「Kind of Blue」の中からの一曲です。
BbM7(#11) |A7(#9) |Dm7 Db7 |
Cm7(9) F7(b9) |
BbM7 |A7(#9,#5) |Dm6(9) |
E7(#9,#5) |Am(9) |Dm(9) |
~ほぼこれが繰り返されます。
テンションについてはBbM7(#11)のみ気にして頂ければ良いかと思います。
メロディにテンションが使われていますね。
そのテンションを省いてシンプルにします。
sec.1
BbM7 |A7 |Dm Db7 |
sec.2
(Cm F7 |)
BbM7 |A7 |Dm |
sec.3
E7 |Am |Dm |
sec.4
BbM7 |A7 |Dm |
基調はKey=Dmですが、BbM7が重心になっているように感じます。
II-V自体が「調的重力」を感じさせる進行です。
だからモーダル曲では絶対に用いないのがセオリーですが、モード開発者である彼ら自身がすでにそれを打ち破っていく、というのが面白いですね。
Dmをあまり強く出してしまうと、ただのDマイナーの重く切ない曲になってしまいます。たとえば、
BbM7-A7
だったら、
IM7(key=Bb)-I7(key=A)
ぐらいの気持ちで、双方関わりのない和音だ、ぐらいに感じて弾いてみると、帰結進行の呪縛がゲシュタルト崩壊起こします。
コード進行全体を「I度の和音だ」ぐらいに考えてやってみると、モード曲は調的イメージとらわれないで自由にできるので良いと思います。
でもそうなるとどう弾けばいいかわからない!となったら、彼らのプレイを耳コピしてください。ヒントが得られるまで真似をしてください。
こういう挑戦的なことをしていた時代の音楽なので、我々も試行的に演奏すると面白い、みたいな指導を受けたことがあります。
また、BbM7→A7の感じがI→VII7の進行感を感じさせます。憂い、陰りの感覚を覚える方も多いでしょう。ちょっとやってみましょう。
例;
CM7(#11) |B7 |EbM7(#11) |D7 |
FM7(#11) |E7 |Em7 A7 |Dm7 G7 |
という感じはいかがでしょう?
モードはリディアン#2スケール
を使えば良いでしょう。
後半はKey=CのIIIm7-VI7-IIm7-V7です。