音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

モーダルインターチェンジって何?1~その意味と類別★★★★

モーダルインターチェンジって何?


ガチで書いてありますので体力あるときに読んでみてください。

ポップスで出てくるのはナチュラルマイナーとハーモニックマイナーの交換ぐらいでほとんど出てこない、と言っていいでしょう。よくモーダルインターチェンジを使った!とかいうつぶやきがありますが、おそらくただの同主調転調であり、それはもはやただの転調であり、ジャズマンがやるモーダルインターチェンジとはちょとニュアンスが違うはずです。
借用和音とモーダルインターチェンジはだいぶ違います。

モーダルインターチェンジの中の一つの見方が借用和音と捉えられる場合があり、借用和音そのものはモーダルインターチェンジの奥義そのものではありません。

 

モーダルインターチェンジとは=単純に「モードが変わること」です。
「旋法転換」「旋法変換」などと意訳できるでしょうか。

カッコいい用語に見えますが、単に今使ってる旋法(モード)を別の旋法に変える行為です。現行ではかなり広い範囲の行動、技巧を指す用語であると思います。

   

 歴史観をサクッと書くと、

・それまでの音楽は、和声進行や転調等によって、音楽に変化、場面転換感を創り出していました。それを極限まで押し広げたのがビバップです。その最中正反対の概念が生み出されます。モードジャズです。一つの調子で神聖さを醸し出す民族音楽的な意味合いから着想された新しいジャズの在り方。

・モード音楽(ここではマイルス時代の初期のモードジャズをイメージしています)は、ビバップがちょこちょことコードを動かしていてアドリブが忙しく制限され手グセで決められてしまって表現の可能性が頭打ちになったと感じたごく一部の天才たちは、モードが一つになることで自由が生まれる、斬新だろう、と思ってやってみたわけです。けど、一つのモードの構成音が延々とつながっていくため、結果、意外に全体は単調になった。COOL。ドリアン、フリジアンなどがジャズメンには好まれました。


・もっとモードジャズをドラマチックにするために、使用モードそのものを変化させていく(転調ではなく、転モードする)ことで、カッコよくした(従来の音楽にあった場面転換感を転調ではなく、モードを変える行為によって代替させて作り出した)!!ここが凄い。着想というか、表現への飽くなき探求というか。

フュージョンの先駆けです。

 

Miles Davis "So What"やJohn Coltlaneの"Impression"などはどちらも
D dorian(16小節)→E♭dorian(8小節)→Ddorian(8小節)
と変化します。転モードです。

これがモーダルインターチェンジの基本的な「モードのチェンジ」です。


ただし実際にはレコードを聴いていただければわかるとおり、即興時には当然厳密にこれらのモード音の使用が守られるわけではなく、基本的な土台をドリアンに置きながらも、バップフレーズを普通に出したりごちゃまぜです。まあそれがまた聴感上新しかったのですが。

これもバップ時代のマンネリズムにもがいた人でなければ得られない快感だったのでは?などと想像してしまいます。

 

モーダルインターチェンジの類別

1、旋法変換
例;Cドリアン→Cリディアン

2、軸音変換
例;Cドリアン→Dドリアン

3、旋法内変換(構成音は同じ)
例;Cアイオニアン→Dドリアン

4、自由変換
例;Cドリアン→F#ロクリアン

の四つとなり、3は普通の機能和声音楽ですし、モードジャズが始めたのは1、2です。このような変化を「モードの色彩変化」などということもあります。
4までくると「何でもありじゃん、、」です。ここから先の体系化はなく、不定調性論で固めています。

このように「モードが変わること」で当然借用和音が出てくる場合もあります。

アイオニアンがリディアンに変われば使用できるコードが変わるからです。

借用和音そのものは結果的な手法であって、「モーダルインターチェンジそのものズバリ」ではありません。上手に使い分けてください。

 

他の考え方として、例えば、
CM7 |CM7 |CM7 |CM7 |
において、
Cアイオニアン |Cリディアン |Cアイオニアン |Cリディアン#5 |
というように、同じコードでモードを変えて演奏するようなものもモーダルインターチェンジしている、と考えることもできます(この時厳密にはCアイオニアンでハ長調が想起されないようにする技術が必要です-次の記事に詳細を書きました)。

これを応用すると、例えばオーソドクスな機能和声進行
Dm7 |G7 |CM7 |
において、
Dフリジアン |Gリディアンm7 |Cリディアン |
というように、キーをめちゃくちゃにしてしまうようなモードを使えば、これはモーダルインターチェンジの概念の拡張になっていると言えます。
面白いと思った方はご自身の音楽に活かしてみてください。あ、70年代にやり尽くされていますので、当時のフュージョンをきいてね。ホールズワースやマクラフリンがやり残してきたことがあると思うなら現代のモーダルインターチェンジを探求してみてください。

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これらを楽器で旋法変換を行うためにはポジション把握はもちろん、そのモードにおけるフレージングに長けていないと瞬間的にソロでは出てきません。
ジャズ、フュージョンプレイヤーに、モードを次々変えて演奏していくスケール練習などを見せてもらうと良いでしょう。

 

より突っ込んだモーダルインターチェンジの話はこちら

www.terrax.site


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ハーモナイズポイント

さらにこの考え方を、極端な事例にまで拡張してみましょう。
Dm7 G7 CM7
という進行において、インプロヴィゼーション時には、
Dm7 (   ) CM7
というようにコードがなくなってしまうような状況も起きかねません。全員が完全にV7を弾くとは限らない状況、あるコード部分がブランクの状態になってしまうような演奏状態になる可能性があります。
この場合、モードを指定して厳密に(※次記事参照)演奏しても、和声やベースが全く他のことをしていたらその部分は当然音楽理論的な破綻が起きます。

拙論ではこうした部分を「ハーモナイズポイント」と呼んでいます。自在に即興的にハーモナイズして、事故的なサウンドの変化感を楽しむ行為です。これが曲全体に拡張される欲求がフリージャズと言えます。

時にはライブなどでは、グチャグチャっと弾いたり、クロマチックで弾いたり、叫んだり笑、クラスター叩いたり、V7時に限らず不安定な空間になったりするのが実際です(時にはもっと長い尺で)。


そういった演奏のほとばしりについても音楽学校では先生方が教える必要があると思うのです。音楽にのめり込む瞬間、パフォーマンスによって何か別のスイッチが入る理由、またその時に直感的にこう演奏しようと感じるスイッチなど、です。これがジャズ、ポピュラー音楽を勉強する意義ですし、育成してあげるべき重要な音楽精神だと思います(不定調性論ではこの分野、感覚が大事になります)。

モードの順番に従ってまともに弾いたのが70年代です。行儀良かった。

その前のコルトレーン神は、すでに約束を無視して二層、三層の演奏にチャレンジしていたので、もう、、神としか言いようがありません。時代や社会が大変なのはいつの時代も同じなはずで、その最中、よくあそこまで誰もやっていないことを第一線でやったと感銘をうけます。

そして時代にビートルズが現れ、ジャズは一時期追いやられます。


==コーヒーブレイク〜M-Bankロビーの話題==

とりあえず飛行石買っておきません?

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