音楽教室運営奮闘記

不定調性論からの展開紀行~音楽と教育と経営と健康と

不定調性論用語/概念紹介

進行感分析の方法〜不定調性論的進行理解の方法2

前回 www.terrax.site いくつかやってみましょう。 C |G |D |A | C |G |Bb |F :| この進行が二回繰り返されます。ビートルズ的な特殊進行です。これを進行感で分析してみてください。 C |G | G |D | D |A | Bb |F :| まずこの四つはI→Vですから、単品での進…

進行感分析の方法〜不定調性論的進行理解の方法1

例えば、 C |Eb | F |Ab :| この進行を機能和声アナライズしてみてください。 それぞれの方法論で表記法や解釈は異なるかもしれませんが、こういう感じに書くのが機能和声のアナライズです(アドリブする人はコードスケールも書いたり)。 機能和声とは、調…

不定調性論の方法論的展開 その2-2

前回 www.terrax.site ⑬原曲概念によるスーパーリハーモナイズ 原曲概念 ⑭動和音・静和音の進行概念 和音は二種類しかない ・その和音の裏面領域音を単数有する和音のことを「第一種動和音」とします。例;C7 、Cm7(♭5)・その和音の裏面領域音を複数有する和…

不定調性論の方法論的展開 その1-2

前回 www.terrax.site 不定調性的和音進行の方法論例 例えば「夏の小川」を表現する和音進行を作るとします。 ではCM7は?夏の小川のイメージがありますか? それともCm7?人によってはCdim7? 一つ和音を選んだら、続く和音を選びます。 CM7 |Dm7 |は小川っ…

協和音から調和音へ〜その和音があなたにとって響いてくる理由は?

2018.5.28⇨2021.2.13更新 www.terrax.site ========== これも不定調性論で用いる12音連関表の活用です。 整数比による協和音から、幾何学的なバランスを持つ和音を「調和音」とすることで各位にとっての「自分が使いやすい和音」を探してはどうでしょう。 12…

三人の作曲家問題〜四つの表現態を考える

前回、自己の成果物について四つの段階があることを触れました。 www.terrax.site 今回は動機mの本質を捉えることで、音楽表現欲求や音楽鑑賞時に感じる価値などを明確に感じられる、という話をします。 大事なのは自分の主観をしっかり分析でき、その主観に…

「子供にピアノを習わせたい」〜作品創作のための四つの現象的な表現態から

前回、自己の成果物について四つの段階があることについて触れました。 www.terrax.site これを元に様々な展開を考えてみましょう。 動機(m)が下記のように生まれたとします。 「子供に何か楽器でも演奏できるようにさせてあげたい」 と考えたとしましょう。…

作品創作のための四つの現象的な表現態

自己表現/成果物作成全般について、下記のような位置付けができないでしょうか? 初期動機/着想/自然要因をmotifとして【m】と表記することにします。 【m】を元に、その個体が最も用いやすい表現方法を用いてイメージを構想することをImageとして【i】と表…

<独自論探求>自分勝手を維持するのは難しい?

これは音楽に限らずのお話です。 なぜ自分は認められないのか分からない、というあなた、あなたの生き方や考え方は、独自論を強く含んでいませんか? その考え方や生き方は、あなた自身にとっては有効なのですが、大多数の人にとって有効ではないから、あな…

<コラム>Harmonic Impact Range〜コード影響範囲の個人差/状況差の話

個々人の音楽観においてコードネームや調性支配が現代的音楽においてどのような範囲まで影響を及ぼすかについて。 不協和だけど、個々人がカッコよく感じられてしまう音への柔軟な理解のあり方を展開してみようという話です。 CM7というコードが書かれた小節…

<不定調性論用語/概念紹介76>不定調性論的思考による音楽制作思考

不定調性論用語/概念紹介記事目次一覧に戻る 不定調性論が掲げたこと 好きな音楽を受容し、真似て展開する あなたのやり方は不定調性論的思考が認める まとめ 不定調性論が掲げたこと まず自分が感じることを自分にちゃんと認める、ということでした。 自分…

<不定調性論用語/概念紹介75>エクスプレッションノートと微分音世界の統合

不定調性論用語/概念紹介記事目次一覧に戻る 教材の最後のパートです。 178,モード変化のための表情音 179,表情音の一覧表化と抽出モード 180,表情音の音程についての不等式 178,モード変化のための表情音 和音構成音の 半音下の音=ダークノート 全音下の音…

<不定調性論用語/概念紹介74>ブルースフィールとジャズフィールの分類-レッドノートの発見

不定調性論用語/概念紹介記事目次一覧に戻る 教材より四度領域の話を抜粋します。 165,下方四度領域のレッドノート 166,レッドノートの応用 173,ブルー/レッドノートの和声利用 175,ブルーノート存在の数理からの展開 165,下方四度領域のレッドノート 基音c…

<不定調性論用語/概念紹介73>四度領域の和音進行分類

不定調性論用語/概念紹介記事目次一覧に戻る 教材より四度領域の話を抜粋します。 157,四度領域の和音の再発見 159,四度領域の基礎進行 162,四度領域の不定調性進行分類 163,四度領域の動和音/進行形態 157,四度領域の和音の再発見 下部テトラコード c d e♭ …

<不定調性論用語/概念紹介72>ブルーノートの解釈9

不定調性論用語/概念紹介記事目次一覧に戻る 153,シュラーの考察 154,I7-IV7はなぜ確立できるか 153,シュラーの考察 例えば、上記のような白丸の旋律があった時、四度、五度の旋律をつけると、黒丸のような旋律になります。以下はシュラーの著書を引用した不…

