音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

連鎖された和声の流れに自由に意味を当てはめる~ユーミン歌詞・コード考5

2018.2.18→2020.2.4更新

ユーミンの不定調性コード進行研究

ユーミン歌詞・コード考4 / アルバム「MISSLIM」2

アルバム全目次はこちら

 歌詞については掲載しておりませんので

www.uta-net.com

こちら等にて確認ください。

 

153,海を見ていた午後

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"ソーダ水の中を貨物船がとおる"

絵が感情とともに浮かぶ詞。きっと頭をもたげて、けだるく外を見ているんだ・・とかって想像させます。その視線の高さに頭がないと貨物船はコップの向こうで通りません。

いやいや、手に持ってウキウキしながら泡を見ていたら向こう側に船が見えたのさ!

いやいや、そんな船が通るのがじっくり見えるほどコップ持ち上げて泡見ないだろ!大体うきうきしてないし・・

じゃあ、けだるく見ていたんだ・・

けだるくコップ持ち上げっぱなしで泡見る奴いるか?

ユーミンはそーしたかも・・。

とか、言い合う若いころ。

 

じっくり歌を鑑賞し、主人公の感情に興味を抱くことが出来た時代の思考のテンポ感がいいですよね。

 

151,たぶんあなたはむかえに来ない
(ユーミンレポートより)

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Bメロ(アルバム収録楽曲タイム0:42~)
D♭M7 Cm7 |B7 A♭m7 |G7 E7 |E♭sus4 E♭ |
=degree=
(Key=A♭)
IVM7 IIIm7 |III♭7 Im7 |VII7 VI♭7 |Vsus4 V |


この部分、1コーラス目での歌詞は

「心はもうホームにすべり込んでいる」、

同部分2コーラス目では

「心はもうとっくにくやんでいるのに」

となっており、聴感上は「あぁあ」という女性の溜め息が、聴こえてきそうな和声進行になっています。


ベースラインが下降(D♭-C-B-A♭-G)していく感じが感情表現に沿っています。

下降=感情の沈下のメタファーですね。

後は聴き手であるあなたがどう感じるかです。


B7 A♭m7 G7 E7という流れは一旦A♭メジャーキーから乖離しています。

連鎖された和声の流れが作者自身に生み出す「意味感」を把握しながら音楽を作っていく方法です。
IVM7からの下降を進めながら、「どこかで元のキーに戻る工夫」をしなければならない。ここではV7に結びつかせることで、このセクションのあとは何事もなかったかのように元のA♭メジャーキーに戻ることができます。

 その間のコードは実際どのようなコードでも良く、響きを感じながら、流れが持つ意味を見失わないコード展開を保ちつつ元に戻す必要があります。

これは経験と感覚が頼りです。変に理屈で考えていると戻せなくなることもあります。

理屈で考えず感じながらコードを埋めていく訓練が不定調性論です。きっぱり理屈で考えるのをやめて感覚を真ん中に置いて考えることをやってみると、意外とスッキリ行くときもありますよ。

 

用例として逆に上がっていく和音進行を下記に提示してみます。

Cメジャーキーから始まり、一旦Cメジャーキーを離れ、また戻るように考える。
用例
CM7 C#m7(♭5) |DM7 D#dim7 |EM7 FM7 |F#m7(♭5) F/G :|

音はこちらで聴いてください。

rechord.cc

どんな印象を受けましたか?

霧が晴れていく感じ?みたいな印象を感じました。

フルートとかのメロディが乗りそうですね。こんなふうにイメージが固まれば何をやるかも見えてきます。

やってみてください!

 

MISSLIM