音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

魔術的な歌詞とその雰囲気を創るニューミュージック和声~ユーミン歌詞・コード考3

ユーミンの不定調性コード進行研究

ユーミン歌詞・コード考1 アルバム「ひこうき雲」2

 

各種レポートはM-Bankにお問い合わせいただければPDF似て無償で配布しております。宜しくお願い致します(日本音楽理論研究会にて発表も行いました)。

 

歌詞については掲載しておりませんので

www.uta-net.com

こちら等にて確認ください。

 

1,ベルベット・イースター
こちらでも分析しています。

www.terrax.site

 

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ベルベット+イースター

これも以前、学んだんですが、カッコいい響きがすると思う二つの言葉を足して、新しい言葉を作る技法です。

こういう新しい言葉は、時代を経るに従い、新しい意味を作り、廃れることがない、というのです。全くもってその通りだと思います。

 

天使が降りてきそうなとっても低い空、現実逃避するような歌詞と幻想的な空気感が、少し暗めの雰囲気の曲調とあいまっています。

 

Cm7 |G7 |Gm7 |F |
の逆ドミナントマイナーモーションが、ふっと魂が抜けていくような感じをもたらし、これがあとで天使の仕業なのだ、と教えられるような雰囲気に、ぞくっと来ます。

 

この天使、はたして、良い天使なのか、悪い天使なのか、なんとも少女の心には判別できないであろう雰囲気が、この楽曲の醸し出す雰囲気にも取れて、ゾクゾクする作品になっています。

 

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3,雨の街を

また死生観を感じてしまいます。恐怖というよりも畏敬、究極的には、何事にも終わりがある、と良い意味でとらえて、「その先」を時代の中で見つめていたのかな、なんて感じます。


ベルベットイースターでも雨が振っていて、空から天使が降りてきそうだったわけで、この曲ではそれが妖精だった、と分かると、なんとなく、ベルベット・イースターの曲の全容が、分かってくるような気さえします。

 

パステル色の歌詞の世界。「雨はミルク色」なんて絵が描けないと言えないし、凄く説得力があって、この曲を一枚の絵にしたら、なんて。思うわけです。

 

 

5,そのまま


Aメロ(アルバム収録楽曲タイム0:14~)
C F/C |C C7 |F F/G |C B7sus4 Bm7 |
E7 Am7 Am7/G |F |F/G |C F/C |C F/C |
=degree=
(key=C)
I IV/I |I I7 |IV IV/V |I VII7sus4 VIIm7 |
III7 VIm7 VIm7/V |IV |IV/V |I IV/I |I IV/I |


ユーミンの分数コードの印象は、参考文献の表現を汲むと「中間色」「浮遊色」という印象を受ける。

この曲はシンプルなC dur(C major)でありながら、ニューミュージックで以後使われるようになる分数コードのほとんどの種類が用いられている。

 

歌詞も「ひとりベッドにすわって ぼんやりどこかを見つめている」というところからスタートするこの部分が抽象的で、浮遊したようで、云う通り「ぼんやりした」感じが表現されているように感じる。

 

こうした分数コードも当然、個々人それぞれの印象を持っているだろう。音楽に用いる時は、それが歌詞のメッセージとリンクしていなければ、ただ良く聴かれるポップス的響きを用いただけになってしまう。


この曲の分数コードは、特にI→IV/Iの利用法を真似すると良いのではないだろうか。これは、
|C |F |C |F | と |C |F/C |C |F/C |
|C |F |G |C | と |C |F |F/G |C |


などの雰囲気の違いを、作曲者がその印象と表現している事象の違いを感じ取ることで、分数コードの使い方を活用されたい。

 

 ひこうき雲

 

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