<不定調性論用語/概念紹介71>ブルーノートの解釈8

不定調性論用語/概念紹介記事目次一覧に戻る ここからは教材第六章の主要部分をかいつまんでまとめておきます。 149,初期ジャズの旋律的構造 150,初期ジャズの和声的構造 149,初期ジャズの旋律的構造 (参考) ウインスロップ・サージェント『ジャズ―熱い混血…

<不定調性論用語/概念紹介70>ブルーノートの解釈7

不定調性論用語/概念紹介記事目次一覧に戻る 奥和弘 著 「アメリカン・ルーツ・ミュージック 楽器と音楽の旅」 音楽之友社 より。 あわせて歴史認識を確認しておきましょう。 黒人霊歌に関連して、讃美歌専門の作曲家、アイラ・デイビッド・サンキーについて…

<不定調性論用語/概念紹介69>ブルーノートの解釈6

不定調性論用語/概念紹介記事目次一覧に戻る W.C.Handy(1873 - 1958)「ブルースの父」と言われた人です。 (参考) http://en.wikipedia.org/wiki/W._C._Handy The primitive southern Negro, as he sang, was sure to bear down on the third and seventh…

<不定調性論用語/概念紹介68>ブルーノートの解釈5

不定調性論用語/概念紹介記事目次一覧に戻る スコット・ジョプリン(Scott Joplin, 1868年11月24日 - 1917年4月1日) (参考) http://ja.wikipedia.org/wiki/スコット・ジョプリン http://en.wikipedia.org/wiki/Scott_Joplin リンカーンの奴隷解放宣言が1862…

<不定調性論用語/概念紹介67>ブルーノートの解釈4

不定調性論用語/概念紹介記事目次一覧に戻る チャーリー・パットンのブルースもちょっと見ていきましょう。 http://ja.wikipedia.org/wiki/チャーリー・パットン この人も古いです。 ヘンリー・スローンという人からギターを学んだらしいのですが、このスロ…

<不定調性論用語/概念紹介66>ブルーノートの解釈3

不定調性論用語/概念紹介記事目次一覧に戻る 西アフリカの音楽「グリオ」という伝承音楽があります。 http://ja.wikipedia.org/wiki/グリオ http://en.wikipedia.org/wiki/Griot 世襲制により引き継がれる神聖な職業で、即興的に歌が歌える能力を有している…

<不定調性論用語/概念紹介65>ブルーノートの解釈2

不定調性論用語/概念紹介記事目次一覧に戻る 大半は、19世紀半ばの南北戦争以前にアフリカ(サハラ砂漠以南のブラックアフリカ)から奴隷貿易によりアメリカに連れてこられた奴隷の子孫である。ただし若干だが、より新しい時代に自由な移民として渡米した黒…

<不定調性論用語/概念紹介64>ブルーノートの解釈1

不定調性論用語/概念紹介記事目次一覧に戻る 先に結論を書いておきます。不定調性論には五度の領域の音楽と四度の領域の音楽があります。ブルースは四度の領域の音楽に属します。ブルースで最も特徴的なブルーノートは、五度領域の音楽(西洋的な音楽構造)…

<不定調性論用語/概念紹介63>スケールアウトの根源

2018.7.18→2020.11.10更新 不定調性論用語/概念紹介記事目次一覧に戻る ドミナントモーションの進行感の根源はこのトライトーンの半音での解決とされます(というか、そういう風に理解することで済ませている)。 マイナーコードではこれが作れないために、b…

<不定調性論用語/概念紹介62>G6→CM7は解決するのか?

2018.7.17→2020.11.10更新 不定調性論用語/概念紹介記事目次一覧に戻る G6→CM7 この和音進行は、ドミナントモーションの代わりになるでしょうか。 取り上げるほどの内容ではありませんが、この進行感は 「ちょっと弱い」とか 「まあ、ドミナント感あるよな」…

<不定調性論用語/概念紹介61>原曲概念

2018.7.16→2020.11.10更新 不定調性論用語/概念紹介記事目次一覧に戻る 下記は『枯葉』的なコード進行です。 Dm7 | G7 | CM7 |FM7 | Bm7(♭5) | E7 | Am7 | A7 | Dm7 | G7 | CM7 |FM7 | Bm7(♭5) | E7 | Am7 | Am7 | 次は上記をリハーモナイズしたものです。 D…

<不定調性論用語/概念紹介59>V7のモードからの独立

2018.7.15⇨2020.11.9更新 不定調性論用語/概念紹介記事目次一覧に戻る 長調はアイオニアンというモードであり、このモードからV7という和音を作ることができたことから、「長調」という概念が確固として確立されました。 このV7⇒Iというのはアイオニアンの中…

<不定調性論用語/概念紹介58>不定調性進行

2018.7.15⇨2020.11.9更新 不定調性論用語/概念紹介記事目次一覧に戻る 演奏できる方は、次のコード進行を弾いてみてください。 CM7 Dm7 Em7 FM7 G7 CM7 私はこの進行に朗らかで、穏やかな昼時を思わせる調べを感じました。 ここにアレンジを加えます。 CM7 D…

<不定調性論用語/概念紹介57>ドミナントモーションからの解放

2018.7.13⇨2020.11.9更新 不定調性論用語/概念紹介記事目次一覧に戻る 例えばこんな曲を創ったとしましょう。コードの流れだけです。 小節や拍の符割りはお任せします。後半に仕掛けが施されています。まずG7から全てのM7に進む部分があり、曲の最後はBM7で…

<不定調性論用語/概念紹介53>マザーメロディ

2018.7.11→2020.11.8更新 不定調性論用語/概念紹介記事目次一覧に戻る この楽譜の音に合うコードを付けてみましょう。 この時、不定調性論では、このような「メロディの大枠」を「マザーメロディ」といったりしています。これからメロディになる元のメロディ…