
Em7 |Em7 |Bm7 |Bm7 |
CM7 |D/C |Bm7 |Em7 |
Am7 |C/D |〜Em7 |
AメロはAマイナー、BメロはFメジャー、サビはEマイナー
という感じです。
これもユーミン和声技法の総結集のような楽曲。
BメロのB♭M7はAメロのCM7から全音下がることで変化を見せるし、そのままAm7に流れるのはユーミンの得意のコードパターン。
Bメロ終わりと、サビの最後のC/DはどちらもEm7に結びつける(VII♭→Imというケーデンスになっているといえる)ことで、V7→Im的な短調感の打ち消し。
またサビのCM7-D/C-Bm7も共通音を持つコード移行。
遠雷
Aメロで
F#m7 | |E/F# | |
F#m7 | |〜
このIm-VIIbはどこか落ち着かず「ゆらゆらする」進行です。
遠くで鳴る遠雷のように、どこかなんとも言えない不安な感じ、を覚えます。
この先どうしようか、とか。
この進行をわかりやすく、Amキーで書いて応用してみましょう。
用例;
Am |G/A |F/A |G/A |
どうでしょう。
ベースラインが固定されて、上部だけが動くことで、
なんとも「動けない心」のイメージ(メタファー)を感じませんか?
遠雷をキャノンボール=大砲みたい、と表現していますが、あの遠い雷はこっちに来るのか、不安だけ感じさせて立ち去っていくのか、雷の存在感に不安は倍増しますね。
ハンコックの『処女航海』みたいな感じから、モードジャズというのが不安と言うか、現代人が未来に感じる漠然とした雲行き、みたいなものを感じさせるようになったと思います。モードジャズは、「モードの停滞」がこういったじりじりした感じ=新しいクール?を感じさせるのかも知れません。皆さんはどうですか?
Herbie Hancock - Maiden Voyage(youtubeに飛びます)
逆に
C |F/C |G/C |F/C |
とメジャーコードでベースを固定すると、ワクワクがずっとそこにあるような、そんな印象にもなります。
あなたがどう感じるかわかりませんが、
簡単なコード進行でもベース音を固定して演奏してみてください。
独特な感じを得るかもしれません。
DAWN PURPLE
Aメロ〜(アルバム収録タイム 0:29)
E |Esus4 |E |Esus4 |
G#m7 C#m7 |F#m7 F#7 |Bsus4 |B |
G |Gsus4 |G |Gsus4 |
Bm7 Em7 |Am7 |Bsus4 |B |
=degree=
(Key=E)I |Isus4 |I |Isus4 |
IIIm7 VIm7 |IIm7 II7 |Vsus4 |V |
(key=G)I |Isus4 |I |Isus4 |
IIIm7 VIm7 |IIm7 |IIIsus4 |III |
同曲は、同じ旋律パターンをEメジャーキーとGメジャーキーで展開しています。
Bsus4-B-Gの変化感が特徴的。
ユーミンが行なう転調技法の一つで、ここでも曲調の壮大な展開に合わせたような短三度の転調が楽曲の雰囲気を作っています。
しかもそれぞれが同じBsus4で統一されているやり方にも工夫がされているのでぜひ曲を聴いてかつ演奏してみてください。
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