音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

彷徨える疾走感~132,Teen Age Riot / Sonic Youthのコード進行分析★★★★

米津玄師作品の記事はこちら。

www.terrax.site

 

こちらは元祖TEENAGE RIOT。

open.spotify.com

オルタナ系のコード進行は、「わけわかんない系のカッコ良さ」で済まされることが多いようなので、不定調性論で一度だけソニックユースやらせてください。

   


「型にはまらない」というのは、決して実験性が高い、とかトリッキーなのではなく、単純に自分らしくやってるだけ。それを「トリッキー」と表現するのは、実は差別的な意味を含んでいると言わざるを得ません。大多数の人が「普通」という前提がまかり通るのは仕方がないが、差別意識をもって使っている、ということを理解しつつ、使われた方も卑下するのではなく「いやぁ、変態でごめんね!」って前向きにとらえて頂きたいです。希少種だから権利は得られずともその筋から大事にされます。表現者は差別をポジティブに考え、エネルギーやパトロンにして頑張って頂きたいです。

アインシュタインだって少数派ですよ?

何とか頑張って自分の居場所だけでも確保しましょう。

 

Teen Age Riot
<TAB>

海外にはフリープリンタブルなものがあるのですね、、、著作権がありますから、個人で閲覧して学習させてもらう範囲に留めましょう。

www.guitaretab.com

できれば音源を聴いて耳コピしてみてください。

ソニックユースストーリー 

こういう本もあるようです。チューニングについても掲載されているようです。


「変則チューニングは異質、邪道だ」と極める前から心の奥底で自然と決めてしまうと、とてももったいないです。ちょっとチューニング変えるだけで、いつもと同じ押さえ方で全く違う響きが出るんですから。せめてその可能性だけでも頭のどこかに入れておいてください。もし

「それは他の人がやらないやりかただ」

→自分は皆と同じ素材を用いて、もっと違うものを作り上げたい

と思う人は、立ち止まって考えましょう。

・それは単に通例のありように洗脳されているだけではないですか?

・それは単に人と同じやり方でやって、力を証明し認められたいという安易な希望だけではないですか?

いずれの道も普通の人の10倍はやらないと、とても頭角を出すことは出来ません。

もし今あなたが楽器弾きで毎日四時間以上弾いていないなら頭一つ抜きでるのは厳しいかも。。

自分が今選択しようとしていることをじっくり考えてから王道で行くのか異端でいくのかまじめに考えてください。結構この選択が人生を分けますので。

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この曲冒頭は、
D5 C5|G5 C5 |を繰り返します。コード表記は概略です。このリピート感が「焦燥」や「停滞」「圧迫」の音楽的クオリアをしっかり発信しています。

何らかのこうしたイメージ(自分にとってのイメージで良い)が明確に受け取れれば、あなたは変則チューニングの魅力を理解しています。

その魅力がなんであるか説明できなくても良いと思います。感じられることがすなわち動機です。もしも「ああ、こういうのだめ」と思ったら、あなたはまだその音楽に触れる段階ではありません。きっと。

   

ボーカルはそれらの"新しい"響きに感応するように、歌います。その響きが作る何らかのメッセージに感応してる歌い方ですよね。こういうところが才能の分かれ目だと思うのですが。


2:00前後からのアップテンポの独特の疾走感も、「自由だけど、なにすればいいかも分かってるけど、いったいこれ、どこに行くんだ?感」はまさに僕らの80年代の裏側、ですよね笑。幸福の上での葛藤、があったものです。


ここではGメジャーの基調もありますが、それに霧でもかけるようにGsus4が同時に響きます。
ジャズがGsus4にM3rdを(又はその逆も)乗せようとした理知的な試みとは正反対の、混沌と迷いをポップに表現するための不協和が見事です。

ボーカルのメロディも9th、11thあたりを行き来して3rdをただの経由音として使うような感じが良いのです。「当たるところを探っていたらそこに辿り着いた」のでしょうか。

 

C△において、d,f,aなどをメロディに使うのは、C.パーカーがバップで試した、みたいなことは以前(元は旧ブログ)書きましたが、不協和音に感応した結果出てくるメロディが面白いです。

 

音楽性でいえば「オルタナ」というより、これは単純にロックだと思います。「ソニックユースのロック」であり、ジャンルでくくっても仕方がないでしょう。

 

少しずつメロディと構造が固まっていきます。
G |Gsus4 G |G |Gsus4 G |

D5(11) |G5,6(またはD5/G) |
というようなかんじでしょうか。

D5(11)、G5.6というのは、あくまでベースと響いている音の感じで取っています。
たしかに最後はGで終わってますから、この曲はGメジャーキーで、IとVをただ繰り返すだけだ、思われたら、「単純すぎる」と評価されないかもしれません。

でもこれ、モードですよね。"Gアイオニアンモードの曲"だと思います。
モードの曲は、
・その主和音とモード音を提示すること
・機能和声を用いないこと
等ですから、見事に合致します。
オルタナのこうした「モードロック」という側面は、もっとジャズやロックの教材でクロスオーバーの例として取り上げて考える材料としても良いのではないでしょうか。

 

ドラムのビートがスウィングではなくて、8ビートである、ことも重要かと思います。
モードジャズは「停滞」が主な雰囲気でしたが、モードロックは

「彷徨える疾走感」

という感じに具体化されているではないですか。これは一つのモードの雰囲気(コード進行の展開のない感じ)がこうしたイメージにさせるからだと感じます。

題名;Teen Age Riot

「10代の暴挙」

まさにしっかり題名に全てが体現されていますね。こうした感受性の脈絡こそが、彼らの音楽をただのファッションではないことを分からせてくれます。