音楽教室運営奮闘記

不定調性論からの展開紀行~音楽と教育と経営と健康と

二種類のディグリーになるコード感;夢の中の君 / たま

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たまの不定調性進行分析

夢の中の君 / たま

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メジャー10枚目「東京フルーツ」から。

とってもかっこいいです。
で、この曲カッコいいところがもう一つあって、

Aメロ
Bb |% |C |% |Bb |C |Bb |% |
Bb |% |C |% |Bb |C |Bb |% |
B
C |% |% |% |
Bb |% |% |% |
C |% |% |% |
Bb |% |% |% |
C |% |% |% |
Bb |% |% |% |
C |% |% |% |
Bb |% |% |% |

コードが二つだけ。
Bb-C-Dと行かない。
Bb-C-Dmにも行かない。

 

二つだけのコードに制限することによって、どこかへ動いていきたくなる欲求が様々な想像やミスディレクションを起こすのでしょうか。

 

聴き手にそういう魅力を感じさせる能力がある時点で、色々凄いです。

 

このI-IIは不定調性論では、どちらかをセンターコードに定めるのですが、この曲を見ていると、センターコードが途中で入れ替わっているようにも感じます。機能和声的に考えても

I ⇨II

VIIb⇨I

の2種類が考えられます。


またAメロとBメロ以外のセクションの間でも、センターが入れ変わり、互いが別の配置になっているような箇所があるように感じます。

 

センターコードをIとして考えて、私の印象をさらに細かく書き出すと、
Aメロ
VIb |% |VIIb |% |VIb |VIIb |I |% |
I |% |II |% |VIb |VIIb |I |% |
B
I |% |% |% |
VIIb |% |% |% |
I |% |% |% |
VIIb |% |% |% |
I |% |% |% |
VIIb |% |% |% |
I |% |% |% |
VIIb |% |% |% |
もっと細かく分けられるかもしれません。

 

このように印象だけでディグリーを分けていくとI,II,VIb,VIIbというコードが感じられます。

 

故に二つのコードに感じない、というのはあるかもしれません。

これは私の印象です。もっといろいろ感じる人もいるでしょう。
こうした感覚的コード機能を、自由に配置できる不定調性論で、より従来の機能論から脱出した音楽を作って頂きたいです。

 

これ動画をぼーっと見ていて、2コードしかない、ということに気が付く人がどのくらいいるでしょうか。


歌詞の雰囲気が変わるに従い、それぞれのコードの雰囲気が変わっていくのが良く分かると思います。

 

これ弾き方とか、アレンジとか、歌詞の抑揚とかでも違って感じられるし、それを表現できるミュージシャンの感性もとっても大事。

 

I△、II△を持つモードはリディアンですから、リディアンモードの楽曲とも言えますね。これも所詮は一時的解釈で、一時的解釈だけでは曲は作れないんですよね。経験を重ねて解釈力を深めていかないと。

感じることを作ることにつなげるような習慣を作ってください。

 

知久さんの歌声は、音程と音程の間に無限の回廊があって、そこから文明を抜けて、感性や野生に入り込み、「何かを想い出させてくれる声」ですね。

東京フルーツ 

 


たま情報提供;マーサ
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