音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

現実逃避で娯楽に興じるのではなく、生きているだけで素晴らしいから娯楽も楽しめる~ユーミンレポート

2018.2.18→2020.2.11更新

ユーミンの不定調性コード進行研究

全部の目次はこちら

ユーミン歌詞・コード考 / アルバム「MISSLIM」3

歌詞については掲載しておりませんので

www.uta-net.com

こちら等にて確認ください。

 

 

154,私のフランソワーズ

open.spotify.com

まったりとした夕暮れ時を感じる歌詞。

 

"夕暮れが溶けてゆく"って表現。

 

世間は家路に急いだり、これから仲間で飲みにいく、というざわざわしている空気感の中で、ゆっくり夕焼け色の様を見ている。

 

152,旅立つ秋
(ユーミンレポートより)

open.spotify.com 静かな
Bメロ~Aメロ(アルバム収録楽曲タイム0:46~)
CM7 |Em7 Bm7 |Em7 Am7
CM7 |Em7 Bm7 |Em7 E|
Aメロ
Am7 Em7 |FM7 |Dm7 Em7 |Am7 |
=degree=
Bメロ(Key=Em)
VI♭M7 |Im7 Vm7 |Im7 IVm7
VI♭M7 |Im7 Vm7 |Im7 I|
Aメロ(Key=Am)
Im7 Vm7 |VI♭M7 |IVm7 Vm7 |Im7 |

たとえばCメジャーキーとGメジャーキーでは、その二つのダイアトニックコードには、CM7、Em7、Am7、Gといった共通コードが存在します。

これらを行き来することで、転調感を押さえながら、使用できるコードの選択肢を増やすことができます。

 

ただし調が移行するので曲の流れの「意味感」を作者が見失わないようにコントロールできる経験則が必要です。

これは、理屈でどうなる、というものではなく、とにかく組み合わせて選択しながら「自分はどっちに行きたいか」決める、という経験をひたすら積んでいくしかありません。

一度使ってしまったものは、次の曲では使えないので(ストイックなレベルでクリエイティブではない、という意味において)、いつも新しいものを探す感覚力をつけていく行為そのものです。

この曲の場合は、

Aメロ=Aエオリアン進行(エオリアンの特性音が出ているわけではない)、

Am7-Dm7-Em7

が出ているので、BメロでAドリアンに変化した、と捉えることもできます。


Bメロ、

「明日あなたのうでの中で 笑う私がいるでしょうか」

「明日霜がおりていたなら それは凍った月の涙」

における"明日あなた「の」うでの中で 笑う「わ」たしがいるでしょうか"は、Aドリアンのナチュラル6thがメロディ音として使われています。


よってAマイナー→Eマイナーの交換は、AmのIのAmから、EmのIVのAmに変化するモーダルインターチェンジとも解釈することが出来ます。

このモードの変化と、微細な転調感、歌詞とメロディと歌声の淋しさの印象ゆえに

「ゆらゆらと微細に揺れる陽炎のような人の思い」

「その地に残された残留思念に影響を及ぼされてそういう気持ちになってしまうかのような印象」

を感じました。

ラブソングなどのような派手な印象はありませんが、本来音楽が作り出す「機微」というのはこのくらい微妙なものです。

映画やアニメで起きるようなことが現実では起きないから、現実社会はつまらない、といってしまうと生きる本質への理解がおかしくなると思います。

 

私見で恐縮ですが、私がフォークソングから学んだことは、本来は生きているだけで、ちょっとした季節の変わり目を感じられるだけで、素晴らしい体験だ、ということで、そういう小さな変化を感じられる人間になろう、という理解をしてきました。

 

何も起きなくても人生に感謝できるから、アニメや映画を観て(つまり非日常的な娯楽が)さらに楽しい、という思える豊かな時代にいる、と思いたいな、と。

 

ユーミンソングは、フォークの時代の後に生まれた、現代ポップスなので、短歌や随筆のような世界観がとても魅力です。特に荒井由実時代は。又は最近のアルバムにはそれが戻て来たような気もしますし。

 

中学時代に読んだ古文のような、現代文のような、そういう音楽を、大人になった今ならきっと深く楽しめます。

 


用例;
CM7 |GM7 |CM7 |Em7 |
FM7 |CM7 |D7 |Dm7/G :|
=用例参考degree=
(Key=G)IVM7 |IM7 |IVM7 |VIm7 |
(Key=C)IVM7 |IM7 |II7 |IIm7/V :|
GメジャーキーとCメジャーキーを微妙な色合いで行き来する例。

 

音はこちらで。

rechord.cc

 

 

MISSLIM