音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

96, Dream(残像が作る和音の技法) / John Cage

96, Dream / John Cage

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淡い色彩感、夢見心地の楽曲です。

 

ペダルを生かした、"旋律の裏で交わる和音の響きの余韻が=夢という音楽的クオリアに類似している"と思わせるストーリー。


つまり、旋律はなんでもいいと思うんです(スミマセン)。
一つの解釈として、ですが。

 

ピアノという楽器があって、

そのピアノが持つペダルという機構が作り出す余韻現象があって、

その余韻現象が人の心にもたらすさまざまな印象がある、

と思うのです。

 

で、この三つのことを体現するために、みなさん各位、ペダル踏みっぱなしで、即興演奏してみてください。テーマは、このペダルトーンが持つ雰囲気を表現できるのであれば、どんなものでも結構です。各位のイメージで演奏するのです。

風景

想い出

古い写真

キラキラ

...

いろいろみなさん一人ひとりが持っているペダルトーンへの思い入れがあると思います。

普段は、綺麗だな、とか、厚みがあるなぁ、とかなんとなくの印象だけで通り過ぎるときもあるでしょう。

 

ケージ氏がどんな思いでこの曲を作られたかを知らずに書いていますから、また厚顔無恥で申し訳ないのですが、私は、この感性の見事さ、細やかさ、"ああ、やっぱりこういうところに気が止まっちゃうんだ"という、なんかとても説得させられてしまいました。

 

 

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またこの曲の旋律を下記のように還元してみました。

小節だけで書かせて頂きます。

単純に小節で区切られた部分を還元しているので、あくまで一例として。

(還元の例として)
AbM7 |D7(b13) |AbM7 |Cmadd9 |
Bb7sus4 |AbM7 |Gm7 |AbM7(#11) |
G7sus4(b9) |AbM7 |AbM7(#11,13) |AbM7 |
Cm7(b13) |AbM7 |Cm7(b13 |AbM7(9) |
Bb7(9) |Cm7(9,b13) |AbM7(9) |AbM7 |
Bb7(13) |AbM7 |G7sus4(b9) |Cm7(9) |
G7sus4(b9) |
G7 |AbM7 |Bb7 |AbM7 |
Dm7(b5) |G7(#9,b13) |AbM7 |Dm7(b5) |
G7(#9,b13) |AbM7 |Cm7 |G7sus4(b13) |
AbM7(#11) |Cm7 |AbM7 |Cm7 |
AbM7 |Cm7 |AbM7 |Bb7sus4(13) |Bb7(13) |
「1.2.
Cm7 |Dsus4 Gm/D |AbM7 Dsus4 |Gm/D AbM7 :|
「3.
Dsus4 Gm/D |AbM7 BbM7(13) | ||

 

時々あれ?っていう響きが入ることで、"不可思議さ""奇異さ"を上手く演出し、この曲が示そうとするものを聴き手に想起させようとしているような印象をこれらの和音から受け取れます。

 

個人的には、#11th系のコードサウンドは、ホールトーン的で、ドビュッシーから連綿と繋がっている"夢"が伝統的な重みすら持ってこちらに伝わってきます。

 

これらの旋律が余韻となって、旋律の裏で和音を作ります。

 

cの音は、一種類しか無いですが、

C△の上でC音が鳴る時、
Ab△の上でC音が鳴る時、
Amの上でC音が鳴る時、
F△の上でC音が鳴る時、
D7の上でC音が鳴る時、
Bbadd9の上でC音が鳴る時、
F#M7(#11)の上でC音が鳴る時、

 

それぞれ違うcとなる(cが変質する)(心象的に、自然倍音の含有率の比的に)、と捉えることで、12音を12音以上の種類にすることが和音の役割です、と不定調性論でも書いています。

 

この長三度は"花"だよ、そして、こっちの長三度は"ちょうちょ"だよ、っていう具現化を行う能力があれば、それが音楽的素養、ですよね。他の人が理解できない感覚は人と違うものを生み出すヒントではないかと思うのです。

 

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