2018.2.17→2020.3.23更新
ユーミンの不定調性コード進行研究
ユーミン歌詞・コード考1 アルバム「ひこうき雲」2
前回
歌詞については掲載しておりませんので
https://www.uta-net.com/artist/2750/
こちら等にて確認ください。
ベルベット・イースター
Aメロ(アルバム収録楽曲タイム0:09~)
Cm |G7 |Gm |F |
A♭ |E♭ |D7 |G7 |
=degree=
(key=Cm)
Im |V7 |Vm |IV |
VI♭ |III♭ |II7 |V7 |
"天使が降りてきそうなとっても低い空"
現実逃避するような歌詞と幻想的な空気感が、少し暗めの雰囲気の曲調にマッチしています。初期のユーミンを決定づける楽曲だと思います。
ここでは短調のV7がVmに戻り、そのまま長調のIVに流れるという光と影が行き来する雲間の大地のような動きをします。
これも「どんよりとした空」を言い表しているようです。
C |Cm |F |Fm |
G |Gm |A♭ |A♭m |
というような流れの中でメロディを入れられます??
"ベルベット+イースター"
これも以前、学んだんですが、カッコいい響きがすると思う二つの言葉を足して、新しい言葉を作る技法です。
新しい言葉は、時代を経るに従い、新しい意味を作り、廃れることがない、というのです。全くもってその通りだと思います。
この天使、本当に天使なのか、それとも??と、少女の心には判別できないであろう雰囲気が、ゾクゾクさせます。
雨の街を
ベルベットイースターでも雨の匂いがして、空から天使が降りてきそうだったわけで、この曲ではそれが妖精だった、となっています。
なんとなく、ベルベット・イースターの曲の全容が、分かってくるようなアンサーソングです。
アルバムって、個々の曲を関係させればストーリーができる文化なんだ、と教えられます。
パステル色の歌詞の世界。「雨はミルク色」なんて絵が描けないと言えないし、説得力があって、この曲を一枚の絵にしたらと思います。
このアルバムはどこか霊的です。
そのまま
Aメロ(アルバム収録楽曲タイム0:14~)
C F/C |C C7 |F F/G |C B7sus4 Bm7 |
E7 Am7 Am7/G |F |F/G |C F/C |C F/C |
=degree=
(key=C)
I IV/I |I I7 |IV IV/V |I VII7sus4 VIIm7 |
III7 VIm7 VIm7/V |IV |IV/V |I IV/I |I IV/I |
ユーミンの分数コードも「中間色」「浮遊色」という印象ですね。パステルカラー。
この曲ではニューミュージック的分数コードの宝庫。
特にI→IV/Iの利用法を真似すると良いです。
|C |F |C |F | と |C |F/C |C |F/C |
|C |F |G |C | と |C |F |F/G |C |
などの雰囲気の違いを感じ取れるようになってくだい。
停滞・駐留・ふんわり・ぼんやり、何かを感じるようにしてみてください。
あなたが音楽をやりはじめたなら、いずれ、それを使いたくなる時に今の感情にピンと来るときが来ます!
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