音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

不安にさせるコード進行;遠雷~ユーミン歌詞・コード考48

ユーミンの不定調性コード進行研究

ユーミン歌詞・コード考52 / アルバム「DAWN PURPLE」1

歌詞については掲載しておりませんので

www.uta-net.com

こちら等にて確認ください。

   

1,Happy Birthday to you ~ヴィーナスの誕生

 

分数コードで押してくる颯爽感。
全体的に分数コードな感じになっているのはコンセプトのようにも感じます。

 

2,情熱に届かない ~Don't Let Me Go~

(ユーミンレポートより)
Aメロ~(アルバム収録タイム 0:46-)
FM7 |FM7 |Em7 |Em7 |
FM7 |FM7 |CM7 |CM7 |
Bメロ
B♭M7 |B♭M7 |Am7 |Em7 |
FM7 |FM7 |Dsus4 |D7sus4 |
サビ
Em7 |Em7 |Bm7 |Bm7 |
CM7 |D/C |Bm7 |Em7 |
Am7 |C/D |~Em7 |

この曲も厳密な調性分けはあまり重要ではない。AメロはAマイナー、BメロはFメジャー、的サビはEマイナーを感じさせる。

 

BメロのB♭M7はAメロのCM7から全音下がることで変化を見せるし、そのままAm7に流れるのはユーミンも好んで使うコード技法である。

それからBメロ終わりと、サビの最後のC/Dはどちらもメジャーキーで使うコードを続くEm7に結びつける(VII♭→Imというケーデンスになっているといえる)ことで、V7→Imに見られるようないかにもな短調感を打ち消している。

またサビのCM7-D/C-Bm7もグラデーションのように色彩を変化させて、共通音を持つコードに移行している。

 

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3,遠雷

 

Aメロで
F#m7 |% |E/F# |% |F#m7~

という感じで「ゆらゆらする」進行が使われいます。
このじりじりとしたAメロが、不安な感じ、というか、ああ、この先どうしようか、という、これは、人が誰でも感じる不安のようにも解釈を持っていけそうでした。

 

遠雷をキャノンボール=大砲みたい、としていますが、あの遠い雷はこっちに来るのか、不安だけ感じさせて立ち去っていくのか、それが存在するだけで不安は倍増しますね。

 

人を不安にさせるコード進行の例として、こうした曲について考えてみると良いのではないでしょうか。

 

モードジャズ的ですね。
ハンコックの『処女航海』みたいな感じから、モードジャズというのが不安と言うか、現代人が未来に感じる漠然とした雲行き、みたいなものを感じさせるようになったと思います。

 

4.DAWN PURPLE

(ユーミンレポートより)
E |Esus4 |E |Esus4 |
G#m7 C#m7 |F#m7 F#7 |Bsus4 |B |
G |Gsus4 |G |Gsus4 |
Bm7 Em7 |Am7 |Bsus4 |B |
=degree=
(Key=E)I |Isus4 |I |Isus4 |
IIIm7 VIm7 |IIm7 II7 |Vsus4 |V |
(key=G)I |Isus4 |I |Isus4 |
IIIm7 VIm7 |IIm7 |IIIsus4 |III |


同曲は、同じ旋律パターンをEメジャーキーとGメジャーキーで展開している。

ユーミンが行なう転調技法の一つであり、ここでも曲調の壮大な展開に合わせたような短三度の転調が楽曲の雰囲気を示している。

しかもそれぞれが同じBsus4で統一されているやり方にも工夫がされているので考察頂きたい。

 

DAWN PURPLE