音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

怖いから知識・理論に頼ってるだけです。Dear Prudenceの掛留概念の拡張~ビートルズ楽曲topic★★★

2017.12.24⇨2019.10.20更新

ビートルズの不定調性コード進行研究

ほぼ全曲ビートルズのコード進行不定調性考察「The Beatles」1(2017)

1、バック・イン・ザ U.S.S.R. - Back in the U.S.S.R.

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これも不定調性的進行で進んでいきます。

「知ってるコードを感覚で並べて作るコード進行」です。

ただし、そこにカッコいいメロディが載せられるかどうかは別です。。

メロディメーカーは「こうなるといい感じになる」を知っていますが、それは毎回なんとなく感じるイメージ感が根拠になるので、セオリーとして絶対的な法則のように定義づけることができません。

AIがヒット曲を作るようになって、何十万曲と作るようになった頃、こういう風な時にこういう風にすると必ず良い音楽になる、みたいなことは法則化されるのではないでしょうか。それまでは自分が良いと思う音楽を研究して消化していく以外ないということです。

Aメロ
A |D |C |D |
A |D |C |D |

サビ

A |C |D |D ||

 A |B7 E7 |~

Aメジャーキーの中にCとB7が入ってきます。
メジャーコードで、いたって簡単なのですが作り出す雰囲気が独特です。
強烈な変化感がロックしてます。

しかも、A,D,Cのコードを順序を入れ替えて使うところなど、なかなかニクいです。

この入れ替えによる変化感は、ただの入れ替えなのに結構強烈です。

・コードの利用が似通っていれば、ダイナミックな曲は作れない、という観念を吹き飛ばしてくれました。

 

2、ディア・プルーデンス - Dear Prudence
これは掛留概念の拡張=クリシェナンバー。

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イントロ
Dadd9 D |C/D G/D |A/D C/D |2/4 C/D |
D D/C |D/B D/Bb |


Aメロ
D D/C |D/B D/Bb |×4
D D/C |D/B D/Bb |D |C G |
D D/C |D/B D/Bb |

展開部
D G/D |A/D G/D |D G/D |A/D G/D |F Ab |~


Dが目立ちますね。
不定調性では、クリシェの拡大手法を「掛留概念の拡張」と呼んでいます。
ギターポジションの関係とベースラインの組み合わせによって生みだされた雰囲気です。

 

作業は単純です。
ベースライン、トップ、内声をどんどん変えて、響きの連鎖に自分が脈絡を感じられるかを精査しながら流れを作っていきます。理屈ではなく、それをどう感じるかだけです。

あなたの責任です。それが怖いから理論に頼るんです。極端な言い方ですが。

「ちゃんとしてるね」って言われたい人は、普段はそう言われてないんです。

「ちょっとおかしいね」って言われたい人は、普段普通で真面目で面白みがないんです。私は後者笑、、そう、どっちにしても一人のときに人は欲望が行動に出るんです。

 

それを方法論にしないといけない、と感じました。

方法論に従いたくない人が使う方法論、があります。

不定調性論は独自論ですから、それを通して他者の行動を見ることができます。コントロールするのではなく、それによってどう振る舞うかまでが方法論です。

ルールに従って100点取るもよし、従わずにヒーローになって牢屋にぶち込まれるのもよし。個人の願望以外不合理を恐れず突き進める動機などあろうはずがありません。

これは現代においてしっかりとした音楽のルールが意識の上にあるからこそできる考え方だと思います。

 

変な例を出してみましょう。

 

C△を分子にします。
C△/C=C△
C△/C#=??
C△/D=Am7(11)
C△/D#=??
C△/E=C/E
C△/F=FM7(9)
C△/F#=??
C△/G=C/G
C△/G#=G#augM7
C△/A=Am7
C△/A#=C7/Bb
C△/B=CM7/B


と列挙します。

機能和声の範疇を超えた和音が沢山出てきます。
しかしながら、それらの特殊和音にも雰囲気があります。名前がないからと差別するのはやめましょう。これらの和音を普段意識の外に置いているかもしれません。

まずは常識を気にせずトライするところから始めましょう。

     

次のような進行はどうでしょう。
G|G/D#|G|G/D#|


G|G/C#|G|G/C#|


G|G/F|G/F#|G|


G|G/D|G/G#|G||


G|G/E|G/B|G/A|

音源はこちらhttps://rechord.cc/q23CjSzK7T4

協和と不協和のバランスと、二つのライン(和声の停滞性)と低音の陰鬱とした動きが、なにか押し止められた感情の、嵐の前の静けさのような雰囲気を作ります。
逆に最後のG|G/E|G/B|G/A|は、憂いはなく、淡々とした情感、例えるなら、うーん。。昼下がりの海沿いに広がる埋め立て地の駐車場、みたない殺伐さ?

何ともいえない、「空虚感を持った感情」のようなものでしょうか?
皆さんそれぞれ、いろいろと感じると思います。

 

結局そういう感情を、疑わず、解釈し、創造的に活用しようと思い、音楽にストレートに活かしていくことで、自分が感じたことの音楽が生まれるわけです。これはなんとなく人の作ったファッションを着るのではなく、自分で一から服を作る、みたいな感じなので、そういう人は限られるかもしれません。だから不定調性論もマイナーであることは避けられないのですが、そういう人が一人でもいて活用できるのであれば、こういう考えをベースに自分の音楽表現法を作ってください。

 

ちょっとした感情を自ら展開できて行くと、自分の曲がとても大切に感じられます。

「自分に出会えたような気」がしますよ。最初はがっかりしますが笑、どんどん「自己」って成長するんです。そのあと「自我」になって厄介なことを引き起こします。

この「自我=エゴ」を上手にコントロールするためには、精神性が充実しなければならないと思うんです。音楽において自己がわかれば、自我が身勝手で他者を蹴落とそうとする怖い存在であることがわかると思います。

それがわかれば多少無意識のうちの他者への非難を防げます。心の健全さも保てます。

急に難しい話になったw。

 

3、グラス・オニオン - Glass Onion
ブルージー7thの活用ナンバーですね。

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Aメロ
Am |F7 |Am |F7 |
Am |F7 |Gm7 |C7 |
Gm7 |C7 |


サビ
F7 |D7 |F7 |D7 |
F7 |D7 |F7 |G7 |

 

機能和声的に見たら、完全にAm-F7で調が瓦解します。
でもF7がブルースのVIb7を想起させ、ブルージーに響きます。
ゆえに、一回これを使ってしまうと、全体がブルージーにならざるを得ないんですね。

でもビートルズはこの今日、弦楽を入れていますからね。すごいです。ジェームズ・ボンドテーマみたいな雰囲気になってます。ジョンらしい歌詞の雰囲気もカッコいいです。

 

これらのF7,D7がFM7,DM7だとまた全く雰囲気が変わります。

この差を作曲の際に感覚として捉えられればいいわけです。もちろんM7の憂いの方が好きだ、という方もおられるでしょう。理論に頼らないと個性しか残りません。「ああ、自分才能ないなぁ」って思うのも理論に頼らなくなった時。そっから真剣勉強して戦おう!と思うかどうかですね。

 

イメージは人それぞれ。

あなたがブルースロックを聞いたことがあれば、あなたはそのコードが出てきた時、なにやらスリリングなアブなさを感じるかもしれません。

またブルースロックを聴いたことがなければ、ラベルやストラヴィンスキーのような燃えたぎる赤を感じるかもしません。面白いですね。同じコードで青と赤。

なんでもいいんです。自己を打ち出せれば。 

ビートルズはそれを20代前半でまるっとやったからすごいんです、その活動指針が。

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