2018.1.27⇨2020.5.19更新
ビートルズの不定調性コード進行研究
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ほぼ全曲ビートルズのコード進行不定調性考察 アルバム「Rubber Soul」3(2018)
イン・マイ・ライフ - In My Life
マニアほど知ってるII7-IVmが美しく響いています。
Aメロ
A |F#m A7 |D Dm |A |
A |F#m A7 |D Dm |A |
Bメロ
F#m |D |G |A |
F#m |B7 |Dm |A |
このA7も綺麗です。
例のB7-Dmは変化感が大きい進行だと思います。
細かく云うと、
B7=b,d#,f#,aですよね。これがDmにいくと、
d#→d
f#→f
という半音下降が、ゆるーい感じを出し、aはそのまま、ジャズではbを弾いて、Dm6みたいにすると美しかったりします。
B7-Dm6
この♮6thがサブドミナントマイナーには良く映えるんですね。
またさらりと使っていますが、A7も効果的です。
A--F#m(9)--A7---D--Dm
とすると、内声にa-a♭-g-g♭-fという流れが出来て綺麗です。これもお試しあれ。
メロディが繊細でコーラスが分厚くて綺麗です。このバランスよ。。
ウェイト - Wait
open.spotify.comカッコいい曲です。生のパーカッションの音作りの参考になります。
Aメロ
F#m Bm/F# | Bm/F# F#m |C#7 F#m |
F#m Bm/F# | Bm/F# F#m |C#7 F#m |
これって三小節区切りなんですよね。
これがなんでしっくりはまるのか謎ですが、みなさん以下の様なことありませんか?
・曲を作っていったら勝手に転調しちゃった
・どんどん音域が上がってしまう
・戻れなくなっちゃう
・尺が変
・1コーラスが長くなっちゃう
まあ、まずは完成させてみたら?ってビートルズに言われそうですね。
この三小節の入り、とっても変だけどカッコイイ。なぜかかっこいい。
サビ
A D |% |% |A C#7 |F#m |
展開部
Bm |E |A |F#m |
Bm |E |A |C#7sus4 C#7 |
16ビートのビートルズ、このアルバムから実験が始まった、という感じですね。
リンゴ・スターの16ビートって、叩いてる姿も、重いノリも実はカッコよかったりするんですよね。
恋をするなら - If I Needed Someone
ジョージの名曲ですね。コード的にもびっくりなんですよ、この曲。
武道館ライブの映像も忘れられません。少しゆっくりなんですよね。
Aメロ
A | % |% |% |
G/A |% |A |A |
A | % |% |% |
G/A |% |A |A |
展開部
Em |F#7 |% |Bm |
Em |F#7 |Bm |E |
G/Aがカッコいいですね。ふわっと浮く感じが良いです。
で、展開部が、Em・・・?
え?Vm?
という感じです。キーはAメジャーですから、ドミナントはEです。
強烈なドミナント感のEにいかずEm。
これを意図していたのか、Eを避けたうえでのEmなのか、彼の指の動き癖か、好きな響きなのか、サイコロを振ったのか。これが唯一できる思考の状態があるとしたら、
「こっからどのコード行こうかな・・・最近使ってないのコードは・・・こっちは行ったことあるし、これは聞いたことあるし」
です。これでないと調と機能を無視したコードの流れや展開はできません。コードに限らず、メロディもリズムも全てこの発想で。
でも皆さんそうやって作っていますよね。でもその思考のやり方には名前がなかったと思います。
そこで勝手に不定調性論的思考、って名前を付けたんです。
自分のクオリアのなすがままに発想し、最初から最後まで感覚で構成をして、だいたい出来上がった後でセオリーを用いる、というやり方です。
(全部ヤマカンじゃないのでご注意ください笑)
で、Bmへの帰着。
このBmはBマイナーキーとしてのIと、AメジャーキーのIImのpivotになります。
作曲する人は、ぜひ、弾いて確認してみてください。