音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

なぜ本番で緊張してしまうのか。ライブ;MC;プレゼンテーションをもっと良くしたい人へ

2017.9.20→2019.9.14更新

音楽スクールでの発表会等でも、一番厄介なのは

「本番で緊張してしまうのを何とかしたい」

という問題です。

   

練習量が足らないからって緊張しなければならない、という理由はありません。

社会人であれば、もっと緊張する場に立っているでしょう。それでも発表会や小さなライブで緊張する、これはなぜなんだ、そんな風に考えながら、これまで様々な「緊張しない方法」を考えてまいりました。

 

この記事も経過測定などがありますので、随時更新していきますので、長い目で見て頂ければ幸いです。

 

プレゼンテーションに緊張する人

研究発表・業務報告などで、緊張して早口になってしまう人、息が上がってしまう人、呼吸が苦しくなる人、思う通りに話せない人、などが対象です。

 

■ズボンを緩める。ボタンを緩める。

まずお腹を下に落とすことです。ぼてっと脂肪を前に出すイメージでお腹を下の方に膨らませましょう。横隔膜が下がり、肺の空間が広がれば、呼吸は楽になります。これだけでだいぶ違います。

これはイチロー選手が言った言葉ですが、必ず意識して膝の力を抜きましょう。膝に力が入っていると肩の力も抜けません。。

緊張しないようにリハーサルの時からこれをやってください。

特に高血圧の人は、グッと絞めつけるとさらに緊張が増すので、普段から習慣付けておきましょう。

 

■リラックスしているしゃべり方(歌なら、歌い方)を練習する。

トーク・MCによって緊張が倍増してしまう、という場合は、たとえば小三治さんや志ん朝さんの落語の話し方を真似てみましょう。日本人が一番リラックスしている話し方がそこにあります。あれば楽にしゃべっているのではなく、究極の芸です。すぐに真似はできませんが、力の抜き方、表情の置き方、上半身の仕草、等すべてにリラックスを相手に与える要素が詰まっています。そして空間の匂いが「リラックス」するとあなた自身もリラックスできます。

漫才やほかの芸人さんのトークの感じでもいいのですが、やはり百年続いた芸である落語のリラックス芸は大いなる技術に支えられている分、何度見ても勉強になります。「いやぁ」とか「あのぅ」と言ったリズム一つで自分も周りもリラックスできます。内容如何に関わらず、楽しそうに話す人の話は聞いていてなんとなくなごみます。

私にとって、落語は何百回聞いても飽きないので大変勉強になります。もしプレゼンで緊張するなら、あなたもそうした素材を探すべきです。

 

■本番さながらのリハーサル

本番で着る服を着て、本番の会場の写真を前において(お客さんがこっちを見ている写真がいい。)、ざわめき効果音を再生し、会場に出ていくところから、一礼して、準備して、話し始めるところまでちゃんとリハーサルします。何度も何度もリハーサルします。

それで状況がイメージできますから、本番の緊張が軽減されます。

一回体験してしまえば、あとはそれを思い出すだけです。手に汗を握るぐらいまで思い出してからやるとさらに効果的です。

 

 

ライブでの緊張

メインはこちらです。でもズボンを緩めたり、MCを練習する、という場合は基本プレゼンテーションと同じです。緊張は苦手意識や責任感、期待、チャレンジ精神から来るので、その人が「良い人間」であれば、なおさら緊張します。

 

先だってのM・グラッドウェルの本では「ストレスワクチン」という考え方が掲載されていました。

第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい 

警察官の訓練で、どう猛な犬と対峙したとき、どんな警察官でも最初は心拍数が175以上になり、まともに対応できない。でも何度もやっていくうちに心拍数の上昇が押さえられ、110ぐらいになると、いつもの判断力が戻ってきて、冷静に対処できるようになる、としています。

だれでも冷静さを欠いたらまともに対処できません。

何よりこうした実際の対処の積み重ねが緊張をコントロールする一番のワクチンです。

ライブだって、二回目より三回目がリラックスできます。だから200回やればいいんです。

業界人が見に来る、とか、会社の偉い人が見に来る、とか恋人が見に来る、とか。そんな理由で心は勝手にプレッシャーを構築してしまいます。

でも事前に「これこれこんな状況になるかもしれませんからね」と言っておくだけでだいぶ違います。

「数秒間の中にある一生分の判断」

地震や家事の折、だれでもパニックになります。なっていなくても判断が遅れたり迷ったりしておかしな行動に出るときがあります。

凍った道で車がスピンしたとき、人は事故を恐れて無意識にガードレールを見ます。

そうすると、ガードレールの方に滑って行きます。だから車がスリップしたら、レーサーやスタントマンはまず進行方向を見る訓練、をするそうです。

冷静さを欠く、そういう時は不意に訪れます。

「今から火事が発生して、5分後に火が来ます」

ってわかっていたら全然違うでしょう。

「あと15分後に大地震が来ます」

 ってわかったら人はかなり冷静になるでしょう。

 

分からないから冷静さを欠くのです。

だから本番で起こりそうなトラブルや緊張の要素を片っ端から考えて実践しておきます。

そうしたトレーニングでどんどん緊張の要素が減っていったとき、ある時からリラックスして実施ができるのです。どんなことが起きても万全の策を用意しておきながら、回数を重ねていくしかありません。200回もライブをやればだいたいの状態は経験できますから、それだけでも対処のノウハウが付きます。

 

 

アポロ13 (吹替版) 

劇中の訓練シーンで、何度も飛行士はミスで"死亡"します。NASAの非常時トライ&エラーの模様がかい間見れます。

 

■暗示の力

MCなどが上手く話せない、ので緊張する、または逆に緊張するのでMCが上手く話せない、という人もおられるでしょう。

緊張する、という暗示を自分に掛けている状態だと思います。催眠術と一緒の状態です。暗示は考えるより先に潜在意識に働いてしまう(気が付いたときはすでに緊張している)ので、トレーニングしないと克服できません。

もしお時間があれば、催眠術の仕組みを勉強してみてください。近年の催眠術に関する書物は、タネがほとんど書いてあるので、なんで催眠状態になってしまうか、また逆に自己暗示の力などの仕組みが分かります。林貞年さんの本は比較的わかりやすいです。『催眠術の教科書』という本などがおススメです。

催眠術の教科書 (知恵の森文庫)


暗示が掛かっているときは「緊張を解こう」と思っても解けません。催眠を解くには強烈な事象が起きないと解けません(いくら催眠術師でも「相手に自分でナイフを自分に刺させる」ことは出来ません。人は自らに生命の危険が及べば催眠が解け、自己防衛を行う)。
緊張が解けるスイッチを自分で探す必要があります。極端な例で逆暗示として往復ビンタをもらうと緊張は無くなります笑。スポーツマンが気合を入れてこれをやるのは「素」に戻るためです。
スイッチは人ぞれぞれです。

 

■なぜ自分を暗示に掛けてしまうのか

ここからは一人の歌い手を仮想して書いていきます。

→暗示にかかっても良い、かかるべきだ、かかりそうだ、かからなければならない、といった感情がどこかにあるため自分でその状態になることを許してしまっています。
必ずトリガー(引き金)となる動機があります(失敗への恐れ、プライドの失墜への恐れ、ちゃんと綺麗にやりたい等)。緊張が深いところにある自我を表に出します。

・なぜ自宅で海を見ているときのような気持になって歌を歌ってはいけないのか?
・緊張しないことに罪悪感を感じていないか。
後は工夫し続けるだけです。自分で必ず解決できます。そのかわり自分の意識の仕組みを自分で解読しないといけません。

暗示にかかりやすい人は逆の方向に上手く暗示を掛ければ輪をかけて実力を発揮します。

安易な自己暗示の本になると、表面的な啓発本ばかりですが、プロの催眠術師は実際に暗示の力の利用のテクニックが分かります。

・MCのやり方が分からない
・MC必要性がわからない
・MC内容がうまく選別できない
・MCが苦手
・MCが嫌い
その他、様々な潜在的な感情が邪魔していると思います。

 

 

■バーで出会った女性の話
たまたま隣にいた異性に話し掛ける機会がありました。

どんな順番で話していきたいですか?
・今自分がいいたいこと
・その人への気遣い、アクセサリー、服装、髪形etc
・料理、お酒、お店、のこと
・自分の活動とバンドメンバー紹介
・家族の紹介や活動紹介
・今日自分が感じたこと
・社会の出来事について思うこと
・自分の仕事、立場
・音楽について
ライブのお客さんに聞いてほしい、と思えるトピックを即興的に用意できることがライブプレイヤーの役目です。お客さんが眼中になかったり、お客さんをぎゃふんと言わせたい、と挑戦気味だったり、そういう気構えでいるとMCのネタは出てきません。お客さんに気配りする義理がないからです。

もし話しかけるのが面倒、という人は基本的にMCに向いていません。むしろそういうことは得意な人に任せる方が良いです。又はそれをなるべくしなくて済むような方向で自分の得意を探した方が人生は楽しいはずです。

もしそれが避けられないなら、200回やるしかありません。


ライブのお客さんはあなたのツアーに参加してくれた客人です。自宅に招いた客人と同じです。
お客がいないライブとは、バスガイドと運転手だけのバスツアーです。自分がバスガイドであれば、お客さんへのトイレの案内や、お食事の案内、見てほしい景色の案内は全て自分が出す情報にかかっています。それがなければ、お客さんはバスツアーを十分に楽しむことができません。しかし楽しまなくても目的地には付けるし、無言でサービスエリアに着けばトイレも食事も得られます。旅は成り立ちます。ただガイドのやり方によっては、もっと印象的な旅にできます。あなたはお客さんに楽しんでほしいと本当に思っていますか?

もし思っていないなら、思っていないことを自覚しなければなりません。エンターテインメントは向いていないかもしれませんね。私も向いていない方でした、でも教えて、

喜んでもらうことには快感を感じるようになりました。それからこの仕事に就きました。スポットライトを浴びるより、スポットライトを浴びたい人をそこに導く方が面白い、と思える人間だったのにようやく気が付いたんです。

 

<立場を変えてみる>

歌い手は「歌」と「お客さん」を結びつける役であり、その結び付け方が豊かであれば原曲ではなく、その歌い手の歌を聴きたくなるものです。それがなければ、曲紹介をしてCDを流しても同じことです。

お客さん一人一人は、自分こそは自分の人生の主役であると思っているので(まあ誰でもそうですが)、ライブにおいて良い歌が聴け、良いメッセージをもらえれば当然、充実します。

あなたはお客さんにとって「お客さんの人生の引き立て役」ですから、誰かと一緒にいる時は、「自分はこの人の人生の中に入り、今立ち回っている」と思ってみてください。するとその人が求めていることが分かります。何か良いことを言おう、と考えるのではなく、今目の前にいる人の人生を想像して観察してその人の世界の中に入ってみてください。

あなたは人前では主役ではなく、見ている人の人生に意義を与えるかどうかという役割を担う脇役、、もしそう考えていろいろ気遣いができるようになるタイプであれば、そのように考えてみてください。

このように立場を変えるとリラックスできる、という場合があります。

 

結局は試行錯誤するしかない、となってしまいますが、少しいろいろな専門書(特に海外の著書は情報量が優れています)を読んで勉強するところから模索するのが良いでしょう。 

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